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メンタル

三環系抗うつ剤の中でも副作用が少なくルジオミールに似た効果『アンプリット』とは?

三環系抗うつ剤の中でも『アンプリット』は、比較的効果が弱く穏やかな作用で、副作用も少ない薬と言われています。そのため、SSRI薬やいくつかの薬で効果が見られなかった際に処方されることが多く、また薬に脆弱性のある高齢者や広汎性発達障害の方にも処方しやすいとされています。抗うつ剤の効果は、力価表による強さの比較が全てを現しているとは言えず、個人の脳との器質的な相性によるところが大きく、このアンプリットも非常にフィットする人には少量で症状が大きく軽快させる場合もあると言われています。しかしながら、アンプリットはマイナーな抗うつ剤でウェブサイト内で患者向けに公開されている情報は少なく、医師が思いつかなければ患者はこの薬の存在を知ることがないという現状があります。以下では、いくつかの精神科医のウェブサイトよりアンプリットに関する特徴について抜粋・要約しました。以下では、その詳細について見ていたいと思います。

 

アンプリットの詳細について

抗うつ薬の中で、1981年に発売され第二世代三環系抗うつ薬に分類される薬が、アンプリットです。第一世代三環系抗うつ薬と比べて、抗コリン作用が弱くなり副作用が軽減されているところが特徴です。再取り込み阻害はノルアドレナリンのみですが、活性代謝物のデシプラミンは強いノルアドレナリンの再取り込み阻害作用とセロトニンの再取り込み阻害作用を持ちます。

 

<アンプリット作用機序>

セロトニン及び、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、脳内で不足している神経伝達物質を補い、うつ症状を改善します。

 

<アンプリットの処方について>

アンプリットの処方について、精神科医のブログに記載されている内容を抜粋・要約しました(出典元は末尾に記載)。

 

■副作用の少なさ/安全性について

「高齢者にも処方しやすい」

「アンプリットは全般に3環系抗うつ剤に見られる副作用が少ない」

「比較的食欲亢進や体重増加の副作用も少ない」

「アンプリットは国産だが、外国でも処方されている(英国など)。ただアメリカで発売されていないので、ややエビデンスが少ない」

「非常に薬の有害作用に敏感な英国でも、アンプリットは3環系の割に用量が多い時に副作用が少なく人気である」

「古典的抗うつ剤、トフラニールやトリプタノールに比べ中枢性抗コリン作用を欠き、鎮静作用、筋弛緩作用、運動失調作用はきわめて弱く、けいれん増強作用はみとめられない。全般に副作用が少ない」

「典的な3環系だと、どうしても口渇や尿閉などが出て使えない時にアンプリットだとうまくいくケースがみられる」

 

■効果について

「三環系抗うつ剤の中でも安全な方で、穏やかな効き味で鎮静的」

「ルジオミールの抗うつ効果と眠気を軽くして、服用しやすくした感じ」

「ルジオミールは、ノルアドレナリン系のみに作用するため、セロトニン系の賦活で焦燥感や希死念慮が増強してしまう患者に向いており、また遷延性のうつにも“低め安定”をつくる感じで適している」

「80歳以上の高齢者でも、100mgで精神症状安定、副作用が便秘のみであった症例もある」

「アンプリットは、3環系にしては忍容性が高いので結果的に高用量が服用できて、高力価の抗うつ剤よりも効果的というケースはある」

「抗うつ効果もトリプタノールやトフラニールに比べやや弱い(しかし十分な程度である)」

「デプロメールなどよりさっぱりとした効き方をする」

「SSRI(パキシル/ジェイゾロフトなど)やアナフラニールが効果の重さや副作用で服用できない場合でも、アンプリット少量なら服用できた症例がある」

 

■適応について

「パニック障害に、アンプリットやアナフラニールなどの旧来の抗うつ剤は有効」

「難治性うつ病の患者にはアンプリットはやや力弱い」

「統合失調症のうつ状態に比較的相性が良い」

 

■処方される頻度について

「初診で処方することは極稀である」

「アンプリットが処方されるのは、既にいくつかの薬で無効だったか、または副作用で飲めなかったか、という経緯があることが多い」

「過去にはうつ病の第一選択薬としていた医師もおり、駄目な薬であるわけがない」

 

■効果の発現について

「効果の発現が早い」

「半減期はアンプリットは2.7時間、デシプラミンが3.4時間であり、一般的な抗うつ剤に比べかなり短い」

 

<アンプリットの副作用>

代表的な副作用としては、【口渇:5.2%、便秘:3.4%等の抗コリン作用症状、眠気:1.7%、ふらつき:1.0%の精神神経系症状などが挙げられる。

 

<副作用の機序>

アンプリットを含む第二世代三環系抗うつ薬は、弱いムスカリン性アセチルコリン受容体やα1(アドレナリンα1)受容体、H1(ヒスタミンH1)受容体の遮断作用を持ち合わせています。これら3つの受容体の遮断作用によって、抗コリン作用による口渇、起立性低血圧によるふらつき、脳内H1受容体による眠気が引き起こされます。

 

臨床試験の結果について 

国内・海外の臨床試験についての結果について、以下の内容が報告されています。

 

■アンプリット(ロフェプラミン)のパニック障害への適応に関する臨床試験(PubMed:The Galway Study of Panic Disorder.)

【試験内容】アンプリットとアナフラニールを広場恐怖症なしのDSM III-Rのパニック障害患者66人に6週間投与し、効果を比較した。

【結果】2剤は、いくつかの標準スケールにおいて、パニック障害の急性期にプラセボよりも優れており、また双方の薬の効果に差は見られなかった。

 

■アンプリットの抗うつ効果に関する臨床試験(第一三共株式会社:アンプリット添付文書)

【試験内容】国内28施設で実施されたうつ病・うつ状態の患者521例を対象とした臨床試験

【結果】改善率は著明改善及び中等度改善では591%(308例)であり、軽度改善を含めると78.3%(408例)であった。

 

■アンプリットとトフラニールの抗うつ効果に関する比較試験(PMID:1095514)

【試験内容】内因性うつ病の49人の入院患者を対象に、ロフェプラミンを20日間毎日210mgを投与し、一方で他の52人の患者に毎日イミプラミンを150mg投与し、その効果を比較した。

【結果】両方の物質に、高い抗うつ効果を有することが判明し、その効果の質に有意差を示さなかった。

 

最後に

アンプリットは上記のように三環系抗うつ剤の中でも安全性が高いと見られ、古い薬であるがゆえの奥行きのある抗うつ効果の評価も高いようですが(ただし三環系抗うつ剤使用の際には、心不全を引き起こすQT延長がないか心電図を事前にとっておくことが必要)、前述の処方に関する情報は、数人の精神科医の見解であり、薬の個人への効果も一定とは言えないことから、処方されるかどうかについては主治医と良く相談されることが重要となります。

 

(参考ウェブページ:kyupinの日記、もなかのさいちゅう)

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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