カラダノート家族の健康を支え笑顔をふやす
  1. カラダノートTOP >
  2. 気になる病気・症状 >
  3. 全身 >
  4. 膠原病 >
  5. 正しいステロイドの離脱方法!「ジインドリルメタン(DIM)」とは?炎症性腸疾患を防ぐ「乳酸菌とケルセチン」の有効性

気になる病気・症状

正しいステロイドの離脱方法!「ジインドリルメタン(DIM)」とは?炎症性腸疾患を防ぐ「乳酸菌とケルセチン」の有効性

drug%20cough.jpg
副腎皮質ホルモンの人工的な合成剤であるステロイド剤は、自己免疫疾患などによって起こる炎症を抑える働きがありますが、その一方で(内服の)長期間の使用を続けると易感染症や骨粗しょう症、糖尿病、精神症状など様々な不利益をもたらす可能性があります。
 
そこである程度の症状の安定性が見られたら、出来る限りステロイドからの離脱を行うことが推奨されます。
 
ただ、長期間使用後の急な中止やペースの速い漸減を行うと「リバウンド」や「副腎不全」などの重篤な悪化症状を招く可能性があるため、正しく計画的な漸減ペースを守ることが非常に重要です。
 

ステロイドの離脱を考えても良い状態とは?

ステロイドの減量・離脱を開始できる大まかな基準としては、「炎症が落ち着いており」「副腎不全の兆候が見られない」場合とされています。
 

<ステロイドの離脱の適応とは?>

1)急性期を過ぎ症状が落ち着いている
2)ステロイドの効果があまり感じられない
3)副作用が深刻になってきており(骨粗しょう症・高血圧など)、他の薬剤で抑えられない
 
⇒その他、即時中断が必要なケースは「向精神薬で制御できない精神症状の悪化が見られる」「易感染によってヘルペスウイルスの角膜潰瘍が見られる」などの場合です。
 

突然ステロイドを中止しても良いケースがある?

ステロイド離脱を行うと必ず、副腎不全やリバウンドが見られるというわけではなく3週間以内の短期間使用では、どれほど高用量でも通常は離脱症状が出ない、とされています(しかし原則個人の状態を見ながらの判断が重要)。
 
ただ、3週間以上の使用となると、1-2週間ごとに少しづつ漸減していくことが必要となります。
 

<離脱症状が出やすいケース>

■プレドニゾンを20mg/日以上×3週間以上使用している
■プレドニゾンを5mg以上の夕方・夜間使用を数週間以上行っている(※日内変動で、夜間はコルチゾール分泌低下しているため、夜間使用を中止すると反跳現象が出やすい)
■クッシング症候群の兆候が出ている
■強いストレスがかかっている状況である(手術など)
 

<離脱症状が出にくいケース>

■ステロイド剤が3週間未満のみの投与である(量は問わない)
■プレドニゾンを10mg×隔日で使用している
 

<中間(判断が難しい)のケース>

■プレドニゾンを10-20mg/日×3週間以上使用している
■プレドニゾンを10mg/日以下(夜間の1回投与)×数週間以下の投与
 

ステロイド減量のペースは「約10%づつ/隔週」が目安?

UpToDate(医師による臨床情報提供サイト)によれば、ステロイドの減量について以下が目安とされています(プレドニゾンへの等価換算値)。5mg以下の減量では、離脱症状が出やすいため特に慎重に減らしていくことが重要です。
 
■(プレドニゾン)40mg/日以上使用
 
1-2週間に5-10mg/日ずつ減量する
 
■20-40mg/日使用
 
1-2週間に5mg/日ずつ減量する
 
■10-20mg/日使用
 
2-3週間に2.5mg/日ずつ減量する
 
■5-10mg/日使用
 
2-4週間に1mg/日ずつ減量する
 
■5mg以下/日使用
2-4週間に0.5mg/日ずつ減する。
 

最後に

まとめとしては、ステロイドを安全に離脱するためには「出来れば3週間以内に」「長期投与では症状安定後に約10%づつ/隔週の減量」「5mg以下は慎重に」の3点が重要となります。医師の指示のもとで、計画的に減量していくことが大切です。

 

 

弱いステロイドのような効果?「ジインドリルメタン(DIM)」とは

抗炎症剤の中でも最も強力に炎症を抑えることのできるものといえば「ステロイド剤」が挙げられます。
 
ステロイド剤は効果の一方、長期使用によって重篤な副作用や副腎機能減退作用が生じるというデメリットがあり、継続的に使用することをためらってしまう部分があります。
 

ステロイドの作用 

ステロイド剤の作用機序は、他のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)とは異なります。
 
主に「NF-κB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)」という転写因子(細胞の核内にあるたんぱく質で、DNAにくっついて炎症に関わる物質を作り出す)を阻害することで効果を示すというものです。
 
近年ではこれと同様の機序を持ち、かつ副作用が少ない薬の開発が進んでいるといいます。
 

副作用が少なく、ステロイドと似た作用を持つ新薬とサプリメント 

聖マリアンナ医科大学の研究では、このNF-κBを阻害する作用を持ち、ステロイドと同様の効果を示しながらも、重篤な副作用を起こさない新規の抗炎症剤(MTI-Ⅱ)の研究開発が進んでいるようで、今後ステロイドに変わる薬剤になる可能性に期待がもたれています。
 
また、現時点で入手できるNF-κB関連の抗炎症物質に「DIM」というサプリメントがあり、医薬品とは確実に効果は劣ってしまうと考えられますが、いくらか痛みや炎症を抑える効果も報告されているようです。
 

「NF-κB」は、過剰な活性化でがん・自己免疫疾患の原因となる 

先に登場した「NF-κBは、(エヌ・エフ・カッパ・ビー)」とは、細胞の中にあるタンパク質のひとつで、核内で遺伝子DNAにくっついてサイトカインや免疫細胞を活性化させる特定のタンパク質をつくらせる(=転写因子)という働きがあります。
 
通常、NF-κBは正常な免疫を維持する上で重要なものですが、活性化しすぎることで「自己免疫疾患やがん」など多くの病気の原因になると言われています。
 

NF-κBを活性化させる刺激とは?

NF-κBが活性化するのは、細胞が刺激を受けた時であり、細胞の表面のレセプター(受け手)に、炎症を起こすフリーラジカル、タンパク質TNF-αや細菌の表面にある糖鎖LPSのような刺激物質が結合する場合に起こります。
 
シグナル伝達が伝わり、NF-κBが活性になることで、これが核内に入って炎症性物質を作り出すことに繋がります。

 

NF-κB活性による生じる悪影響 

・マクロファージ活性化(炎症の誘導、自己免疫疾患の誘発)
・がん細胞を活性化・抵抗性の獲得(アポトーシス阻害タンパク質や、炎症性サイトカインを分泌。また増殖促進因子:VEGF/IL-8/COX-2の産生増加で腫瘍血管新生を誘発)
・抗体産生B細胞の活性化(活性化分子の欠損で、免疫不全となり過活性は、自己免疫疾患やがんを誘導する)
 

抗炎症作用を持つ、ジインドリルメタン(DIM)とは? 

ジインドリルメタン(DIM)は、先のように炎症の原因となる「NF-κB」の抑制効果が認められている物質のひとつで、主に食品ではブロッコリーやケールなどアブラナ科植物に含まれています。
 
このサプリメントは、一部の医療機関でも抗がん剤の増強療法(NF-κBががん細胞を保護する役割を持つため)として使用されているところもあります。DIMの主な効果は以下と考えられています。
 
・転写因子のNF-κBの活性阻害によって抗がん剤感受性を高める
・がん細胞の増殖抑制とアポトーシス(細胞死)を引き起こす
・エストロゲンの代謝を促進する酵素を誘導(乳がん細胞の増殖を抑える)
・抗アンドロゲン作用(前立腺がん細胞の増殖を抑える)
・ダメージを受けたDNAを修復する酵素を誘導する
 
また、以下のようにいくつかの海外で行われたマウス実験では、DIM投与によって炎症性物質を抑制されたという報告があります。
 

DIMをマウスに投与した実験結果 

■DIM投与で、NASHの制御性T細胞が増強した(PMID: 25281898) 

 

【実験内容】

非アルコール性肝炎(NASH)マウスに、8週間にわたってDIMを投与した。
 

【結果】

DIM投与で、NASHマウスモデルのTreg(制御性T細胞)/Th17(炎症性サイトカイン)の不均衡状態を、Treg優位へと増強させた。
 

■DIM投与で、関節炎の炎症性サイトカインの減少が認められた(PMID: 19854159) 

 

【実験内容】

関節炎のラットモデルにDIMを投与した。
 

【結果】

・DIMの投与は、関節炎の発症予防を示すほどの効果は見られなかったが、いくつかの炎症性サイトカインを減少させた。
・RANKL(NF-κBの活性化に繋がる)の発現を阻害した。
 

■DIM投与で炎症誘発の炎症性物質抑制効果が認められた(PMID: 18156398) 

 

【実験内容】

リポ多糖(LPS:細菌細胞壁の成分)による炎症誘導を行ったマウスに対し、DIMを投与する。
 

【結果】

DIMは、マウスマクロファージにおける炎症性メディエーターの放出を阻害した(COX-2・ホスホリパーゼA2・NF-κB転写活性などの抑制を確認)
 

個人のレビューでは、痛みの緩和効果の報告も 

現時点では、DIMはヒト対象に行った臨床試験の報告はほとんどないようです。
しかし、iherbなどのサプリメント通販サイトの個人の方のレビューでは痛みの緩和効果が感じられたという記述がいくつか見られたことから、抗炎症効果が見られる可能性はあるようです。
 
しかし、アブラナ科に含まれる成分であってもサプリメントの状態で長期摂取した際の影響ははっきりしておらず、今後継続して調べていく必要はありそうです。

 

 

消化管バリア機能の低下は「炎症性腸疾患」の発症につながる?「乳酸菌とケルセチン」の有効性

クローン病や潰瘍性腸症候群などの炎症性腸疾患(自己免疫疾患)の発症原因のひとつとして、「腸上皮細胞のタイトジャンクション(細胞間の結びつきを強固にする物質)の損傷」が挙げられています。
 
タイトジャンクションとは腸上皮細胞の隙間を接着して、外来異物の侵入を防ぐ(=炎症を防ぐ)ために必要な物質ですが、同疾患では、これらの組織が減少していることも明らかにされています。近年の広島大学の研究では、これを修復・改善させる物質の候補として「乳酸菌・ケルセチン」が有望であるとしています。
 

乳酸菌によるバリア保護効果とは?

炎症性腸疾患では炎症性サイトカイン(TNF-α)が異常発現していることが明らかになっており、これらは消化管上皮細胞に作用し、タイトジャンクションのバリア機能に損傷を与えることが報告されています。
 

そして、従来から乳酸菌類がバリア機能を改善することはよく知られていましたが、どのような物質によってそれが生じるのかは不明のままでした。近年では、広島大学の研究によりその詳細が明らかになったと報告されています。

 

■消化管のバリア機能が乳酸菌由来物質によって回復した(広島大学)

 

【実験内容】

ヒト消化管上皮細胞株を用いて、腫瘍壊死因子TNF-αで消化管バリアに損傷を与え、その後善玉菌の投与による影響を調べる。
 

【結果】

乳酸菌によって、
・消化管バリアの保護効果が見られた(生菌・死菌を問わず)
・タイトジャンクションの細胞接着タンパク質の1つ (ZO-1)の発現が回復した(炎症保護効果が示唆された)。
・血管平滑筋細胞の収縮を制御するミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の発現が低下した(血流改善効果が示唆された)。
 

ケルセチンが腸管細胞の結合を強固にする?

ケルセチンは、主に玉ねぎやブロッコリーに含まれる高い抗酸化力を持ったポリフェノールの一種ですが、同大学の研究によれば、マウスへのケルセチン投与によって消化管のタイトジャンクション構成物質が集積されたという報告があります。
 

■ケルセチンがタイトジャンクションを強固にした(広島大学)

 

【実験内容】

ラットとヒト消化管上皮細胞株にケルセチンを投与・作用させ、腸管バリア機能の変化について観察を行う。
 

【結果】

・ラット腸管のバリア機能が増強した(細胞間経路通過性マーカーであるルシファーイエロー透過性が低下した)。
・ヒト消化管上皮細胞株のバリア機能が増強し、またタイトジャンクション構成物質(オクルディン・クローディン-1)の集積促進が確認された。
 

最後に

このように、腸管バリアの増強には「乳酸菌」と「ケルセチン」が有効であることが明らかになりました。炎症性腸疾患の免疫細胞の抑制に近年では「酪酸」が注目されていますが、これに併せて先の2剤を併用することも、効果を上げる可能性があると考えられます。

 

(photoby:pixabay

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-11掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

膠原病に関する記事

神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)を知る

  神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)を知る   レックリング...

膠原病~全身性強皮症、シェーグレン症候群~

爪に関係する内出血のほとんどが、ケガなどによって爪の下に起こります。ところが...


風邪の後の突然の脱力症状は、ギランバレー症候群?CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)の可能性も?

風邪の後、突然左右の手足の脱力症状があったら…ギランバレー症候群の可能性があ...

全身性炎症性疾患の難病「ベーチェット病」を知る!多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)とは?

    全身性炎症性疾患の難病「ベーチェット病」を知る   ベーチェット...

カラダノートひろば

膠原病の記事ランキング

人気体験談ランキング

気になる病気・症状のひろば閲覧ランキング

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る