育児
多い?少ない?遺伝で決まる白皮症はどれくらいの確率で起こる?どれくらい受け継がれる?
遺伝性の病気というのは、当事者が発症したこともそうですが、「次の世代」もひとつの懸念です。特に病気の中でも外見的な特徴が大きいものは、社会生活の中である程度の誤解や偏見を生むことがあります。それゆえ、次の世代にそれが受け継がれることを心配する気持ちも大いにあるでしょう。
遺伝で決まる白皮症
白皮症はそれこそ外見的な特徴の大きい病気です。生まれながらに色素の生成がない、あるいは少ないため、肌や体毛の色がありません。
これが起こるのは特定の遺伝子に欠陥があるためです。どの遺伝子に欠陥があるかによって種類は変わり、症状にも軽重が出てきます。
ですが基本的には、全身の皮膚の色素欠乏、体毛の色素欠乏、瞳の色素欠乏が起こります。
起こるのはそれだけでなく、それによって紫外線に影響されやすいなどはあります。ですが知的障害や、合併症、症状の進行といったことはありません。
白皮症保因者は多い?
白皮症は、いくつかの遺伝子の変異が原因となります。しかし、その遺伝子を受け継いだから白皮症になるということではありません。
白皮症の発症には、
原因となる遺伝子の変異を一方だけ持っている親
それが両親ともにそうである場合に、
その両方の遺伝子を受け継いだときに子どもが発症する
ということになります。
原因となる遺伝子の変異は決して珍しいものではなく、50~70人に1人程度は持っているごく一般的な遺伝子とされています。
こうした遺伝子の変異の片方だけを持っている人を保因者と言います。
遺伝子が受け継がれる確率
こうすると気になるのが、突然変異の遺伝子を持っている、あるいは子どもが発症した場合などの発症リスクです。
・次に生む子が白皮症の確率は?
親の両方が保因者であると想定し、第1子が白皮症だったとします。その場合次に生まれる子が白皮症になる確率は、
1/2×1/2=1/4となります。(確率自体は第1子と変わらない)
・発症していないきょうだいの次の世代の確率
白皮症を発症していないけれど、保因者と考えられる場合、その子の次の世代の確率はどうなるでしょうか?
そもそも保因者である確率は2/3で、結婚相手が保因者である確率は高くても1/50です。そのため、
2/3×1/50×1/4=1/300程度の確率となります。
・白皮症本人の次の世代の確率
結婚相手が保因者である確率は高くても1/50です。そのため次の世代で白皮症を発症する確率は、
1/50×1/2=1/100となります。
特別に心配するような確率ではない
例えば白皮症を発症している人同士の次の世代でも、必ず病気を発症するわけではありません。上記に示した確率も、驚くほど高い確率ではありません。
自分や家族が白皮症によって生活の中で苦労を感じていると、どうしてもそのことを強く考えてしまいがちですが、こうした確率については正しく把握しておくことが必要ですね。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部