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ラミクタールによる「スティーブンス・ジョンソン症候群」は特定の遺伝子と強い相関がある?

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抗てんかん薬のひとつ「ラミクタール」は、「妄想を伴ううつ」や「器質性疾患(発達障害・レビー小体病など)」に高い有効性があり、少量で賦活し活動性を上げる効果があると言われています。
 
また、軽躁/躁の抑制にはあまり効果的でないものの、マイルドな鎮静作用・認知機能を落とさない・感情を押さえつけるような不快感がないという点においても優れているといわれています。
 
ただ、気をつけるべき副作用として、「スティーブンス・ジョンソン症候群」という重症発疹の発現リスクがあります。
 
この薬疹は、特定の遺伝子タイプと関連が高く、特に「HLA-Cw*0102」型については事前に検査を行い、その型であった場合には可能な限り使用を控えることが重要です。
 

ラミクタールは、副作用である薬疹を除けば優れた薬?

ラミクタールは、トリアジン骨格を有する新しい抗てんかん薬で、Na+チャネルを抑制することにより、興奮性アミノ酸の放出を抑制し抗てんかん作用を発揮するとみなされています。
 
中毒疹の発生率が高いため、毒性のある薬と言う印象が強いですが、小児てんかんにも適応があり(忍容性が高い・認知機能に対する影響がない・体重への影響がないなど中毒疹を除けば優れた安全性の高い薬)、海外の治療ガイドラインでも高い評価を得ているといいます。
 

薬疹が出やすくなるリスク要因は?

皮疹のリスク要因としては、以下の4点が挙げられています。
 
・シトクロムP450阻害剤(バルプロ酸など)との併用
・急速に増量を行う
・12歳未満である
・他の抗てんかん薬による皮疹の既往がある
 
最も高いリスク要因は、「HLA-Cw*0102」という遺伝子多型を持っている場合ですが、その他にも最初から高用量で用いると皮疹の発生率が高まります。必ず少量(25mg程度~)から徐々に増量していくことが推奨されています。又その他、バルプロ酸との併用には十分な注意が必要です。
 

スティーブンス・ジョンソン症候群発症のリスク因子である、特定の遺伝子タイプとは?

■スティーブンス・ジョンソン症候群とは

発熱を伴う口や目や陰部などの粘膜移行部に、出血や水泡などを伴う重症の湿疹が現れ、時に命に係わることもあるとされる。その他、視力低下や失明などの後遺症を残す、重篤な薬疹。
 
以下の遺伝子タイプと重症薬疹に相関があるという報告があります。
 

<スティーブンス・ジョンソン症候群と相関のあるとされる遺伝子多型(国立衛研:31P2-am090)>

□HLA-B*5401
□HLA-Cw*0102
□HLA-DRB1*1201
 
日本におけるラミクタールと重症薬疹の発生要因となる遺伝子多型の相関についての研究は、まだ少数しか行われていませんが、この3つの中でも特に「HLA-Cw*0102」については14例中12例において感度が非常に高かった(85.7%)とされているため、注意が必要です。
 

最後に

このように、徐々にラミクタールによる重症薬疹と遺伝子多型に関する研究が進みつつありますが、一方で処方前に遺伝子検査を行うには1タイプにつき1万円前後の費用がかかり、患者にとって負担が大きくなります。
 
現在テグレトールに関してはバンクオブジャパンの研究の一環で無料で遺伝子検査とその後の臨床試験に参加することは出来ますが、ラミクタールに関してはそのような大規模研究は行われていないのが現状のようです。今後、さらなる研究の進展に期待したいところです。
(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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