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自己免疫疾患の炎症抑制に繋がる可能性?酪酸菌とは?温ごはん⇒冷ごはんに変えるだけ??アレルギー/自己免疫疾患の炎症が抑制できる?!

近年、自己免疫疾患の発症機序の解明や症状の抑制方法に関する研究が進んでいます。理化学研究所による研究もそのひとつで、2013年には『腸内細菌のひとつであるクロストリジウム菌(酪酸菌など)に由来する酪酸が、免疫寛容を生じさせる制御性T細胞(Treg細胞)を増加』させ、マウスの大腸炎を抑制することが確認されました。

 

また、ヒトへの効果に関しても、潰瘍性大腸炎や掌蹠膿疱症疾患が改善した例も報告されていることから、ある程度の自己免疫疾患の抑制に有効ではないかと推測されます。

 

腸内細菌由来の酪酸を増加させる方法として挙げられているのが『酪酸菌の投与』『高食物繊維の摂取』ですが、具体的にどのような製剤・食材を経由すればよいのでしょうか?

 

20~30gもの高食物繊維が、さらに制御性T細胞を増加させる?

クロストリジウム菌は腸内で『酪酸』を作り、これが生まれたてのT細胞(ナイーブT細胞)から制御性T細胞への分化過程に関わる現象=『エピジェネティクス制御』を促進させる効果を持っていると考えられています。

 

この酪酸は、食品から直接摂取することが難しいため、『ミヤBM錠』などの生菌製剤で補うことになります。

 

また、この機構を促進させる働きのある食物繊維は、一般的な食物繊維の摂取量は『12~18g』程度ですが、高食物繊維はさらに多く『20~35g』程度の量が必要になるとされています。

 

<食物繊維の種類>

・でんぷん性食物繊維【レジスタントスターチ】

・非でんぷん質食物繊維【アボカド・オクラ・きのこ類・海藻類・こんにゃく・やまいも・ごぼう・納豆】

・その他【オリゴ糖・糖アルコールなど】

 

 

マウスによる実験では、大腸の酪酸増加がTreg細胞を2倍に増加させた

理研による、マウス実験では、大腸の酪酸濃度を高めることで、制御性T細胞が2倍に増加されることが確認されています。

 

■酪酸投与で制御性T細胞の分化誘導が生じたという実験(理化学研究所による)

【実験内容】短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸など)を未熟なT細胞の培養液に添加し、制御性T細胞への分化誘導活性を調べた。

 

【結果】酪酸に顕著な誘導活性が認められた。

 

■マウスへの酪酸化でんぷん投与で、Treg細胞が2倍になったという実験(理化学研究所による)

【実験内容】酪酸化でんぷん(大腸の酪酸濃度を高める効果がある)を離乳したばかりのマウスに食べさせた。

 

【結果】食べていないマウスに比べて、大腸の制御性T細胞の割合が約2倍に増加した。また、大腸炎の症状が抑制された。

 

最後に

ただ、酪酸大量摂取に関する安全性はまだ確認されていないことから、治療薬として使用する場合は医師によく相談されることが重要です。

 

 

アレルギー・自己免疫疾患に有効?!免疫寛容をもたらす『ミヤリサン(酪酸菌)』とは?

昨年、東京大学と理化学研究所の共同研究で、『17種のクロストリジウム属菌(酪酸菌)に、制御性T細胞を誘導させる働きがある』(=アレルギーや自己免疫疾患の改善に繋がる可能性)という研究内容が発表されました。

 

クロストリジウム属菌には、体内で蛋白質分解によりアンモニアを産生する悪玉菌も存在していますが、中には蛋白質非分解の酪酸菌も存在しており、治療を行ううえではこちらを選ぶことが重要になります。

 

処方薬の『ミヤBM細粒』もしくは市販薬の『ミヤリサン』などには、蛋白質非分解の酪酸菌が使用されているため、安全に治療補助製剤として使うことが出来るといわれています。

 

以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

善玉・悪玉2種類がある『酪酸菌』

酪酸菌(クロストリジウム属菌)とは、人の腸管内常在菌で、酪酸を生成する働きを持ちますが、善玉菌と悪玉菌の2種類が存在します。善玉菌としては、『宮入菌』が良く知られており、悪玉菌の代表としは『破傷風菌・ボツリヌス菌』など神経毒を産生する菌なども存在します。

 

また、苛酷な環境に非常に強く(100℃でも生育する、また強酸・強アルカリ・乾燥条件下では一旦休眠し、環境が改善してから活動を再開する)、経口摂取でも腸管内に生きたまま到達することが分かっています。

 

<乳酸菌との共存は?>

宮入菌などの酪酸菌は、ビフィズス菌・乳酸菌の発育を助ける働きをもっていることが知られています。

 

自己免疫疾患では、善玉酪酸菌が減少している?! 

東京大学と理化学研究所の共同研究で、『17種のクロストリジウム属菌(酪酸菌)に、制御性T細胞(Treg細胞)を誘導させる働きがある』という研究内容が発表されました。

 

自己免疫疾患である炎症性腸疾患患者群の糞便では、健常者に比べ17種の菌が有意に低下していることが報告されています。以下はマウスによる実験の詳細です。

 

◆マウスへの17種の酪酸菌の投与と腸炎抑制実験

【実験内容】培養した17菌種をマウスに投与すると、大腸のTreg細胞の数が増加し、腸炎・下痢が有意に抑制された。

 

<酪酸にはどのような効果がある?>

また、酪酸菌によって産生された酪酸・プロピオン酸(短鎖脂肪酸)は、動物実験において以下の生理活性作用があると報告されています。

 

◆腸管粘膜のエネルギー源として利用され、水分吸収を促進

◆腸管上皮細胞の増殖促進

◆炎症性サイトカインの抑制作用等による抗炎症、抗潰瘍作用

 

臨床試験について

<酪酸菌のアレルギー疾患に対する臨床試験(ミヤリサン製薬株式会社)>

◆過敏性大腸症候群患者への酪酸菌製剤投与試験

【試験内容】乳酸菌・ビフィズス菌の減少、および悪玉菌であるクロストリジウム属菌の増加が確認された、過敏性腸症候群患者(30例)に酪酸菌製剤を投与する。

 

【結果】酪酸菌製剤投与後には、健常人ボランティア(30例)と同程度に腸内細菌叢が改善された。

 

◆酪酸菌投与による炎症性腸疾患の防御作用

【実験内容】炎症性腸疾患を生じさせたラット(デキストラン硫酸塩投与による)に、酪酸菌製剤を投与する。

 

【結果】潰瘍・炎症の面積の縮小、MPO(酸化ストレスマーカー)活性の低下、浮腫の顕著な抑制作用が確認された。

 

◆化学療法剤投与により崩れた腸内細菌叢のバランスの早期改善

【実験内容】化学療法剤を投与し、腸内細菌叢の異常・短鎖脂肪酸の減少を生じさせたラットに酪酸菌(宮入菌)を投与する。

 

【結果】腸内細菌叢の早期に回復が確認された。

 

 

上記の臨床試験の結果ように、善玉酪酸菌の継続投与により、腸内細菌叢の改善・免疫細胞性の腸管炎症の改善・サイトカイン抑制・免疫寛容促進などの作用があることが有力となってきています。

 

また、この酪酸菌投与に加え、ビタミン様物質『ビオチン』を併用投与することで、『掌蹠膿疱症』が寛解となった例も多く報告されていることから、その他の自己免疫疾患治療の補助療法として非常に期待が持たれています。

 

 

温ごはん⇒冷ごはんに変えるだけ??アレルギー/自己免疫疾患の炎症が抑制できる?!

近年、理化学研究所の研究で、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸の一種、『酪酸』を増加させると、アレルギーや自己免疫疾患の抑制に関わる『制御性T細胞(Treg細胞)』の増加に繋がることが報告されました。酪酸を産生する腸内細菌(クロストリジウム目)そのものを増加させるためには、『高食物繊維』の摂取が有効であり、またその中でも最も酪酸濃度を高める食物繊維が『レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)』であることが分かっています。レジスタントスターチを毎日の食事の中から気軽に摂取するためには『お米を炊いた後で一度冷やす』ことで作れる、という海外の研究結果もあります。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

腸内で酪酸を作るには、どんな食物繊維が必要?

前述のように、腸内で酪酸を作るためには食物繊維を多く摂る事が必要です。しかしそのような回りくどい方法をとらなくても、直接酪酸を摂取すれば良いのではないか?と考えられるかもしれませんが、食事から酪酸を摂取しようと思えば、酪酸含有比率の高い食品『バターや生クリーム』を継続摂取しなければならず、健康面において現実的な方法とはいえません。そのため腸内細菌による食物繊維発酵によって酪酸供給を行うと考えるのが最善であるように思います。一般的な食生活において、人が一日に摂取する食物繊維の内訳は以下になります。

 

■1日当たりの食事由来の食物繊維供給量

 

□レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)

8~40 g

□非でん粉質の食物繊維

8~18 g

□オリゴ糖・糖アルコール

4~14 g

□タンパク質(消化酵素など自身の体由来)

5~18 g

□難消化性タンパク質(食事由来)

4~10 g

□ムチン

2~3 g

 

この中で、比較的摂取しやすいのは『レジスタントスターチ』と『非でんぷん質食物繊維』です。下記は、『レジスタントスターチ/非でんぷん質食物繊維/オリゴ糖』が腸内細菌によって産生される、短鎖脂肪酸の比率ですが(酢酸/プロピオン酸/酪酸)、最も酪酸の割合が多いのがレジスタントスターチなどでんぷん質食物繊維で、ペクチンやグァーガム・オリゴ糖などは酪酸比率が低いことが分かります。そのため、アレルギー・自己免疫疾患の症状抑制に食物繊維を摂取するなら、『でんぷん質食物繊維』が最も効率的であると言えます。

 

■食物繊維の発酵で生じる短鎖脂肪酸の割合

【酢酸:プロピオン酸:酪酸の比率】

<でんぷん性食物繊維>

□レジスタントスターチ・・・41%:21%:38%

□小麦ふすま・・・61%:19%:20%

□オーツブラン・・・57%:21%:22%

 

<非でんぷん性食物繊維>

□ペクチン・・・71%:15%:8%

□グァーガム・・・58%:27%:8%

□フラクトオリゴ糖・・・78%:14%:8%

 

 

レジスタントスターチとは?

レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)とは、デンプンを加熱した後冷却すると、再結晶化し構造変化することで生じる物質で、ヒトの小腸では消化されず、大腸まで届き腸内細菌の餌となるのが特徴です。腸内細菌によって、【酪酸・酢酸・プロピオン酸】という成分に分解されます。生理活性作用としては、酪酸には免疫機構の正常化、プロピオン酸には脂肪燃焼効果があることが報告されています。

 

レジスタントスターチづくりに適した温度とは? 

レジスタントスターチを得るのに最も適した食材は『冷えたご飯やパスタ』です。特に寿司や冷静パスタは美味しく食べられるため、おすすめです。テレビ番組『世界一受けたい授業』でレジスタントスターチ研究の第一人者である早川享志先生(岐阜大学教授)が、レジスタントスターチづくりに最も適した環境について以下と述べています。

 

■レジスタントスターチが出来やすい環境

□4~5℃の温度(冷蔵庫の温度くらい)

□再加熱で、結晶化は元に戻ってしまう。

□ゆっくりと冷やす(急速に冷やすとレジスタントスターチはできにくい)。

□凍らせるとあまり効果がない。

 

■レジスタントスターチに適した米の種類について

□米の種類・・・タイ米(もち米には少ない)

□米の質・・・ぱさぱさしたコメのほうが多い(ササニシキ、コシヒカリは中間くらい) 

□米の状態・・・精米する前の玄米はより消化されにくい。 

 

 

最後に

上記のように、でんぷんをただ冷やす場合、再加熱すると元に戻ってしまいますが、海外の研究では『ココナッツオイルでお米を炊くと再加熱後もレジスタントスターチの量は変わらない』ことが報告されています。ココナッツオイル以外の油については、まだ研究中のようで、今後の経過に注目したいところです。

 

 

(参照ウェブサイト:だだもれアンチエイジング) 

 

(photoby:pixabay

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-11掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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