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がんの手術について知ろう 手術の翌日に仕事復帰も!「リンパ節郭清」などのいろいろな術式など

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タレントの大橋巨泉さんは、何度もがんの治療を受けています。

2015年の10月にも4度目となる手術を受けていたということが、報道によって明らかになりました。

今回は、がん手術をした翌日にもう仕事復帰ができる秘密と、これからのがん手術のキーワードとなる「手術の短期化」についてまとめました。

 

がん手術翌日に仕事!?

このときの治療で注目されたのが、がん治療の翌日に仕事をしていたということです。

ちなみに退院は手術を受けたその日にしたということです。

がんの治療というと、大層大がかりなイメージが強いように思います。

ましてや手術なのにその日に退院なんて、ちょっと信じられないかもしれません。

 

どんな手術をした?

大橋巨泉さんは、縦隔(じゅうかく)のリンパ節に転移し、2か所の腫瘍を手術しました。

縦隔というのは、左右の肺の間の部分にあります。その2か所の腫瘍を、4時間に及ぶ手術で摘出したのだそうです。この手術の翌日に、テレビ収録の仕事をしたというのですから驚きですよね。

 

進む「治療の短期化」

このケースは一般的ではありませんが、がん治療の短期化は、近年のひとつの傾向でもあります。

この短期を可能にしているのが、治療技術の進化や術後管理の変化です。

 

・胸腔鏡手術の普及

入院期間を短期化できるのが、胸腔鏡による手術です。従来であれば開胸して行っていた手術も、小さな傷口だけで可能になりました。

 

もちろん小さな穴をあけるだけで済むので、見た目の利点も大きいです。

それ以上に、手術の際にやむを得なかった筋肉などへのダメージが最小限に抑えられ、回復が早いという利点があります。

 

全身麻酔の場合には、術後に数日の入院が必要ですが、そうでない場合にはその日の退院でも可能です。

ただ、がん治療で日帰り手術というのはとても稀なケースです。

 

・安静ではなく、すぐに回復に向ける

「術後は安静に」というのが、よく言われることです。

しかし、近年はこの安静がよくないということが言われるようになりました。

特にこれは高齢者の場合に言えることで、安静にしている状態が長ければ、その分「筋力の低下」などが懸念されるのです。

 

筋肉はエネルギーを生み出す、生活する、回復していくために絶対に必要なものです。

それが低下してしまうのですから、回復の妨げになってしまうのです。

 

ですから、今では手術のすぐ後には食事や歩行など、できる限り普段と変わらない生活をすることが求められています。

 

これから進んでいく、手術の短期化の流れ

もう一度書きますが、がんの手術で日帰りでできるというのは、一般的なケースではありません。

ただ、日帰りとまではいかなくても、2~3日で退院できるという短期化の流れはあります。

すぐに実生活に戻れるというのは、患者さん側としても嬉しいですよね。

 

最小限を切り取る縮小手術…これを支える3つの手術法とは?

がんが発生したら、その部分を切除すれば体の中からがんの脅威は消えます。その際に決定しなければならないのが、がんの切除範囲です。

少し大きめに切除すれば再発の予防になりますし、最小限の切除で済ませれば、体の機能が損なわれずに済みます。

 

なるべく小さく切りとる!縮小手術とは

がんの切除部分を大きめにとるのを拡大手術、なるべく小さく切りとるのを縮小手術と言います。

縮小手術は体へのダメージが少ないので、患者さんの術後の生活に与える影響が少ないのが特徴です。この縮小手術が広がってきたのは、手術技術の発展によるところも大きいです。

 

・内視鏡手術

開腹せずに行える内視鏡手術は、がん治療の中でもきわめて侵襲が少なく、患者さんの体への負担が軽い治療です。ただし、内視鏡手術は全てのがんに適用できるわけではありません。内視鏡が入れる範囲に限られるわけですから、食道、胃、大腸、胸腔、胆嚢、膀胱といった場所に限られます。

 

・腹腔鏡下手術

これは大きな開腹をせずに行えるがん手術です。患部を取り出すための最小限の切開をし、腹腔鏡と呼ばれるカメラや治療器具を入れて手術します。ただしこの手術は比較的高度な技術が要求されるもので、施設や医師の技量によって格差が多少あるようです。

 

・レーザー治療

低出力レーザー治療というのが肺がんなどに対して行われることがあります。レーザーに先がけて、がんに集まりやすくレーザー光に反応しやすい薬剤を注射しておきます。これでレーザー照射によって活性酸素を発生させ、がん細胞のみを死滅させることができるのです。

 

こうした患者さんの体の負担のかからないがん手術は、常に研究が進んでいる分野でもあります。小さく切り取ることに加え、再発を最大限防止できるような技術がこれらかもっと発展していくでしょう。

 

がん手術の時の3つのポイント

がんには手術で取り除くという治療法もあります。

手術をすると体に負担がかかりますが、取り除くことが出来ればがんの様々な症状に悩まされることは少なくなります。

がんの手術というと、全く想像がつかないという方もいるかもしれません。

手術のときに変化する、3つのポイントを紹介します。

 

●食 事

がんだけではなく多くの病気の手術時に言えることですが、食事はある程度制限されます。

多くの場合は手術前日の夕食は食べられますが、手術当日の朝食からは食べられません。

また、手術前には水も飲むことができません。その点は理解しておきましょう。

治療薬を服用している場合には、服用方法が普段と異なる場合もあります。

 

●着 替 え

映画やドラマなどで目にする手術着を着ることになります。

装身具は身に着けることができないので、すべて外します。

多くの方が忘れがちなのが入れ歯です。

入れ歯も装身具のひとつとなるので、外して手術に臨みます。

また、手術中は長時間同じ姿勢でいることから血の巡りが悪くなります。

血栓を防ぐためのストッキングを着用して手術をします。

 

●ト イ レ

手術当日の朝には、お腹も腸も空っぽであることが望ましいです。

そのため、手術の朝に排便を済ませる必要があります。

人によっては、下剤をもらって排便するということもあります。

排尿については特に制限はありませんが、食べ物・水が制限されることから自然と尿の量も減ってくることが多いです。

 

がんの手術について知ろう リンパ節を切りとってしまう?「リンパ節郭清」という手術

がんはいったん生じると基本的にはどんどん増殖していって、リンパ節に入り込むと離れた臓器にも転移します。

そのため、がんの手術をする際は、見えている病巣だけではなく、その病巣の評価から転移の可能性までしっかりと考えて、手術の決定をしていく必要があります。

 

リンパ節郭清という手術

がんの手術技法のひとつにリンパ節郭清という手術があります。このリンパ節郭清とは、リンパ節が含まれる脂肪を一塊にして切除するものです。これによって切除した脂肪の中に埋まっているリンパ節を病理検査で調べ、転移の有無を確認します。

特にこのリンパ節廓清は乳がんの手術で出てきます。そのため、脇の下にあるリンパ節を脂肪ごと切除してしまうことを主に指します。

 

リンパ節廓清の目的

乳がんのがん細胞が最初にたどり着くのが脇の下(腋窩)のリンパ節です。最初にがん細胞が到着する場所ですから、ここを調べることで、全身への転移の可能性を推測できます。その点ではがん自体の手術というよりも、検査や診断といった目的が一つ大きくあります。

もう一つの目的が治療的目的です。わきの下のリンパ節郭清を行うと、その後のわきの下のリンパ節からの再発はまれです。そのためそれを取り除いてしまうことで、わきの下のリンパ節からの再発予防という目的が達成されます。

 

議論が残る点もある

転移の検査や診断のためにリンパ節廓清を行うという点は、がん治療において非常に重要な方法と位置づけられています。

これに対して、治療目的のリンパ節廓清については議論が残るところもあります。というのも、わきの下のリンパ節廓清を行ったからと言って、わきの下のリンパ節以外の臓器への遠隔転移を予防する効果があるかどうかを疑問視する声もあるのだそうです。

 

リンパ節廓清は確かに再発予防の治療においては好成績を収めています。しかしだからといって、転移がこの手術によって全くないということにはならないことを知っておきましょう。

 

自己管理ノートを付けよう!~がんの自己管理~

自分の病態や症状について知識を持つことは治療を進めていくうえで非常に重要になります。

特に外来化学療法を受けている患者さんは24時間医療者の目の届くところにいませんので、患者さんによる自己管理が大切になります。

 

自己管理ノートをつけてみよう

カレンダー式のノートに薬を飲んだ日や表れた副作用などを記入していきます。

病院によっては表れやすい副作用があらかじめ記入してあり、丸を付けるだけのノートを配布しているところもあります。

薬だけの情報だけではなく食べたものなどの生活習慣を記録することもいいかもしれませんね。

 

ノートは医療人のためにもなる

基本的には患者さんが自分の体調を把握して自己管理に役立てるためのものですが、同時に医療者が患者さんの状態を知るための貴重な情報源になります。

患者さんに普段の様子を記録してもらうことで顔を合わせる回数が少なくても適切なケアを行うことができます。

薬による副作用の程度やタイミングは患者さんそれぞれによって差がありますので、それを確かめてから患者さんに合わせて必要な情報や指導を行えるようになります。

 

ある人にとってはたいしたことないと思える辛さが別の人にとっては耐えられないものであったりと、副作用の感じ方や苦痛の度合いなどもかなり違いますから、治療において患者さんの主観は大切になります。

 

がん患者さんの心理~受診前から終末期まで~

がん患者さんは臨床経過に伴って様々な心理的反応をしめします。

 

①受診前

何かの症状があってがんの疑いを持った時から患者さんの精神的動揺が始まります。

 

②検査

検査中も大丈夫であってほしいという気持ちと最悪の事態を恐れる気持ちの間で大きく揺れ動いています。

見慣れぬ機器で検査を受けることもストレスにつながりますので、検査の内容や使われる機器について事前によく説明を受けていたほうが安心して臨むことができます。

 

③診断

診断がくだり、がん告知を受けた患者さんは最初の危機状態に陥ることがあります。

 

④治療

たとえ早期のがんであっても患者さんは強い不安を持ちます。

手術になると手術に対してや術後の不安などが生じ、化学療法では副作用に対する不安が生じます。

 

⑤初期治療終了時

日常生活に戻ると、がんにかかってしまったことで家庭や社会における役割が変更されることから抑うつ状態になることも少なくありません。

再発や転移に対する恐怖もあり人によっては定期検査のたびに不安が強まることもあります。

 

⑥再発・転移

最初の告知よりも打撃が大きく患者さんの頭の中に「死」が浮かぶことが多いです。

 

⑦進行期

病状が進行すると患者さんの精神状態は体調によって大きく変化しますので、病状のコントロールが非常に重要になります。

 

⑧終末期

周りの人間に「どうせ死ぬのだから」と思われていると不安に感じたり、孤独感を味わう患者さんが多いです。

自分の体調と医療者の話の間のギャップを感じて「嘘をつかれているのでは」と疑うこともあります。

 

 

一般例ですがこのように患者さんの心は動いていきますので、病期にあった適切な心のケアが必要になります。

 

不安、落ち込み、せん妄…がんのストレスから起こる精神状態

がんの告知を受けるということは大きなストレスになります。

患者にとっても家族にとっても、これからがんと付き合っていくことに対して少なからず衝撃を受ける場合が多いようです。

がんが引き起こす3つの精神状態を見ていきます。

 

●不安

がん患者が常に向き合っていかなければならないものの一つとも言われているのが不安です。

人間、誰しも不安になることはありますが、がん患者の場合は病期に対する不安が非常に大きいです。

不安感だけでなく眠れないなどの症状が出てきた場合、うつ病や適応障害の可能性もあるので早急な治療が必要です。

ただ単に不安を感じるといった場合でも、自分なりに不安に対処する方法を考えておいた方がよいでしょう。

 

●落ち込み

がんになると、必ずと言っていいほど落ち込みます。

今まで元気に過ごしていたのに、突然病棟で過ごす毎日が始まってしまったら落ち込んでしまうのは当然です。

不安と落ち込みはよく似ています。

両方の気持ちに関する身体的症状として、食欲の無さや不眠などがあります。

 

●せん妄

不安や落ち込みとは少し異なった精神状態です。

せん妄とは、簡単に言えば『何が何だかわからない状態』のことです。

今日の日時、今自分が何をしているか、何のために治療病棟にいるのかが全くわからなくなってしまいます。

それに加えて、ひどく興奮して攻撃的になったり、幻覚や幻聴に悩まされるということもあります。

せん妄が起きた時には薬の力を借りて治療していく必要があります。精神安定剤などが医師から処方されます。

 

がん患者とその家族の「ストレスコントロール」の重要性

がん患者にとって、そしてがん患者の家族にとって、ストレスは切っても切り離せない存在です。

がんの告知から治療終了までストレスにさらされ続けるといってもいいくらいです。

だからこそ重要なのがストレスコントロールです。

 

●ストレスコントロールのスタート地点は『認知』

認知とはもともと心理学の用語です。

自分の置かれている状況を正確に知る、起きていることを認めるというのが認知です。その方法はいくつかありますが、がん患者・がん患者の家族にとっては、ストレスを把握することがまず第一です。

 

●ストレスを把握する

がん患者本人はもちろんですが、家族も同じくらい、気付かぬうちにストレスを抱えています。

特に家族の場合には、患者のために一生懸命になっていると、周囲も自分もストレスに気づかないということが良くあります。

自分はストレスを抱えているのかもしれない、というところからストレスコントロールをスタートさせましょう。

 

●ストレスの元となっているものを考える

ストレスの元となっているものを考えてみてください。

一言にがんと言っても、細かく見てみると多様な問題があります。

患者さんとコミュニケーションを上手くとれないことが問題なのか、経済的な問題なのかで必要とされる対処法は異なります。

 

●解決への糸口を探す

現実的な解決への糸口を探すことも大切です。

もちろん、不安や鬱々とした気持ちなど、一朝一夕には解決できないストレスも多いかもしません。

専門家の手を借りることも検討しながら、解決法を探してみてください。

(Photo by:写真AC

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-05掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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