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子供に貧血!?意外に頻度の高い地中海型貧血、サラセミアとはどんな病気?
サラセミアは主に貧血が見られる病気で、地中海沿岸地方に多いため、地中海型貧血とも呼ばれます。
地中海沿岸に多いと言われていますが、意外と日本人にも多く700~1000人に1人と以外に頻度の高い病気です。ではサラセミアとはどのような病気なのでしょうか?
サラセミアとはどんな病気?
赤血球にはヘモグロビンとよばれるタンパク質が存在しますが、このヘモグロビンに酸素がくっつくことにより全身に酸素を送り届けることができます。
しかしサラセミアでは、ヘモグロビンを作るグロビン遺伝子の異常により正常な赤血球を作り出すことができずに、貧血になる病気です。
そして、異常なヘモグロビンを持つ赤血球は寿命が短く、脾臓にて次々と壊されてしまいます。
分類と特徴
ヘモグロビンは2組のペアになったアミノ酸であるグロビンの鎖からできています。
サラセミアはヘモグロビンを構成するアミノ酸において、どのアミノ酸に異常があるのかによって大きく2種類に分類され、αサラセミアとβサラセミアがあります。
それぞれ軽症から重症まであり、軽症の場合は軽度の貧血症状しかないのが特徴です。
重症の場合はαとβで特徴が違います。また、重症の場合は、一般的に2歳に達する前に症状が現れるとされています。
・重症αサラセミア(α型のグロビン鎖に異常がある)
元気がない、機嫌が悪い、食欲がない、疲れやすい、息切れ、動悸、顔色不良、脾臓が腫れるなど重症の貧血症状があります。
・βサラセミア(β型のグロビン鎖に異常がある)
上記のような重症の貧血症状の他に、体が黄色くなる黄疸や、皮膚に潰瘍ができたり、胆石が見られたりします。
脾臓が腫れ、お腹が張って感じたり、腹部に違和感を感じます。また、頭や顔の骨が肥大化することもあります。
治療方法
軽症の場合は治療がいらないこともあります。
脾臓の摘出は症状の程度により、有無が決められます。対処療法としては赤血球の輸血や鉄分を除去する鉄キレート療法、骨髄移植などの方法がとられます。
予後
軽症か重症かによって分かれます。
軽症の場合は健常者と同じような生活を送ることができます。
重症の場合は予後は悪いことが多く、20代に心不全を起こす可能性があります。
過剰な鉄が心臓にくっつくと心不全になりやすいので、鉄分のサプリメントや鉄分の多い食事は避ける必要があります。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部