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ラツクロースはデパケンの副作用「肝毒性(高アンモニア血症)」を防ぐ?

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抗てんかん薬であるデパケンは、てんかんをはじめ双極性障害や強迫性障害など、さまざまな精神疾患に有効性が確認されており非常に重宝される薬です。

 

しかし、そのいっぽうで副作用もいくつかあり、中でも肝毒性(高アンモニア血症)はデパケン血中濃度と相関せずリスク上昇するという報告があり、基準値を超える100前後のアンモニア値に(無症状で)なることもめずらしくないとされています。

 

また、悪化した状態を放置すれば、重篤な感性脳症につながる恐れがあるため、定期的な検査が必要となります。

 

ただ、これには予防薬が存在し、中でも人工合成された糖類「ラツクロース」は、腸内細菌の育成を通じてアンモニア分解を行うことができるとされており、重大な副作用もなく有用性が高いとされています。

 

ラツクロースとは?

ラツクロースは、フルクトースとガラクトースから人工的に合成された二糖です(牛乳の加熱でも生じる)。

人の体内では消化・吸収されず腸内細菌のエサとなり、またpHを下げることで善玉菌優勢の細菌叢(さいきんそう)となり、アンモニア産生菌を減少させることにつなげます(アンモニアは体内において、腸管内での産生率がもっとも高い)。

 

処方薬としての適応は、主に肝性脳症の予防や改善です。

また、便通を改善する作用もあります。

 

血中アンモニア濃度とは?

血中アンモニア濃度とは、肝臓の尿素サイクル(タンパク質の代謝経路)において、何らかの原因で(肝硬変・薬剤性・先天性疾患など)毒性物質のアンモニアが尿素へ変換され、排出されることなく体内にとどまって、神経障害や意識障害などの重篤な症状を引き起こすというものです。

 

デパケンの服用による高アンモニア血症の機序は、仮説の段階ではありますが、アンモニア代謝酵素の阻害作用によるとされています。

 

高アンモニア血症の機序

1.デパケンの代謝物であるプロピオン酸が、カルニチンと結合することで、(ミトコンドリアβ酸化における)カルニチンシャトルを阻害する。

2.シャトルが阻害されることで、アセチルCoA産生が抑制され、尿素サイクル促進役を果たす「カルバモイルリン酸シンターゼ」の活性が低下する。

3.これにより、アンモニアが蓄積する。

 

ラツクロースの効果について

■ラツクロースはリファキシミン(腸内悪玉菌抑制剤)とほぼ同程度の肝性脳症予防効果(PMID: 26201713)

 

対象

肝硬変による肝性脳症を有する患者112人

 

試験内容

2グループに分け、1)ラツクロース30~120ml/日、2)リファキシミン400mg/日×2回を摂取してもらった。

3ヶ月の経過の後効果を比較した。

 

結果

・肝性脳症に反転した患者数は、リファキシミン群で73.7%、ラツクロース群で69.1%であった。

・効果のあった患者のQOLが大幅に改善した。

・しかしラツクロースは副作用として、ガスだまりや下痢の副作用が有意に高かった。

 

最後に

ラツクロース以外の高アンモニア血症を防ぐ薬剤としては、カルニチン製剤があります。

しかし、これは代謝経路に直接作用する薬剤であるため、効果についてはラツクロースより個人差があるともいわれています。

詳細については、医師への確認が必要です。

 

(参照ウェブサイト:kyupinの日記むさしの国分寺クリニックPub Med

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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