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難治性強迫性障害にN-アセチルシステインが有効?グルタミン酸神経毒性から保護する効果

海外の統計によると、「SSRI薬」に治療抵抗性を示す強迫性障害は、全体の40%を占めています。

これらの難治例には、従来のセロトニン系の機能異常仮説に代わる新たな指針が必要であるとされています。

近年「グルタミン酸傷害仮説」という新しい治療薬が注目されており、実際強迫性障害患者さんの脳内にはグルタミン酸高値が認められています。

また、N-アセチルシステイン(NAC)というグルタミン酸関連治療薬を投与したところ、強迫性症状が有意に改善したという論文があります。

グルタミン酸による興奮毒性とは何か?

グルタミン酸によって細胞傷害が起こるメカニズムは、グルタミン酸そのものが細胞死を起こしているのではなく、

・細胞内に過剰流入したカルシウムイオン(※)が蛋白(タンパク)分解酵素を活性化し細胞を崩壊させる

・同様に、過剰のカルシウムイオンがミトコンドリア障害をもたらし、活性酸素・一酸化窒素産生する

という機序によると考えられています。

(※カルシウムイオンは、グルタミン酸の受容体結合がスイッチとなり大量流入する)

N-アセチルシステインはなぜ細胞死を防ぐ?

N-アセチルシステイン(NAC)はアミノ酸・L-システインのアセチル化物(高吸収型)で、分子構造中にSH基(硫黄+水素)を持っているため、他の分子と反応しやすく、単独でも有害物質を抱合(解毒)するという作用があります。

このことは神経細胞内の活性酸素に対しても同様であり、グルタミン酸がスイッチとなって細胞内傷害を起こす過剰なCaイオン由来の活性酸素をも消去するといわれています。

(※アセチル化されたシステインは、脂溶性であるため細胞内へ移行し、グルタチオン合成しやすい。

グルタチオンそのものは細胞内へ入るために特殊な輸送体が必要だが、発達障害患者ではこの輸送体が障害されている。)

強迫性障害への推奨投与量は?

海外で5症例の臨床試験をレビューした文献では、効果が見られた投与量は2,400~3,000mg/日、また期間としては12週が一般的とされています。

その他

・OCD患者の40%はNACに反応しない。

・副作用は、主に「吐き気・胃腸症状」。

・3,000mgの短期投与では重大な副作用は報告されていない。

・グルタチオンの還元のためにNACの3倍量のビタミンC服用が必要。

・マルチミネラルの服用が必要。

・他剤との併用の場合、抱合・排出促進される場合がある。

・遺伝的素因がある場合、シスチン結石の可能性が示唆されている。

・使用禁忌は、腎不全などアミノ酸代謝に問題がある場合。

臨床試験ではNAC3,000mgでOCDが改善

■NAC3,000mg投与で強迫性障害が改善(Clin Psychopharmacol Neurosci. 2015 Apr; 13(1): 12-24.)

対象

強迫性障害の58歳女性

試験内容

600~3,000mg/日のNACを6週間投与、また次の6週間で3,000mgを継続投与。

結果

・投与12週をこえたあたりから、著しい症状改善が見られた(Y-BOCS:OCD評価尺度は9点)

・また、HAM-D(うつ病評価尺度)も開始前14点→終了時5点に改善。

・病院退院後、3,000mgnoNAC治療を継続、2ヶ月の追跡で強迫障害が改善。ただし評価スケールは不明。

最後に

上記の臨床試験の他にも、治療抵抗性双極性や統合失調症への効果を示した文献があり、いちどためしてみる価値はあると思われます(文献の詳細は、以下のリンクを参照してください)。

(参照ウェブサイト:PubMed(双極性障害治療)放射線医学総合研究所(統合失調症治療)東京医科歯科大学場末P科病院の精神科医のブログLIVE TODAY FOR TOMORROWエーザイ株式会社

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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