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再発性がんに有効性が高い「イリノカテン」、副作用の下痢は「漢方薬」で防げる!?

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抗がん剤の中でも再発性のがんに有効性が高いものとして「イリノカテン」があります。イリノカテンは日本で開発された植物アルカロイドの誘導体で、非常に強力な抗がん作用も持つ一方、副作用も強く、特に「服用後日を置いて生じる下痢」に関しては重篤なものである可能性があり、場合によっては致命的になるとも言われています。

 

ただ、この下痢の副作用は軽減させる予防薬が存在し、「半夏瀉心湯(はんげ・しゃしんとう)」という漢方薬が抗がん作用を弱めることなく下痢抑制効果があるとして併用することが勧められています。

 

イリノカテンとは?

 

イリノテカン(商品名:トポテシン/カンプト)とは、がん細胞が増殖する過程で関わる酵素「トポイソメラーゼ」を阻害することで、高い抗がん作用を示すというものです。この薬はプロドラッグ(体内の目的場所に到達するまで効果発現しない)であり、以下のような機序で効果を発現します。

 

<イリノカテンの作用機序とは?>

1)イリノカテンが肝臓まで到達すると、酵素によって高い抗がん作用を持った「SN-38」に分解され、全身に運ばれる。

2)また一方で、「SN-38」は肝臓に存在する解毒酵素(グルクロン酸)によって抱合され、胆汁を経て腸管に排泄される。

3)この状態では無毒となって障害作用は示さないが、腸内で大腸菌などによってβ-グルクロニダーゼが生み出され、これが抱合体を分解することで、再び「SN-38」が大腸内で生成される。

4)「SN-38」が大腸粘膜の正常細胞までを障害し、水分吸収不全となって下痢を生じさせる。

 

半夏瀉心湯とは?

半夏瀉心湯は、7種の生薬「半夏・黄ごん・乾姜・人参・甘草・大棗・黄連」を合わせた合剤で、主に下痢・悪心・嘔吐などに用いられます。イリノカテンによる腸障害の直接の原因となるのは「βグルクロニダーゼ」ですが、「黄ごん」は配糖体構造を持っており、これが酵素を阻害すると考えられています。さらに7剤の相互作用によって総合的な腸改善作用を示す(=粘膜炎症の緩和・回復促進)と考えられています。

 

■補益作用(腸管粘膜の修復促進など

人参・甘草・大棗

 

■抗炎症作用(プロスタグランジンE2抑制など

黄ごん・黄連

 

■消化管機能改善作用(水分吸収能を改善など

半夏・乾姜

 

臨床試験について

■半夏瀉心湯の投与で、イリノカテンの下痢の副作用が抑制された(Cancer Chemother Pharmacol. 51: 403-406, 2003)

【試験内容】

塩酸イリノテカンとシスプラチンの抗がん剤治療を受けた、進行性非小細胞性肺がん患者41例のうち約半数に半夏瀉心湯のエキス顆粒投与を行い、無投与群と下痢の頻度を比較する。

 

【結果】

グレード3・4の強い下痢の頻度は、半夏瀉心湯投与群で低下していた。

 

最後に

半夏瀉心湯の他にも、β-グルクロニダーゼ阻害効果のあるものとして「植物性の配糖体」が挙げられます。

 

海藻の「クロメ」に含まれる「フロロタンニン」というポリフェノールが阻害作用を示したとも述べられており、こちらも候補とある可能性があります。

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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