育児
心臓→肺の血管が狭くなる「肺動脈狭窄」 治療法は?手術はどうなるの?
生まれながらに心臓の血管に問題があると言われたら、親御さんはとても心配だと思います。
見守るべきなのか、積極的な治療が必要なのか、親御さんはしっかりと把握する必要があります。
生まれた子の心臓に雑音が…
生まれてきたばかりの赤ちゃんの心臓の音に雑音があることがあります。
その場合にはすぐに検査をしてもらって、何か問題がないか探すでしょう。
そんな経緯で見つかる病気のひとつが、「肺動脈狭窄症」です。
これは肺動脈、つまり心臓から肺に送られる血液の通る血管が、何かの理由で狭くなってしまう病気です。
これによって、心臓から肺への血の流れが悪くなります。
さらにこれによって、肺へ血液を送り出す部屋、右心室に大きな負担がかかってしまいます。
病気が見つかったら手術するの?
肺動脈狭窄症が見つかったからと言って、必ず手術が必要ということでもありません。
軽度の場合は経過観察
肺動脈狭窄症と診断されても、狭窄が軽度で、心臓の機能的に問題はないということもあります。
その場合にはすぐに手術が必要ということはなく、経過観察になることがあります。
放っておいても治るということではありませんが、子どもはこれから体が大きくなっていきます。
心臓も血管もこれから太く大きくなっていきますから、自然と治る可能性もあるのです。
もちろん定期的にお医者さんに診てもらう必要はあります。
中・重度の場合は手術かも…
肺動脈狭窄症でも重度の場合には、
・体重の増えが悪い
・チアノーゼを生じている
などの症状が見られることがあります。
放っておけば右心室の負担が大きくなり、狭窄が進行してしまう可能性もあります。
そんな場合には積極的な治療が必要です。治療は以下のふたつがあります。
・カテーテル治療
カテーテル治療では、肺動脈へカテーテルを通して、狭窄が起こっている部分でバルーンを広げます。
これによって狭い部分を広げてあげるのです。
・手術
狭くなっている場所や形によっては、手術という方法がとられることもあります。
今は体に負担のかからないカテーテルが一般的で、開胸する手術は本当に重症の場合になります。
手術しても狭窄は少し残す?
カテーテルでも手術でも、狭窄が少し残ることがあるようです。
これはしっかり治療をしていないということではなく、狭窄を完全に治してしまうことで、「血液の逆流」が起こることを防ぐためです。
狭窄と逆流の二つのちょうど良いところを見つけて治療を行っているのですね。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部