育児
慢性肉芽腫症と診断されたら?治療法と日々の生活の注意点とは
先天性の子どもの病気のひとつに、慢性肉芽腫症(まんせいにくげしゅしょう)という病気があります。
どんな病気なの?
白血球のように、細菌や真菌を細胞内で殺菌する細胞のことを食細胞といいます。
この食細胞の機能に異常があり、細菌や真菌に抵抗できないために感染症に繰り返しかかる病気です。
また、肺・肝臓・消化管などに肉芽腫をつくります。
赤ちゃんの場合は、肛門周辺に腫れが出ます。
生後数か月から発症して、繰り返し感染症にかかります。
慢性肉芽腫症の原因は?
白血球は、殺菌機能があるのですが、それをつかさどるために必要な活性化酸素化合物の生産が少ないために機能しなくなってしまうことが原因です。
遺伝性の病気といわれています。
慢性肉芽腫症の検査と診断
まずは症状を確認します。そして、家族に同じような病気の人がいないかどうかなどを確認後、この病気を疑います。
そして血液検査にて、スーパーオキサイドや過酸化水素の産生低下が認められると、病名が確定します。
遺伝子検査をすることもあります。
慢性肉芽腫症の治療法について
肉芽腫を、外科的に切除するなどの方法はありますが、この慢性肉芽腫症という病気自体を内科的に完治する方法は、まだありません。
抗生物質の投与
一般的には、抗生物質を継続的に投与するという治療をします。
予防接種をする
細菌や真菌に感染しないために、予防接種を行なうことを勧めます。
ただし、BCG注射だけは受けてはいけません。
骨髄移植
肉芽腫が治りにくかったり、臓器障害があるなど重症の場合は、骨髄移植を行ないます。
日々の生活で気を付けること
細菌や真菌から、感染症を防ぐことが一番大切です。
手洗い・うがいをする
帰宅したら、必ず手洗い・うがいをします。
最近では、液体ハンドソープや泡で出るハンドソープを使用する家庭が多いと思いますが、ボトル内も継ぎ足しの時にはきれいに洗って細菌の繁殖を防ぎましょう。
体調がよければ毎日入浴を
毎日お風呂に入って清潔にしておきましょう。とくに肛門周辺や陰部は清潔に。
カーペットは避ける
汚れたカーペットは真菌(カビ)が繁殖しやすいので、なるべくカーペットは部屋に敷かないようにしてください。
生卵・生肉は厳禁!
食材には、しっかりと火を通してください。
また、カビの生えたブルーチーズなどはさけましょう。
賞味期限に注意しましょう。
慢性肉芽腫症と診断されたら、一番重要なのは細菌や真菌から守ることです。
日々の生活の中で十分に注意をして、安心・安全に暮らしていけるようにしてあげましょう。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部