カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. メンタル >
  3. うつ病 >
  4. 治療方法 >
  5. 病院 >
  6. >
  7. SNRI薬『サインバルタ』は三環系アナフラニールに匹敵する効果を持つ?~抗うつ薬について

メンタル

SNRI薬『サインバルタ』は三環系アナフラニールに匹敵する効果を持つ?~抗うつ薬について

第四世代の抗うつ剤(SNRI薬)のひとつにサインバルタという薬があります。SNRI薬とは、セロトニン・ノルアドレナリン選択的再取り込み阻害作用のある薬を指し、古典的三環系抗うつ剤の副作用を弱めたものと形容されます。

 

またサインバルタのセロトニン作用性は強力で強迫性障害などに適応がありますが、ノルアドレナリンも関与するため、SSRI薬ではしばしば問題となる『セロトニン過剰(過鎮静)』を緩和し活動性を上げる効果があります。

 

しかし、一方で薬に弱い高齢者や広汎性発達障害などには攻撃性を高めてしまう可能性があることから、『脱カプセル』によって少量使用することも勧められています。

 

以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

サインバルタの特徴と、適応について

サインバルタは強力な抗うつ剤であり、その適応はうつ病/うつ状態/糖尿病性神経痛/繊維筋痛症/全般性不安障害ですが、その他強迫性障害やパニック障害にも有効性があると言われています。

 

下は、精神科医のブログに記載されている内容を抜粋・要約したものです(出典元は末尾に記載)。

 

■サインバルタは強迫性障害への有効性がある(発達障害によるものも含む)

「他のSSRIやNaSSAに比べるとサインバルタは罪業妄想や特に心気妄想(心身の些細な不調に注意が集中しやすく、こだわりさらに過集中となって不調となるもの)に効いてくれる印象があります。」

 

「広汎性発達障害的な人でも強迫へ好影響を及ぼし症状を改善する。」

 

■サインバルタとジプレキサ併用で、非定型うつに効果が出やすい

「非定型うつ病は、特にドパミン系に問題があるように思われる。もともと、非定型うつ病は、MAO阻害薬で治療するとかろうじて浮上できる疾患である。」

 

「サインバルタはMAO阻害薬のように、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンをトリプルでアップさせるので理論的に非定型うつ病に奏功しておかしくない(しかしドパミン効果は強くないし持続性も長くはないように見える)。」

 

「サインバルタと相性の良いのはジプレキサで、前頭葉でドパミンを大きく増加してくれます。」

 

サインバルタはおおむねパキシルよりも優れているという結果

サインバルタとパキシルの力価を比較した、『HAM-D17 Hamiltonのうつ病評価尺度17項目』(塩野義製薬)に関しては、以下とされています。

 

<HAM-D評点減少量(6週治療期終了時・中止時)>

 

■抑うつ気分の改善 (悲哀感・絶望感・無力感・自信喪失感など)

サインバルタ>パキシル

 

■仕事と活動の改善(アクティビティに関する興味・消費時間)

サインバルタ≒パキシル

 

■入眠障害の改善

サインバルタ>パキシル

 

■身体症状の改善(頭が重い・背中の痛み・頭痛・筋肉痛・体力の低下・疲労感など)

パキシル>サインバルタ

 

罪業感の改善(罪業妄想・自責感)

サインバルタ>パキシル

 

■精神的不安の改善(緊張・苛立ち・過敏性・恐怖など)

サインバルタ>パキシル

 

⇒身体症状の改善(疲労感など)に関してのみ、パキシルの方がサインバルタよりもやや優れている結果となった。

 

サインバルタは三環系アナフラニールと似ている?

アナフラニールは三環系の中でも副作用が比較的少なく、不安の強いうつ病やそれに伴う慢性疲労に有効性があると言われてます。

 

サインバルタはアナフラニールに効果の比率において類似していますが、実際の使用感としては「似ているとまではいえず、サインバルタの方が比較的穏やかに効き、またアナフラニールの方が効果に厚みがある」と言われています。

 

<セロトニン:ノルアドレナリンの再取り込み阻害比率(数字が小さいほど効果が大きい)>

 

■サインバルタ

4.6±1.1 : 16±2.9

 

■アナフラニール

1 : 16

 

■ジェイゾロフト

3.4±0.4 : 22

 

■トレドミン

203±50 : 100±17

 

⇒サインバルタとアナフラニールは、力価が同等である(セロトニン増加については、2剤ともジェイゾロフトよりも大きい)。

 

副作用と処方量の調整について

<副作用>

副作用は主に【悪心・口渇・めまい・便秘・疲労感・食欲不振・傾眠・発汗・尿閉】などがある。尿閉に関しては、一時中断・再開を繰り返すうちに緩和する場合もあると言われています。

 

「サインバルタは尿閉の副作用については、臨床的にはそこまで多くはない。頻度は意外に低い。また副作用の方が効果より早く出る傾向にある。」

 

「尿閉の副作用は一時中断・再開するうちに少しずつ緩和することがあり、少し時間をかけることで乗り切ることも可能である場合がある。」

 

<処方量>

サインバルタを服用して、活動的になったけれどもいつも苛々しているという場合は、少し量が多いため、脱カプセルして10mgだけ処方するという方法もあるようです(高齢者・発達障害などでは特に慎重に投与)。

 

最後に

精神科医の先生によると、サインバルタの欠点は飲み始めから時間が経つとノルアドレナリンの効果減弱によって、セロトニン優位となり希死念慮や動けなくなる場合があることだと言われています。

 

この作用は相性によるところが大きいようですが、強い薬であるゆえに処方量には慎重になる必要があるということです。また処方に関する情報は、数人の精神科医の見解であり、薬の個人への効果も一定とは言えないことから、処方されるかどうかについては主治医と良く相談されることが重要となります。

 

(参考ウェブページ:kyupinの日記、もなかのさいちゅう)

(photoby://pixabay.com/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

薬に関する記事

自分が飲む薬について知っていますか?薬物治療 SNRIについて

  SNRI(セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)はSSRIの次の世...

うつ病治療で薬漬けにならないためには?~うつ病の改善~

うつの症状に悩んでいる時に、「病院に行こうかな」と思うと同時に「でも薬漬けに...


精神科で処方される薬はどんな種類がある?~セロトニンに関わる薬(抗うつ薬)

向精神薬には、大きく分けて5種類の薬(『抗精神病薬』『抗うつ薬』『抗てんかん薬...

様々な状況でのうつ病治療

  うつ病には慢性うつ病や併存障害がある場合、妊婦さんなどの特別な条件下でのう...

カラダノートひろば

薬の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る