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原因不明の胃の機能障害、機能性ディスペプシアの治療薬にはSSRIがよい?

機能性ディスペプシアとは、原因不明の胃の機能障害のことをいいます。

 

従来はこの治療法として、胃の運動を活発化させるアコファイド(コリンエステラーゼ阻害薬)やその他の胃腸薬、安定剤などの薬を処方する対処療法が中心に行われていました。

 

しかし、近年大阪市立大学と理研の研究により、機能性ディスペプシア患者の脳をPET検査で調べたところ、中脳、視床部位にセロトニントランスポーター(輸送体)の変調があることが明らかにされました。

 

脳のセロトニン異常があることは、消化管運動に関わるセロトニン異常にもつながっています。

このことから、今後は機能性ディスペプシアの治療薬には「抗うつ剤」も選択肢のひとつとして有効になると考えられています。

 

機能性ディスペプシアの症状とは?

以下の3つが主な症状です。

 

・消化管運動機能異常

胃から腸への排出能低下、胃拡張不全による早期飽満感、胃電気活動異常。

・内臓知覚過敏

胃の運動不全による食物滞留で、物理的、化学的刺激が増。

・心理的因子

うつ、不安、パニック症候群などの因子がある。

 

セロトニントランスポーターとは?

セロトニンとは、交感神経や精神の安定性に関する調整を行う、神経伝達物質です。

この神経伝達がある一定の期間行われると、そのあとセロトニントランスポーター(輸送体)と呼ばれるセロトニン回収の輸送体がはたらき、情報伝達は終了します。

 

しかし、うつ病などの疾患ではセロトニン濃度が低いため、この輸送体を阻害するSSRI薬を使用し、セロトニン流通量を増加させています。

今回の研究では、機能性ディスペプシアにおいても、この輸送体がはたらきすぎており、セロトニン濃度が低下している部位があることが指摘されています。

 

セロトニントランスポーターがはたらくほど、消化器症状が悪化していた

前述の研究によると、脳のどの領域のセロトニントランスポーターが変調しているかによって、症状にちがいがあると述べられています。

※中脳、視床は、消化管から中枢へ伝わる「痛み刺激」を増幅する領域。

 

脳のセロトニン輸送体の結合能が亢進しているほど、消化器症状が悪化(大阪市立大学医学研究科と理化学研究所の共同研究による)

対象

9名の機能性ディスペプシア患者と、8名の健常者

 

試験内容

PET検査を用いて脳内各領域におけるセロトニントランスポーターの結合能について、定量性解析を実施した。

 

結果

・中脳で、セロトニン輸送体がはたらきすぎているほど、消化器症状と腹痛が発生。

・視床でも、セロトニン輸送体がはたらきすぎているほど、消化器症状、腹痛、胃もたれが発生。

・海馬では、セロトニン輸送体の変調は見られなかったものの、腹痛と不安症状には関連性が見られた。

 

最後に

このように、機能性ディスペプシアの新たな治療方法として、抗うつ剤治療が有効となる可能性が大きいと考えられています。

今後のさらなる研究に期待が寄せられています。

 

(photoby:pixabay

著者: カラダノート編集部

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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