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生活習慣病

睡眠不足の隠れた影響!?「よい眠り」は高血圧・糖尿病を予防する!

人間は一生のうちの3分の1~4分の1の時間を、「睡眠」に費やしています。

ですが、実際には熟睡しているという方は36%で、残りの64%の方は熟睡できていなかったり、途中で目がさめたりして、満足できる睡眠が得られていないという結果がみられます(※1)。

(※1)『眠り』についてのアンケート(株)良品計画「無印良品 くらしの良品研究所」によるアンケート調査

 

一般に、熟睡できずに睡眠不足になると、頭がぼんやりしたり、からだの動きがにぶくなったりします。こうした自覚できる症状のほかに、睡眠不足の影響は体内の気づかないところでも生じていることを、ご存知でしょうか。それは、インスリン抵抗性という症状です。

 

睡眠不足がインスリン抵抗性を高め、高血圧や糖尿病の発症や悪化に深く関係しているのです。では、インスリン抵抗性とは、どういうものなのでしょうか。

高血圧や糖尿病の予防のためにも、睡眠不足の影響についてきちんと知っておきましょう。

 

インスリン抵抗性とは

インスリン抵抗性とは、「インスリンの分泌はあるのに、効果を発揮できない状態」のことです。

わたしたちが食事をすると、エネルギー源となるブドウ糖(グルコース)は血液中を運ばれ、細胞内へと吸収されます。

このとき細胞への吸収を促進するのが、グルコース輸送担体4型(Glut4)というタンパク質で、インスリンの刺激を受けることで活動します。

 

ところがなんらかの理由から、インスリンがあってもGlut4への刺激がうまく伝わらず、細胞へのブドウ糖吸収が低下することがあります。それがインスリン抵抗性の状態で、吸収されないブドウ糖が血液中に増加するため、血糖値が高くなります。

2型糖尿病の多くは、インスリン抵抗性が影響していると考えられています。

 

高血圧にインスリン抵抗性がどう関係しているの?

では高血圧の場合には、インスリン抵抗性がどう関係しているのでしょうか。

 

インスリンの効果がみられず、ブドウ糖の吸収がうまくいかないと、すい臓からさらにインスリンが供給され、悪循環を起こす状態におちいります。

すると、血圧上昇に関係するレニン‐アンジオテンシン系や交感神経が活性化され、また、腎臓にナトリウムが貯留されやすくなります。

こうした複合的な作用によって血圧が上昇してしまうのです。

 

実際に、高血圧の患者さんの約半数にインスリン抵抗性がみられます。

また、インスリン抵抗性が高いほど、心肥大や頸動脈の血管肥厚、プラーク(血管壁のコブ)形成などを起こしやすく、それだけ動脈硬化、さらには心臓病や脳卒中のリスクが高まることもわかっています。

 

睡眠不足と高血圧・糖尿病の関係

睡眠不足が、高血圧や糖尿病と関係することを示すデータが、いくつか海外でも報告されています。

 

海外からの報告(1)

アメリカのコロンビア大学医療センターの研究報告では、32~59歳の中年層について、睡眠時間7~8時間の人の高血圧発症率は12%であったのに対し、睡眠時間5時間以下の人では24%と2倍にもなっています。

この結果は、睡眠不足が、高血圧のリスク要因であることを示しています。

同時にこの報告では、睡眠時間5時間以下の人は肥満気味で、運動量が少なく、昼間の眠気が強く、心拍数も高いなどの傾向がみられることも指摘されています。

 

海外からの報告(2)

また、シカゴ大学医療センターによる研究報告では、糖尿病患者を対象に、睡眠が正常なグループと睡眠の質が低いグループとを比較した結果、後者のインスリン抵抗性が82%も高かったとしています。

睡眠不足などで睡眠の質が低い人は、それだけ血糖コントロールがむずかしいことも指摘されています。

 

これらのデータなどから、睡眠不足と高血圧・糖尿病とのあいだに、インスリン抵抗性が介在していることが解明されつつあります。

日本でも、高血圧や糖尿病の患者さんには、不眠を訴える方が多いことから、これからの治療や予防に「よい眠り」が重要な課題となると注目されています。

 

「よい眠り」をするには?

ぐっすり眠るために、枕を変えるなどの工夫をしている方は多いでしょう。下記では、「よい眠り」をとるために効果があると考えられているものをご紹介します。

 

一般に睡眠の基本条件とされるのが、体温の低下と睡眠物質(メラトニン)の分泌です。

 

・体温の低下

わたしたちの体温は、夜間になると低下しますが、それには脳の温度を下げ、休ませる目的があるといわれます。

 

実際、睡眠の前半は脳の休息にあてられ、後半はからだの休息にあてられています。

そのため寝る前に強い運動をしたり、夜食を食べたりすると、体温が低下せず、寝付きが悪くなりがちです。

 

睡眠物質(メラトニン)の分泌

もう一つの基本条件である睡眠物質のメラトニンは、眠りを誘うホルモンですが、体内時計のリセットもおこなっています。

メラトニンのコントロールは、よい眠りだけでなく、翌朝のリフレッシュにもつながります。

メラトニンは夜間に分泌されますが、昼間、運動や散歩などで太陽の光を浴びると分泌されやすくなります。

また、夜間でも照明が明るいと分泌量が減るので、寝室はもちろんですが、就寝時間の少し前からリビングなどの照明も暗めにするといいでしょう。

 

つまり、まとめると以下になります。

 

・昼間に運動をする

・寝る前に軽いストレッチなどをする

・夜遅く食べない

・寝室の照明を暗めにする

・入浴する

・枕の固さに気をつかう

 

・バナナ、卵、魚、大豆を食べる

メラトニンの原料となるトリプトファン(アミノ酸の一種)は、バナナ、卵、魚、大豆などに多くふくまれています。加齢によってメラトニンの分泌は低下するので、こうした食品をしっかりとることも大切です。

 

「よい眠り」は高血圧や糖尿病の予防になります。あなたも自分の眠りを見直してみませんか?

 

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転載元:オムロンヘルスケア はじめよう!ヘルシーライフ

(Photo by:pixabay、著者 )

著者: オムロン ヘルスケア株式会社さん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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