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難病『成人T細胞白血病(ATL)』の奏効率50%?新たな治療薬ポテリジオとは

成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)とはリンパ系の悪性がんであり、主に母乳や性交渉を介して起こるウイルス感染に由来するがんで、現在の推計では人口の約1%の約108万人もの人が感染者(キャリア)であるといわれています(但し発症者は年間6人程度と少数)。HTLV- 1というウィルスは主にTリンパ球に感染し、細胞の染色体にウイルス遺伝子が組み込まれるため、一度治療しても再燃を繰り返し終生感染が持続します。これまでATLの治療では、一般に多剤併用による化学療法が行われてきましたが、いまだに決定的な治療法が確立していないのが現状です。しかし、2012年に発売された『ポテリジオ(一般名:モガムリズマブ)』は、国内で行われた臨床試験で奏効率50%という成績が出ており、その効果が非常に期待されています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

ポテリジオとは?

ALTの患者さんの90%にはCCR4というタンパク質が表面にある『CCR4陽性ATL細胞』と呼ばれるリンパ球細胞を持つことが分かっていますが、このCCR4をターゲットにした抗体医薬品(分子標的薬)がポテリジオです。CCR4分子が陽性の人の方が陰性に比べ、統計的有意差を持って予後が悪いことが明らかになっています。また、ポテリジオは従来にはない画期的な薬と言われていますが、その理由は以下の2点です。

 

1)抗体依存性細胞障害(ADCC)を高めるために世界で始めてポテリジェント技術(抗体(IgG)のY字型の首部分にあたる位置にある糖鎖の一分子『フコース』を減少させ抗体依存性細胞傷害作用を増強する)と呼ばれる抗体作成技術が用いられている。

 

⇒フコースを切る事で通常の抗体価の1,000倍程度のADCCでの細胞殺効果が強くなると言われています。

 

2)CCR4タンパクは、制御性T細胞(免疫細胞の働きを抑制し、がん細胞への攻撃のブレーキをかけている)の表面にも出ており、これも標的となることでがん細胞への攻撃性を増強することが出来ます。

 

臨床試験について

ジャーナル・オブ・クリニカルオンコロジー誌によると、国内で行われた再発ATL患者へのポテリジオ臨床試験の成績は、奏効率約50%と高い治癒効果であることが掲載されています。

 

■再発・再燃ATLを対象とした臨床試験では、50%が完全又は部分寛解した(ジャーナル・オブ・クリニカルオンコロジー誌)

【対象】慢性型のCCR4陽性の再発・再燃ATL日本人患者26例(急性型14例、リンパ腫型6例、予後不良因子を有する慢性型6例)

【試験内容】ポテリジオ1mg/kgを1週間間隔で8回、点滴静注を行った。

【結果】26例中、8例が完全寛解、5例が部分寛解となった(=26例中13例、50%の奏効率)。

 

最後に

上記のように、ポテリジオは難病であるATLを奏効させる可能性があることが明らかになりましたが、一方で副作用の問題があり承認時までの国内臨床試験では、全例に何らかの副作用が認められていることから注意が必要です。(高頻度で認められた副作用は、リンパ球減少(95.3%)、過敏性反応(アナフィラキシー)(86.0%)、発熱(79.1%)、白血球減少(67.4%)など)。

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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