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ガン・悪性腫瘍

抗がん作用がある?!過去に発がん性を謳われた人工甘味料『サッカリン』

近年、米国フロリダ大学医学部を含む研究グループの報告で、これまで発がん性のある人工甘味料と認識されてきた『サッカリン』が、反対に『がんの成長を遅くする作用がある』ことが伝えられました。がん細胞は特定の酵素『炭酸脱水酵素9』によって増殖・活性化するということが分かっていますが、サッカリンを反応させることで、その酵素が阻害され、がんの成長を遅くすることに繋がるとされています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

サッカリンとは?

サッカリンは人工甘味料の一種で、ショ糖の350倍の甘味を持つ(高濃度では苦味があるため、他の甘味料と混合して用いられる)物質です。サッカリン自体はほとんど水に溶けないことから、液体の場合は水溶性のナトリウム塩(サッカリン酸ナトリウム)が様々な加工食品に用いられています。現在では発がん性の懸念から、日本の加工食品には【スクラロース/アセスルファムカリウム/アスパルテーム】が主に用いられています(歯磨き粉など一部には使用)。

 

■サッカリンの発がん性について 

・1960年代に行われたラットによる実験では、膀胱癌の発生が見られた。

・その後、24年間猿にサッカリンを投与し続けても、発がん性は発見されなかった。

 

⇒上記の雄ラットの実験は、膀胱結石による物理的な刺激が原因であることが判明した。

⇒現在では発癌性物質リストから削除されている。

 

がん細胞に多く発現する、『炭酸脱水酵素9』とは?

炭酸脱水酵素9(CA9)は『炭酸脱水酵素(二酸化炭素⇒炭酸への反応を触媒し、体内のpHを調節する)』と呼ばれる酵素の一種で体のあらゆる細胞に発現が見られますが、CA9に関しては正常細胞にはほとんど発現せず、がん細胞に多く見られます。がん細胞の転移や成長を助長、また腫瘍の攻撃性を向上させるといわれています。

 

■CA9の発現が認められる部位

・膵臓がん

・肝臓がん

・腎臓癌

・大腸がん

・乳がん

・子宮頸がん

・前立腺がん等

 

臨床研究について

■サッカリンナトリウムによるがん細胞活動抑制に関する実験(米国フロリダ大学医学部を含む研究グループ:バイオ・オーガニック&メディシナル・ケミストリー2015年2月号)

【研究内容】市販のサッカリンナトリウム(スウィートン・ロー:Sweet’N Low)を実験室で乳癌細胞に添加した。

【結果】サッカリンナトリウムが、炭酸脱水酵素9による触媒作用を阻害していることが明らかになった。

 

最後に

上記のように、サッカリンは実験室レベルではあるようですが、様々な癌の増殖に寄与している酵素を阻害する作用があることが分かりました。しかしながら、サッカリンは別の研究で『人によっては腸内細菌叢を変化させ、血糖値を上昇させる』作用があることも明らかになっており(Nature誌ウェブ版:2014年9月)、日常的に摂取することが好ましいとは言えないようです。今後の抗がん剤治療の補助剤としての活用に期待したいところです。

 

(参考ウェブページ:Med edge、六号通り診療所所長のブログ)

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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