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NASHへの『ビタミンE』の効果!アクトス/メトホルミンに匹敵する?!~肝炎の治療薬

現在、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療法の一種として『ビタミンEの投与』による酸化ストレス抑制が行われていますが、この治療法が他の治療薬と比較しどの程度の効果があり、また脂溶性ビタミンであるがゆえに大量投与の場合、脂質異常症の問題の有無や、過去に報告された心不全の危険性に繋がらないかが明らかにされていませんでした。近年の米研究グループによると、ビタミンEのNASHへの効果は糖尿病治療薬の『アクトス・メトホルミン』に匹敵し(NASHの進展にはインスリン抵抗性が関与していることから)、また副作用の問題も見られなかったと報告されています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)とは?

NASH(nonalcoholic steatohepatitis、非アルコール性脂肪肝炎)とは、アルコールに起因しない脂肪肝で、その発症には『酸化ストレス、糖化(インスリン抵抗性:高インスリン血症)、鉄化など』が関与しているといわれています。そのため、治療薬としては現在【ウルソデオキシコール酸/ビタミンE/ビタミンC/ポリエンホスファジルコリン/アクトス(糖尿病治療薬)】などが用いられています。炎症や線維化を伴うため、肝硬変症や肝がんに進展する可能性があり、その割合としてはNASHの50%が進行性で、約10年で20~30%が肝硬変、肝がんに進行すると言われています。

 

臨床試験について

米研究グループの臨床試験の結果では、NASHへのビタミンE投与が、『肝臓組織の改善/炎症の改善』において糖尿病治療薬のアクトス・メトホルミンに匹敵し、また副作用と考えられている『心不全/脂質異常症』などの発生率は偽薬と変わらなかったという結果が報告されています。

 

<NASHに対する3つの臨床試験の統合データ解析(米Swedish Medical CenterのKris V. Kowdley氏ら)>

 

【対象】NASHを罹患した糖尿病・非糖尿病の成人・小児(347例)

【試験内容】1)非糖尿病の成人にビタミンE/アクトス/偽薬を、2)非糖尿病の小児にビタミンE/メトホルミン/偽薬を、3)糖尿病および非糖尿病の例にケノデオキシコール酸(半合成胆汁酸)/偽薬投与し、効果を比較した。

【結果】以下のような結果となった。

 

■病理組織学的な改善度

□ビタミンE使用群と非使用群との比較:有意な改善効果が示された(オッズ比:2.9)

□アクトス群/メトホルミン群/ケノデオキシコール酸群と偽薬群の比較:有意な改善効果が示された(それぞれオッズ比は4.1、2.7、3.1)

 

⇒【ビタミンEはメトホルミンよりNASHの改善度が高いことが示された。】

 

■炎症の改善度

□ビタミンE使用群は非使用群との比較:有意な改善効果が示された(それぞれ38%と20%の改善/オッズ比:2.4)

□アクトス群と偽薬群の比較:有意な改善効果が示された(オッズ比:3.4)

□メトホルミン群/ケノデオキシコール酸群と偽薬群の比較:有意な改善効果は認められなかった(それぞれオッズ比は4.1、2.7、3.1)

 

⇒【ビタミンEはアクトスよりやや下回るが、有意な抗炎症効果があることが示された。】

 

□心不全の発生率

ビタミンE投与群と非使用群の発生率に有意差はなかった。

 

⇒【ビタミンEは、心イベントの悪化を招かないことが示された。】

 

□脂質異常症の発生率

総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドいずれもビタミンE投与群と非使用群の発生率に有意差は認められなかった。

 

⇒【ビタミンEは、脂質値の悪化を招かないことが示された。】

 

最後に

以上のように、NASH進展を遅らせるためにはビタミンEは有用であることが分かりました。しかし、副作用である心不全の問題に関しては、過去の米研究ではビタミンE摂取で偽群と比べ、13%心不全のリスクが高まるという報告もあり、今後もさらに継続的な検証が必要になりそうです。また一方で、岡山大学大学院の研究では、ダイエットサプリメントにも良く含有される機能性食品素材『カルニチン』が目立った副作用も無く、ビタミンEよりも上回る効果でNASH進展を抑制したという報告を行っています。今後の進展に注目したいところです。

 

(参考ウェブページ:日経メディカル)

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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