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エコノミークラス症候群発生リスクが3倍に上昇する?!新規の『ステロイド』を使用

ステロイド(糖質コルチコイド)は、副腎と言う腎臓の上に乗っている小さな臓器から分泌されるホルモンで、抗ストレス・炎症・免疫抑制などの効果を持ち、昔から様々な疾患(気管支喘息などのアレルギー性疾患や、膠原病などの自己免疫疾患、多くの炎症疾患や癌などの補助療法)に使用されています。しかし、その効果に伴い、副作用も大きく、易感染、血糖値の上昇や高血圧、精神疾患を惹起することもあります。また足の静脈などに血の塊が出来てそれが肺に飛んだりする、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクを高めるのではないか、ということも報告されています。では、その発生リスクとはどの程度なのでしょうか?以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

ステロイドにはどのような種類がある? 

ステロイドは副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つですが、体の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があります。ステロイド薬の種類には、『飲み薬(経口剤)、塗り薬・目薬・吸入剤など(外用剤)、注射剤、座剤』があります。経口剤と注射剤は『全身性ステロイド薬』とも呼ばれ、体全体の炎症などを抑える一方、副作用も全身に出る傾向にあります。その点、特定の部分にしか使わない外用剤は副作用が少ないとされています。

 

<代表的な使用方法は?>

 

■経口ステロイド療法

「プレドニゾロン(PSL)」という薬が使われることが多く、初期投与量PSL20~60mg/日程度で開始し、2~4週ごとに5~10mgずつ減量していきます。PSL20mg以下では、さらにゆっくり減量していきます。連日内服と隔日(1日おき)内服があり、後者のほうが副作用は少ないといわれています。

 

■ステロイドパルス療法

メチル・プレドニゾロン500~1000mgの点滴注射を3日間行います。

 

ステロイド新規使用で、エコノミークラス症候群のリスクは最大3倍に

以下は、ステロイド使用による深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の発生率について解析した研究結果です。

 

■ステロイド使用と静脈血栓塞栓症の発症リスクに関する解析(デンマーク・オーフス大学のSigrun A. Johannesdottir氏ら)

【内容】2005~2011年に掛けて深部静脈血栓症に罹患した38765名のデータ解析(ステロイドの使用と深部静脈血栓症との関連性の検証)

【結果】ステロイド(プレドニン)の使用量と静脈血栓症のリスク上昇率は以下となった。

 

□容量に関して

・プレドニン10mg以下=静脈血栓症のリスク1とした場合、1000mg~2000mgでは1.98倍となった。

・2000mg以上では反対に1.6倍に低下した。

 

□全身的なステロイド使用

・現時点(90日以内)使用で、血栓症のリスクが2.31倍

・新規で現時点(90日以内)使用では、3.06倍となった。

 

□部分的なステロイド使用

・喘息の吸入ステロイドでは、新規で現時点(90日以内)使用で、リスク2.21倍

・炎症性腸疾患への注腸製剤では、新規で現時点(90日以内)使用で、リスク2.17倍となった。

 

⇒以上から、ステロイドの使用は、特のその使用開始後の早期において、最大で3倍程度の深部静脈血栓症の発症のリスクを高めることが明らかとなった。

 

最後に

ステロイド使用によって、血栓症のリスクが増加するのは容量依存であると思われがちですが、吸入ステロイドのような少量であっても、新規の使用では2倍以上の血栓発生率上昇となることがわかりました。血栓予防の方法としては、適切な水分補給や定期的な足のマッサージなどがありますが、場合によってはアスピリンなどの抗血小板薬の併用を行うことが必要になります。

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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