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生活習慣病

血糖値の乱高下「グルコース・スパイク」は、常時高血糖状態よりも動脈硬化を促進させる?

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通常、血糖値は1日24時間ほぼ一定の状態に保たれていますが、2型糖尿病ではインスリンの作用不足やインスリン分泌の遅れなどから、食後の血糖値が著しく上昇し、1日の血糖変動が大きくなります。

このように乱高下のある状態を「グルコーススパイク」といい、その度に血管内皮が傷ついてしまうことで動脈硬化を引き起こす可能性があると言われています。空腹時血糖値やHbA1cがコントロールできていても、食後の一過性の血糖値が非常に高くなっている場合、注意が必要です。

グルコーススパイクは、なぜ動脈硬化に繋がる?

食後高血糖の状態は、血管内皮細胞に糖化や酸化ストレスの大波を引き起こし、血管内膜の機能を障害します。糖尿病の初期では、食後の血糖値のみ高値で空腹時血糖値が正常なケースがあるため注意が必要です。

動脈硬化を予防するためには、血糖変動幅(=食後高血糖と空腹時血糖の差)を少なくするために、空腹時血糖が高くなくても食後2時間後の血糖値を140mg/dl未満に制御する必要があります。

「24時間ごとに正常血糖・高血糖」「常時高血糖」どちらがリスクが高いか?

海外研究によれば、以下のように「24時間ごとに正常血糖・高血糖」「常時高血糖」のうち、前者の交互に血糖値が変動する状態の方が危険性が高いという結果が示されています。

■グルコーススパイクは、血管内皮細胞のアポトーシスを増強させた(Am J Physiol Endocrinol Metab. 2001;281:E924–E930.)

【実験内容】
ヒト臍帯静脈内皮細胞を、3種のグルコース濃度存在下で培養し(正常血糖(90mg/dl)、高血糖(360mg/dl)、グルコーススパイク(90/360mg/dl:24時間ごとに交互))、7、14日後にヒト臍帯静脈内皮細胞の細胞死率を検討した。
【結果】
・安定した高濃度グルコースによって誘導されるアポトーシスは、Bcl-2の有意な減少とBax発現の同時増加を伴った。
・一方で、間欠的な高濃度に晒された細胞の方がよりアポトーシスが増強された。
・間欠状態では、Bcl-2は検出されず、Bax発現も大幅に増加していた。

⇒これらの結果は、グルコース濃度の変動は、持続的高濃度よりも動脈硬化のリスクがあることを示している、とされています。

グルコーススパイクは動脈硬化に繋がる可能性がある?

■グルコーススパイクが動脈硬化を進展させることが示された(CAPRI試験)

【試験内容】
2型糖尿病患者644例を対象に、血糖値と頸動脈内膜中膜肥厚(IMT)との関連性を検討した。
【結果】
・HbA1cが高く、グルコーススパイクが大きいほど頸動脈IMTは肥厚していた。
・また、HbA1c高値よりも、グルコーススパイクの方が動脈肥厚との関連性が強かった。
⇒結果として、HbA1cが7.0%未満にコントロールされていても、グルコーススパイクが抑制できていないと、動脈硬化は進展してしまうことが明らかになった。
このように、血糖値の急激な変動が交互に生じると、血管を傷害させるリスクが高いことが分かりました。ただ、この対処法として「スーパー糖質制限食」という方法があり、一食分の糖質量を20g摂取可能でありながら(野菜+抵糖質の炭水化物など)、血糖値は正常範囲内に抑えられるという優れた食事療法です。

導入時は抵抗を感じるかもしれませんが、糖質が全く摂取できないわけではないため、美味しく続けられている、という方もいらっしゃいます。選択肢として、知っておきたい治療法のひとつではないでしょうか。
(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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