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活性酸素の消去は、がん治療において進行させる要因となる?抗酸化物質の影響とは

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従来、活性酸素は細胞傷害性を持つことから、がんの発生と進行に関係しており、これを抑制することは抗がん剤の増強に繋がると考えられていましたが、近年では様々な研究により活性酸素ががんの抑制に重要な因子となっており、これを阻害することはがんの進行に繋がるという事が判明しています。
 

活性酸素の細胞毒性とは?

活性酸素とは、酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称で、主に4種類(スーバーオキシドアニオンラジカル/ヒドロキシルラジカル/過酸化水素/一重項酸素)があります。

活性酸素は細胞内の様々な物質に対して有害な化学反応をもたらし、細胞に損傷を与えるものであるため、消去することが健康や治療に繋がると考えられてきましたが、

近年の研究では、正常細胞にはこれを消去する酵素(カタラーゼ)が豊富に備わっており、一方のがん細胞ではカタラーゼ活性が低く、活性酸素による傷害を受けやすいことが明らかになっています。
 

<高濃度ビタミンC療法も、活性酸素を発生させる目的で投与している>

がん治療に使用される高濃度ビタミンC療法は、活性酸素の一種である過酸化水素 (H2O2) を発生させることで、細胞傷害(酸化促進)作用をもたらします。
 

がん治療に「抗酸化物質」を使うと、がんの早い増殖に繋がる?

マウス実験では、免疫不全状態にしたマウスに(=免疫細胞による傷害の影響をなくした状態)がん細胞を移植し、活性酸素のみによるがん抑制効果を調べています。
 

■抗酸化物質の投与で、がんの原発巣の転移が早く誘発された(Annals of Internal Medicine誌)
 

【実験内容】

ヒト化マウス(ヒトの遺伝子を一部取り込ませて、免疫不全の状態にしたマウス)にヒト由来のメラノーマ細胞を移植し(皮下・脾臓・血液中)、その増殖や転移の状態を観察する。
 

【結果】

・マウスの皮下に高率で腫瘍が形成されたが、一方で転移巣はより低い確率でしか成立しなかった。
・抗酸化物質のNAC(N-アセチルシステイン:グルタチオンの前駆物質)で前処置を行なうと、原発巣以外においてもがん細胞の増殖が促され、転移がより早く誘発された。

最後に


このように、がん治療に伴う抗酸化物質の投与は、反対にがん増殖を促進させてしまう可能性が示されています。代替療法を併用すべきかどうかは良く医師と相談されることが重要と言えそうです。

(photoby:pixabay

著者: カラダノート編集部

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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