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メンタル

双極性障害のストレスへの脆弱性は、キンドリング現象が関連する?抗てんかん薬の有効性とは?!

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双極性障害とてんかんは、近年の研究でその発症原因に多くの共通点が見られるという指摘があります(イオンチャンネルの機能に異常が見られるなど)。

 

中でもてんかん症状のひとつである、キンドリング現象という脳神経細胞の過興奮が持続することで、発火点の閾値が下がる(=弱い刺激でも発火してしまう)という現象は、双極性障害のストレスへの脆弱性の機序を説明するひとつの手がかりになる(※)と考えられています。

 

(※持続的なストレス環境下で無治療のまま暴露されると、徐々に発火点(閾値)が下がり、ストレスへの感受性が高まることで、症状の慢性化や治療抵抗性への移行が起こる。)

 

このキンドリング状態を改善する治療薬の候補として、抗てんかん薬の「デパケンR・ラミクタール・テグレトール」が特に有効であるという海外研究の報告があります。

 

慢性的なストレス環境が、キンドリング、神経の易興奮、鎮静系神経の脱落を誘発

ラットの複数回の扁桃核電気刺激による実験が行われたところ、双極性障害の類似症状と見られる、1)キンドリング発生、2)ステロイド増加(=運動知覚領域の興奮促進・BDNF抑制)、3)海馬の鎮静系神経細胞の脱落、4)ドパミン増加(=脱感作を招き、躁からうつへと転じる)などが生じることが確認されています。

 

■慢性的ストレス環境が、キンドリング現象と扁桃体のステロイド(神経興奮性物質)増加を誘発した(PubMed ID: 22749310 )

「副腎皮質ステロイド量が実験前の約5倍に増加/少ない刺激によるキンドリング現象発生/発作持続の延長」が生じた。

 

■キンドリング刺激で、海馬のGABAニューロンの脱落が生じた(福井医科大学一般教育紀要 第14号:1994年)

「海馬歯状回門のニューロンが特に減少した」。

 

■キンドリング刺激で、ドパミンの増加(=脱感作の誘発)が見られた(KAKEN/研究課題番号:05610061)

「DOPAC(海馬ドパミンの代謝物)が刺激前と比べ2~8倍に増加した」。

 

抗てんかん薬が「キンドリング状態」を改善させる?

また、抗てんかん薬の使用により、ラットのキンドリング状態の改善が認められています。

 

■キンドリング状態で海馬の炎症物質増加となったラットが、トピナ投与で改善した(PMID: 24348794)

トピナ投与で、キンドリング発作と海馬「IL-6 mRNA」発現量が低下した。

 

■躁状態のキドリングラットへのデパケン投与で、症状が改善した(PMID: 26092394 )

リーマスまたはデパケン投与で、キンドリング行動の大幅な減少と、躁状態の改善が見られた。

 

まとめ

双極性障害は、遺伝子的な素因がベースとなって発症する疾患ですが、慢性的なストレスがきっかけとなって悪化する機序(のひとつ)は、以下が想定されます。

 

副腎皮質ステロイドの増加

↓ 

知覚神経の易興奮

扁桃核の慢性刺激

キンドリング発生

ドパミンの増加とGABA神経の脱落

脱感作の誘発とモノアミン分泌の乱高下

 

抗てんかん薬は、キンドリング発作を抑制することで、これらの機序による双極性障害にともなうストレス脆弱性を改善できる可能性があると考えられています。

 

(参照ウェブサイト:場末P科病院の精神科医のblogNIPS生理学研究所福井医科大学(キンドリングとGABAニューロンの脱落)、Pub Med(キンドリングとデパケンRの効果)・(キンドリングによるIL-6増加)・(キンドリングによる扁桃核のステロイド増加))

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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