妊娠・出産
ダウン症の出生前検診とその問題
ダウン症の出生前検診は以前からありました。
従来は羊水穿刺という方法で、羊水を採取するというものでした。
それに比べて安全性が高いのが血液検査です。
●ダウン症の出生前診断・血液検査の精度
ダウン症の出生前の血液検査のデータが公開されています。
胎児がダウン症であるときに検査陽性が出る確率は98.6%、胎児がダウン症ではないときに検査陰性が出る確率は99.8%となっています。
非常に精度の高い検査として、血液検査に注目を寄せる方もいます。
その一方で、血液検査には問題があるとする方もいるのです。
●中絶の倫理的問題
この検査は妊娠10週目から行うことができます。
妊娠22週未満であれば人工妊娠中絶が可能なことから、子どもの振り分けをしてしまうのではないかという意見です。
確かにダウン症児を抱えて生きていくのは大変です。
もしも自分の子どもがダウン症児とわかっていたら産まない、という選択肢を選ぶ方もいるかもしれません。
日本ダウン症協会の理事は血液検査について、『安易に行われることには反対。胎児のふるい分けとして一般化されるとすれば、憤りを感じる』と述べました。
●ルールを作る
現在のところ、ダウン症を調べるための血液検査にはルールを設けるべきという考え方が一般的です。
日本産婦人科学会が提出した案では『ダウン症児を出産するリスクが高まる35歳以上に限定』『カウンセリング体制が整った施設での限定的導入』が掲げられています。
(Photo by http://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=26346)
著者: カラダノート編集部