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不眠・睡眠障害

新規睡眠薬「ベルソムラ」は、ベンゾジアゼピン系薬のような耐性・依存性が生じない安全な薬?

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昨年11月に睡眠薬の新薬「ベルソムラ」が発売となりました。
ベルソムラはこれまでの睡眠薬の主流であった「ベンゾジアゼピン系薬」とは全く異なる機序で睡眠導入を促すため、依存や耐性の問題がなく、また長期服用でも認知症のリスクに問題がないものと考えられその効果に期待がもたれています。

ベンゾジアゼピン系薬は、長期使用で奇異反応・認知症のリスクがある

「ベンゾジアゼピン系薬」は、鎮静系イオンの神経細胞への流入を増やし、不安を沈め睡眠を促す作用がある薬です。向精神病薬の中でも軽い使用感で扱いやすく、一見目立った副作用もないため国内では不安障害や不眠症に対して気軽に処方される傾向にあります。

ただ、精神科医の神田橋医師によれば「慢性酔っ払い状態になる」と形容されるように、脳の前頭葉や海馬・扁桃体の働きを低下させる作用があり、それによって認知機能低下や(長期服用で認知症のリスク)、奇異反応・反跳現象という症状悪化が生じる可能性があります。

ベンゾジアゼピン系薬の問題点

・耐性ができ、服用量を増やさなければ効果を感じられなくなる
・依存性ができ、薬をやめることができなくなる
・奇異反応や反跳現象などの悪化を起こす可能性がある
・ノンレム睡眠を導入しない(レム睡眠導入となり、自然な眠りとは言えない)
・海馬の活動を抑制するため、長期使用で認知症のリスクが増加する
このように、ベンゾジアゼピン系薬の長期服用は出来る限り行うべきでない、と考えられています。

ベルソムラの利点

ベルソムラは「オレキシン受容体拮抗薬」という種類の睡眠薬で、その作用機序は視床下部の覚醒中枢を抑えるというもの強制的に睡眠導入はせず、自然に眠りに入りやすい状態にするというものです。

オレキシンとは、神経伝達物質の一種であり覚醒させる作用があります。「ナルコレプシー(過眠症)」の患者さんの9割は、オレキシン分泌が不充分であることが原因であるという報告もあり、この逆の機序により睡眠を促しているとも言えます。

ベルソムラの安全性

ベルソムラは、まだ発売されて1年程度しか経過していないため臨床データが少なく安全性に不安があるという声があります。
・効果持続は7時間を越えない
・使用後9時間の時点での認知機能の低下はなかった
・効果は30分以内に出始める(食後すぐの服用を除く)
・常用量は、65歳未満で1日20ミリグラム、65歳以上で1日15ミリグラム
・アメリカFDAでは10mgからの開始を推奨している(ただ、半錠線がついていない)
・20mgでは日中の眠気・運転への支障への安全性が確認されていない
・CYP3A4を強く阻害する薬との併用は禁忌。
・オレキシンが活発にことによる不眠症には高い有効性

■ベルソムラの臨床試験をまとめたレビューでは、睡眠潜時の短縮が約6分認められた(the International Journal of Clinical Practice誌のレビュー)

【試験内容】
2種の第3相臨床試験のまとめ(3ヵ月間のベルソムラと偽薬の比較試験)
【結果】
・偽薬との比較において、有意に眠りに入るまでの時間(睡眠潜時)を短縮し、総睡眠時間を増加させた。
・偽薬との比較では、睡眠潜時の短縮は約6分程度だった。
⇒3ヵ月の継続使用では、さらに時間の短縮が認められたが、偽薬においても同様の傾向が認められた。
⇒ただ、他のマイスリー10mgの臨床試験では睡眠潜時の短縮は約20分であった。

このように、現時点ではベルソムラの効果はベンゾジアゼピンと比較して、かなり弱めの効果であるとされていますが、ただロゼレムとの併用も可能であるため、この2剤の効果を併せるといくらか効果は改善される可能性はあります。
ただ、併用の際には他の薬にCYP3A4代謝酵素阻害剤が入っていないかは十分注意することが必要です。
(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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