育児
新生児仮死とは?仮死で生まれる原因…赤ちゃんの症状と特徴まとめ
新生児仮死…聞いただけで不安になってしまうママも多いと思います。
出産間近の方はなおさらですよね。
何事もないのが一番ですが、どんな症状や特徴があるのか、知っておいても損はありません。簡単に症状についてまとめてみました。
新生児仮死とは
出生してから低酸素血症や循環不全の状態が続くことをいいます。
出産の時、医師や看護師が「アプガールスコア」という、心拍数、呼吸、筋緊張、刺激に対する反射、皮膚色などを0~10点で採点する項目があります。
この点数が、7~6点以下の場合に「新生児仮死」、特に4~3点以下の場合には「重症仮死」と呼ばれます。
軽症であれば、後遺症なども残らず成長していきますが、重症仮死の場合には治療にも関わらず死亡してしまうことや、重度の後遺症が残ってしまうケースもあります。
仮死で生まれた赤ちゃんの特徴
新生児仮死で生まれて来る赤ちゃんは、全出産の1%と言われています。
出産の時、ほとんどの赤ちゃんは元気な産声をあげますが、新生児仮死の赤ちゃんは元気に泣く力がなく、ややぐったりした様子で産まれてくるかもしれません。
また、低酸素、循環障害、呼吸障害、心筋障害、低酸素性虚血性脳症、腎不全など様々な異常が見られることもあります。
新生児仮死が起きる原因について
(1)母体の状態
妊婦さんがもともと心臓疾患や腎臓疾患などの病気を患っていたり、妊娠高血圧症候群で胎盤機能が落ちていると、リスクが高くなります。
(2)赤ちゃんの状態
赤ちゃん自身に神経の病気がある場合にも、自発呼吸がうまくいかないことがあります。
筋肉の病気がある場合も、呼吸筋をうまく動かすことができず、呼吸がしっかりできないことがあります。
呼吸ができないとチアノーゼが起こり、いずれの場合も、蘇生が必要となります。
(3)胎盤の状態
胎盤早期剥離、という状態になってしまった場合、緊急で対応が必要になります。
分娩よりも先に胎盤が剥がれ始めてしまい、子宮内での出血が止まらなくなります。
赤ちゃんは失血により仮死となり、お母さんも出血が原因でショック状態となってしまいます。
死産になる可能性もあり、お母さんの命も危険です。
また、前置胎盤で出血した場合や胎盤梗塞、妊娠満期を過ぎて胎盤機能が低下していくことも、仮死の原因の1つと考えられています。
(4)臍の緒の状態
臍の緒が圧迫され、赤ちゃんに血液が流れにくい状態になると、仮死の原因となります。
臍の緒が先に出てきたり、赤ちゃんの体に巻き付いていたりすると、分娩の時に赤ちゃんが圧迫されるため、仮死の原因となってしまうのです。
どう対処するの?
基本的にはNICU(新生児集中治療室)での24時間態勢の看護が必要になります。
保温や酸素投与、人工呼吸、点滴などの治療を行い、様子を見ます。
そのあいだ、ママの母乳を直接飲むことはできませんが、基本的には面会可の機関が多いはずですから、時間が許す限り、赤ちゃんのことを見守ってあげましょう。
また、母乳を搾乳すれば飲ませてくれるところもあると思います。
医師や看護師の説明を受け、相談してみてください。
仮死で生まれたらどうなる?予防はできる?
新生児仮死で生まれたことによって影響を受けるのは、赤ちゃんの脳です。
酸素不足が原因で、脳細胞が壊死してしまうと後遺症が現れる可能性が高くなります。
壊死の場所や範囲によって、知能障害・運動障害と現れる障害も様々です。
胎盤や臍の緒の状態など、胎内環境については管理しづらいところでもありますが、分娩時に問題がないよう、妊娠高血圧症候群になるのを避け、胎盤機能を正常に保つ努力は必要です。
日頃から妊婦さんが健康的に過ごし、赤ちゃんとの時間を育むことが大切です。
(Photo by:pixabay )
著者: カラダノート編集部