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抗がん剤の量を減らす極少量療法、 抗がん剤を減らして本当にがんは治るの?

抗がん剤を投与した時に即時に表れる有害事象はいったん発生すると生命に関わるほどの重篤な症状が表れることがあります。生体には異物に対する防御システムがあり、このシステムが過剰にまたは不適切に働いて様々な症状を引き越すことを過敏反応といいます。

 

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーというのは過敏反応のうち即時型の激しい全身反応のことで、中でも重篤なものをアナフィラキシーショックといいます。呼吸困難や血圧低下、不整脈、頻脈、胸痛などの症状が表れます。

 

めったに見られるものではありませんが万一起きた場合には命に関わりますので、アナフィラキシーを起こしやすい薬の投与には注意が必要です。

 

インフュージョンリアクション

近年開発が進んでいる分子標的薬の中には重篤な過敏反応を起こすものがあります。この反応はアナフィラキシーほど投与後速やかには表れず、投与後24時間は出現の危険性があります。

 

最もリスクが高いのは投与から1時間程度経過したころです。

 

投与中の管理と緊急対応

リスクの高い抗がん剤を使用するときは、アレルギー反応の予防のために抗ヒスタミン剤や解熱鎮痛剤が使用されます。投与後数分から数10分程度は患者さんの状態を観察して、アナフィラキシーが起きないことを確認する必要があります。

 

患者さんに反応が表れたときは、以下のように対応します。

 

・ただちに点滴を中止し生理食塩水などの輸液を開始する

・体温や血圧などのバイタルサインを測定し全身状態のチェックを行う

・医師の指示のもと必要に応じてステロイド剤などを投与する

 

副作用が表れることが多い抗がん剤の効果判定法

抗がん剤は副作用が表れることが多い薬です。

だからこそ臨床現場では対危険便益を予測しながら慎重に使用しなければなりません。

 

一般的に同じ性質の腫瘍の場合

・腫瘍の大きさが小さければ小さいほど

・患者の年齢が若ければ若いほど

・全身状態が良ければ良いほど

 

抗がん剤の効果は大きくなるとされます。

 

効果判定基準

世界保健機構によって薬の効果判定基準が定められています。

 

○標的病変の判定基準

完全反応(CR):すべての病変の消失

部分反応(PR):ベースライン長径和と比較して、標的病変の最長径の和が30%以上縮小

安定(SD):CR、PR、PDのどれにも該当しない

増悪(PD):治療開始1年以降に記録された最小の最長径の和と比較して、標的病変の最長径の和が20%以上増加

 

○非標的病変の判定基準

CR:すべての非標的病変が消失し、血清腫瘍マーカーが正常化

SD:非標的病変が持続または、血清腫瘍マーカーの異常が持続

PD:既存の非標的病変の明らかな増悪

 

PDの状態になればただちにその治療を中止・変更しなければなりません。

PR・SDの場合はそのまま続行するか休止していったん様子をみるか、あるいは効果が期待できる他の方法に変更するかは患者の病態や全身状態などを考慮して、本人の意思や希望を確認しながら決めていきます。

 

抗がん剤の量を減らす「極少量療法」 抗がん剤を減らして本当にがんは治るの?

抗がん剤の治療では、どの抗がん剤を使ったとしてもほとんどの場合で副作用が見られます。この抗がん剤自体、がん細胞を死滅させる働きを持っているものです。

 

なぜ副作用が起こるのか

抗がん剤が作用するには、基本的にがん細胞が細胞分裂を行うときに作用し、がん細胞がDNAを合成したり複製するときにそれを阻止します。

それによってがん細胞を死滅させるのですが、この細胞分裂が盛んな場所は正常細胞であっても、攻撃がされやすくなってしまいます。そのため副作用が生じるのです。

 

従来の抗がん剤治療は副作用に耐えていた

従来の抗がん剤治療では、腫瘍の縮小が第一に考えられていました。一か月でがん細胞の縮小が期待できる量を想定し、抗がん剤を投与していたのです。そのため副作用に関しては患者さんが耐えられる限界まで耐えるというケースが多くありました。

 

しかしこの方法では、副作用に耐えられずに治療の継続が難しくなることがありました。

さらには多くの抗がん剤を投与した結果、腫瘍が小さくなっても、免疫細胞など他の正常細胞も大きなダメージを受け、結果的に腫瘍が再び増大するというリバウンド現象がよく見られていました。

 

極小量療法とは?

リバウンドが起きてはつらい治療を耐えた意味がありません。そのため、近年は抗がん剤の量を減らして投与する極小量療法がとられるようになってきました。

これは従来の治療とは真逆で、抗がん剤の量をごく少量に減らし、がんの進行を抑えるという治療方法です。

 

少ないと効かないのでは?

これはあくまでも進行を止め、副作用を軽減することが目的とされているようです。中には腫瘍の縮小が確認されたケースも多く見られており、従来の抗がん剤治療を上回る延命効果も報告されています。

 

この方法はまだ効果が確立されたものではありません。

そのため一部の病院でしか行われていませんが、患者さんが一番つらい副作用を抑えることができ、がんにも効果があるとされ、期待されています。

 

痛くない点滴のためにできることとは?

さまざまな医療で点滴が使用されます。持続的に体内に薬や栄養などを一定の速度で入れるには、点滴は最適な方法です。

 

点滴の大切なポイント

点滴は、一定の速度で長い時間をかけて体内に必要な成分を入れていく投与方法です。直接血液中に投与していくので、すぐに全身に循環します。そのため、急性のアレルギー症状の抑制や、脱水時の水分やミネラル、糖分の補給などに用いられます。

 

また、持続的に一定の濃度で投与することも重要で、一度に大量に投与できない薬をゆっくり入れて全身に必要な濃度で循環させる目的で、抗がん剤などにも利用されます。

 

点滴のあいだは動かない 

点滴は血管に針を入れたままの状態ですので、針が血管壁を破ったり、針が抜けてしまったりすることを避ける必要があります。刺さっている針が動くとかなりの痛みがあります。

 

また衛生的に処理されているため、針が抜けてしまうと不衛生になります。輸液そのものが汚染される可能性もあるため、針が抜けたりしないように、点滴のあいだはできるだけ動かないようにすることが大切です。

 

痛くない滴

点滴の針を刺す時にも、痛くならないようにリラックスして動かないことが大切です。

 

特に治療が続いている間何度も点滴をする場合には、血管が硬くなったりするために同じ場所に何度も針を刺すことができなくなります。そのリスクを減らすためにも、点滴の開始時は一回で針が入るように、動かないようにしましょう。

 

血管が細かったり血管が見えにくい場合には、どうしても一回で針が入らないこともあります。点滴は痛い、と思うとさらに身体が動いてしまうため、恐怖心を持たないようにすることが大切です。

 

(Photo by http://www.ashinari.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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