育児
未熟児貧血と診断されたら。早期貧血、後期貧血で治療法が違う。原因と対処法
貧血とは、酸素を体全体に運ぶヘモグロビン(Hb)が低下した状態のことを指します。
ではなぜ、早産などの影響で未熟に生まれた赤ちゃんが貧血になるのでしょうか。未熟児貧血と診断されたら、何に気をつけたらよいのでしょうか。
未熟児貧血の原因と分類
早産などの影響で赤血球をつくるエリスロポエチンという物質の働きが悪くなることが原因とされています。
そのため酸素を運ぶヘモグロビンの数が少なくなり、体内の細胞が酸欠状態になることで起こるとされています。
これは生後1~2ヶ月頃に起き、早期貧血と呼ばれています。
また、早産の場合お母さんからの鉄分輸送が十分に行われないまま生れてくるので、貯蔵鉄が足りなくなり鉄欠乏性貧血になります。これは生後5~6ヶ月頃に見られ未熟児晩期貧血と呼ばれます。
症状
顔や体の色が青白く見えたり、元気がなくなったりします。また体重もあまり増えず、貧血が進むと、全身へ十分な酸素を運べなくなり、心拍数が上昇したり、酸素投与が必要になることもあります。
未熟児貧血はどのような赤ちゃんに起こるの?
極低出生体重児(出生体重が1500g未満)にしばしばみられます。
治療法
未熟児早期貧血に対しては、輸血やエリスロポエチンの投与などを行います。
未熟児後期貧血に対しては、お薬などで鉄分を補充します。
対処法
母乳を与えることで、後期貧血(鉄分不足)は予防することもできます。
生後3~6ヶ月ほどで改善がみられますが、退院後も鉄剤の服用が必要になることもあります。
特に後期における貧血は、生後3ヶ月~1年ほどたってからみられることが多いので、未熟児で生まれた場合は、定期的に受診する必要があります。
そして医師の指示に従い、お薬をしっかり飲ませることが大切です。退院後、おっぱいをあまり飲まない、いつもよりなにか元気がないなと感じたら、すぐ医師に相談するようにしましょう。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部