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双極性障害は脱髄性疾患だった?デパケンが脳の抑制系ネットワーク障害を改善!?

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デパケンという抗てんかん薬は、双極性障害の中でも「混合状態やラピッドサイクラー」などの複雑な躁(そう)状態に有効な薬として知られています。

そのメカニズムは、(イオンチャンネルブロックによる)グルタミン酸濃度やGABA濃度を調整するだけでなく、その他にも「脳神経細胞の伸展促進」や「脳容積の減少抑制」など、脳の実質部分を改善させることによって精神症状を改善させる効果があるという研究があります。

 

双極性障害の最新研究は?

前述のように、海外研究では双極性障害発症のメカニズムに関して以下のことが明らかにされています。

 

神経線維の脱髄に関して

1.双極性障害には、脳の微細な器質的傷害がある。

 

2.その傷害とは、脳の「白質(脂質が主成分の、主に神経繊維に占められている軸索部分)の傷害」である(統合失調症では灰白質(神経細胞本体がある)まで傷害がある)。

 

3.この傷害によって、DTI画像では白質路の抑制系ネットワーク(前頭葉・辺縁系)に欠如が生じていることが確認されている

 

4.この欠如は、「感情刺激に対する反応性の高さ」の原因と考えられている。

 

5.また、軸索を囲むチューブ(髄鞘)が傷害される理由は、「活性酸素」が主である(末梢血の脂質過酸化が見られる)。

 

6.脱髄は、脱分極を引き起こし易くなり(=興奮性伝導になりやすい)、多動や興奮などの躁症状が生じやすくなる。

 

7.しかし、いっぽうで白質の「線維の破壊」は再生される(=可逆性の変化)。

 

遺伝子異常に関して

1.XBP1遺伝子に異常がある(=低下している)。

 

2.XBP1遺伝子とは、神経細胞が情報ネットワークを形成するために線維伸展することを促進するという遺伝子。

 

3.ここに異常が見られれば正常な情報伝達ができず、何らかの精神疾患を引き起こすと考えられる。

 

つまり、1)辺縁系の放電を抑制し、2)脳の白質を減少させている原因物質を止め、3)神経線維伸展を阻害している異常な遺伝子を正常化させ、4)神経を正常に伸展させることが治療のひとつのカギとなる。

 

デパケンの効果とは?

デパケンは上記の発症原因となっている因子に対して、いくつかの改善を行うと考えられています。

 

・デパケンは、情動発現をになう辺縁系(扁桃体・海馬)の放電を抑制する。

・リーマス・デパケンのみ、「脳容積増加」効果がMRI検査で確認されている。

・神経発生に関わる「酸性線維芽細胞成長因子(FGF1)」による遺伝子転写の活性効果が試験管内実験で確認されている。

・デパケンのみ、XBP1遺伝子を間接的に活性化させ(=ATF6という遺伝子の働きを強める)、精神症状を改善させる可能性がある。

 

最後に

このように、デパケンは複雑な躁状態をあらわす双極性障害を改善させる可能性を持っています。

いっぽうで脱髄の原因と考えられている「活性酸素」に対しては無策であるため、精神科医によればその他のサプリメントなどを併用する(メラトニンなど)ことがすすめられています。

 

(参考ウェブサイト:場末P科病院の精神科医のblog

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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