育児
性別が分からない。性分化異常症。思春期になってからわかることもある!
人間は男か女かどちらかの性を持って、この世に生まれてきます。
陰茎がついていたら男の子、なかったら女の子と一目みたら区別がつきますが、そうでない場合もあるのです。
生れてすぐに性別がはっきりしない、あるいは思春期頃になって性別に合った発達がないなどで分かることがあります。
そんな性分化異常症と呼ばれる病気は、どのような病気なのでしょうか。
難病に指定されている先天性の病気
性分化異常症は、両親からもらう遺伝子情報に変異があることによって、お腹にいる間に生殖器や泌尿器などが作られる過程で異常が見られる病気です。
約4500人に1人の割合で発生すると言われています。
どの段階で異常が発生したかによって、重度が変わりますが、見た目ですぐに分かる場合や、生理がこないなど、思春期に見られる二次性徴の異常などによって後々発見される場合もあります。
主な症状
病気の種類によって症状が若干異なりますが、主な症状をご紹介します。
・遺伝的に男児(性染色体はXY、つまり遺伝子は男性)なのに、外見は女性のような外性器をしていたり、乳房が発達したりします。
しかし、卵巣が未熟であったり、無月経などが起こったりします。
・遺伝的に女児(染色体XX、つまり遺伝子は女性)なのに、外性器が男性型になります。卵巣などがある場合もあります。
また尿道下裂(尿道がペニスの先端になく、ペニスの途中や陰嚢にあるなど)が起こることもあります。
治療方法
まずは、どちらの性として治療を進めていくか慎重に判断される必要があります。
血液検査や染色体検査、そして卵巣や精巣などの生殖器などの検査などを行い、複数の医師と両親によって性を決定します。
その後ホルモン治療や性腺の摘出、あるいは外性器の形成手術などで選んだ性に近づけていきます。
問題点
しかし、選んだ性がしばしばその子を苦しめることも時にはあります。思春期を迎えるにつれ、その子自身の心と体が食い違うこともあります。
そのため初めの性の選択はとても慎重に行う必要があります。
また、子供が成長するにつれて、子供の本当の思いを受け入れ、その子の生き方を選択してあげることも大切です。
とても曖昧で難しいことが多い性分化異常症。体だけでなく、心のケアもしっかりしてあげる必要があります。そして周りの理解も必要になる病気だとも言えます。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部