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『腸内便細菌叢移植療法』で自閉症にも改善効果がある?!マウスによる実験について

先日(2015年2月)のNHKスペシャルで『腸内フローラ』に関する特集が放送され、その中で2匹のマウスの腸内フローラを交換移植することで、片方のマウスに特徴的であった『不安障害』が解消されるという実験が紹介されていました。近年では腸内フローラは第二の脳とも呼ばれるように、神経伝達物質を多く生み出し、精神疾患にも深く関わりがあると考えられています。

 

そして、2013年12月の『Cell』誌に、マウスによる腸内フローラ移植で、ヒトの自閉症スペクトラムに相当する疾患が解消されたという内容が報告されました。研究グループは「腸内細菌叢による自閉症の治療に期待し過ぎないように」という警告はしていますが、ヒト臨床試験で潰瘍性大腸炎の改善効果が見られたことから、何らかの変化は現れるのではないかと言う期待が持たれています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

研究内容の詳細

自閉症スペクトラム(ASD)患者の一部には、『胃腸疾患』が見られることは以前から明らかになっており、正常な腸内細菌叢の移植で何らかの改善が見られるのではないかと言う期待が持たれています。今回の研究では、人為的に子供に神経発達障害のリスクが増加させるよう、出産前に母マウスに炎症を生じさせ、生まれた子マウス(MIAマウス)を調べました。 

 

【対象マウスの特徴】

自閉症的な症状を示した子マウス(MIAマウス)では、胃腸に異変が生じ、腸内細菌叢が通常と異なっていることが明らかになった。

 

【処置法】

MIAマウスにヒトの腸内細菌の一種である、バクテロイデス属(Bacteroides fragilis)菌を経口投与(餌として与えた)ところ、胃腸の異変と異常行動が緩和された。

 

⇒一部の代謝物の血中濃度が増加しており、その代謝物の多くがバクテロイデス属により調整されていることが明らかになった。

⇒さらに、MIAマウスで増加していた代謝物のうちの1つを健康なマウスに投与したところ、健康だったマウスで異常行動が見られた。 

 

ヒトへの臨床試験について

現在では、自閉症への腸内フローラ移植は行われた例がありませんが、潰瘍性大腸炎に関しては慶応大学病院をはじめ、いくつかの大学病院で臨床試験が行われています。腸内便細菌叢移植療法の手順としては以下のように行われます。

 

<移植の手順とは?>

移植の手順としては、以下になります。

 

1)配偶者又は2親等以内の家族から便を提供してもらう。

2)生理食塩水と混合し、フィルターで濾過した液体を注射器に入れる。

3)50~300g程度の液体を内視鏡で大腸に注入する。

4)3ヵ月後に白血球数の増加や、症状の改善、副作用の有無、便の遺伝子解析による菌定着度合いについて検査を行う。

 

最後に

上記のように、腸内便細菌叢移植療法は様々な分野の治療法として非常に期待が持たれていますが、その安全性(感染症・肥満症をはじめとする疾患の移譲の可能性)についてはまだ調査が必要であり、治療法として導入されるまでにはまだ時間がかかりそうです。

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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