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歯周病菌による酪酸産生が「HIV発症」を加速させる可能性がある?~歯周病予防の重要性

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HIVに感染すると、平均約3~4年の潜伏期間の後、発症する可能性が高いと言われていますが、近年の日本大学の研究で、その発症の鍵となるものに「歯周病」が関連していることが明らかにされています。
 
日本における歯周病の罹患者数(25歳以上)は、軽度から重度までを含めると、約8割以上にも及んでいるという報告があり、この歯周病が生み出す短鎖脂肪酸の一種「酪酸」が、HIVウイルスの活性化に深く関わっているといわれています。
 

HIV発症抑制のためには、「歯周病」に罹っていないことが重要

日本大学の研究によれば、以下の内容が報告されています。
 

<HIVの活動抑制には、HDACという酵素が関わっている>

■感染後、HIVは宿主の免疫細胞に組み込まれて潜伏するが、この増殖は遺伝子発現に関わる酵素「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)」によって抑えられている。
■HDACの働きが妨げられると、ウイルスが活性化し、HIV発症につながることがわかってきた。 
 

<歯周病では大量に酪酸が作り出されるが、酪酸によってHIVウイルスが活性することが明らかにされた>

■一方、歯周病菌は増殖の過程で酪酸を大量に作り出す。
■歯周病患者の歯と歯肉の隙間から、健康な人の約20~30倍の酪酸が検出された。
■多くの研究から、酪酸がHDACの働きを妨げる(=HDAC阻害剤)であることがわかっている。
■HIV潜伏免疫細胞に、酪酸を含んだ歯周病菌培養液を加えたところ、ウイルスが急激に増殖することが確認された。 
■HIVのキャリアである場合、歯周病をきっかけに発症する恐れがある。
 

歯周病は定期的なケアで予防できる可能性が高い

歯周病は遺伝によるなりやすさも関係しますが、本来的には感染症であるため、90%は予防可能な病気であると言われています。
 

<歯周病は初期からのケアが重要>

歯周病のイメージは、歯の溶解が重度に進行して歯と歯茎が細くなった状態を想像しますが、初期状態では「プラークがくっ付いている」「歯茎が少し下がっている」など、一般的に良く見られる症状であり気づきにくいという側面があります。しかし、気づいた場合には、早期に治療を行うことが重要です。
 

<歯周病にならないための13箇条>

1)デンタルフロスを毎日の習慣にする
(24時間でプラーク、48時間で歯石になるため、その前に取り除く)
2)年に3度は歯石を取りに行く
(歯石は歯周病菌の住みかとなる)
3)歯の被せものを出来る限り少なくする
(フッ素を効果的に使う)
4)歯ぎしりはマウスピースで守る
(歯の周りの骨が溶けてしまう)
5)ブリッジや入れ歯は正常な歯に負担がかかる
(インプラント治療も考慮する)
6)親知らずは早期に抜いておく
(部分的な細菌の増殖と歯の溶解が起こる)
7)口呼吸の習慣は出来る限り鼻呼吸にする
(乾燥は唾液分泌が減少する)
8)歯並びが悪い場合、矯正治療を行う
(出来る限り若い年代で行う方が負担が少ない)
9)女性のホルモンによる歯の出血は、常にうがい等で洗浄する
10)血糖値のコントロールを行う
(血糖値の上昇は、体の抵抗力と歯茎の新陳代謝を下げる)
11)ストレスを可能な限り軽減させる
(免疫力の低下を起こす)
12)喫煙は避ける
(免疫細胞が歯茎の正常な細胞を壊し、5倍歯周病を悪化させる)
13)家族歴がある場合は、より気を付けて小まめなケアを行う
 

最後に

酪酸をはじめとした「HDAC阻害剤」は、がん抑制遺伝子の活性化や、自己免疫疾患の抑制に関わる制御細胞を増加させるなど、多くの利点があるというのが一般的な考えですが、今回のHIV活性のように負の側面も持ち合わせている可能性があることも指摘されています。
酪酸は市販の整腸剤としても売られていますが、HIV感染の可能性がある場合購入には少し慎重になった方が良いということが言えるかもしれません。(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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