育児
4pモノソミー症候群の子どもへの治療法とは?てんかんのコントロール、摂食訓練…
子どもに身体的・精神的な異常が見られる原因は色々とあります。
その中でもここでは、染色体の欠損によって起こる異常をご紹介します。
4番目の染色体が欠損する「4pモノソミー症候群」
先天的に起こる染色体異常のひとつが、4pモノソミー症候群です。
4p(よんぴー)モノソミー症候群、あるいは4p欠失症候群、4p-(マイナス)症候群、Wolf-Hirsch-horn(ウォルフ・ヒルシュホーン)症候群など色々な呼ばれ方をします。
4というのは染色体の4番目ということで、4番目にある2本の染色体のうち1本に異常が見られます。
染色体は短腕(p)と長腕(q)という部分に分かれていて、短腕(p)の方に異常が起こります。
4pモノソミーは、短腕(p)の方が無くなってしまうのではなく、一部分が欠損してしまうことで起こります。
欠損が半分に及ぶこともありますし、ほんの少しだけ欠損しているということもあります。その程度によってあらわれてくる症状は違います。
治療はできるの?できる対処法とは
治療によって根本的に4pモノソミー症候群を治すことはできません。ですが対処的にできる治療はいくつかあります。
ちなみに、子どものうちにこの病気と診断されることももちろんありますし、大人になってからこの病気だと診断されることもあります。
てんかんのコントロール
患者のほとんどに脳波の異常が見られ、けいれんやてんかんが見られます。
特にこれは小さい頃に特に顕著に見られ、時間の経過とともに治まっていきます。
これを抗けいれん薬などでコントロールすることが重要です。
コミュニケーション訓練
脳の構造異常から、知的障害や精神遅滞が起こります。
そのためコミュニケーションに困難することもありますが、ある程度の意思疎通は出来ることが多いです。
そのため、認知機能、言語機能、社会性などを伸ばす訓練も必要になります。
摂食訓練
時に消化器官の異常によって、嚥下障害などが起こることがあります。
その場合には摂食訓練や、場合によっては経管栄養などが必要になるでしょう。
個々の異常には標準的な対処をしよう
心疾患や尿路に起こる異常など、色々な問題を抱えている可能性があります。そうしたそれぞれの状態には、標準的な治療を行っていきます。
また、生まれたときにはなかった合併症が、成長とともに発症していくこともあります。
そんな場合にも、標準的な治療によって対処していくことになるでしょう。
ゆっくりした成長を見守ろう
4pモノソミーのお子さんは、身体的にも精神的にもゆっくりと成長して行きます。
欠損の程度によって個人差は大きいですが、成長と共に日常生活の中の簡単な動作は出来るように会っていくでしょう。家庭内の役割分担なども出来るようになると言います。
4pモノソミー自体の生命予後は比較的良好です。
ただ、個々の合併症によってそれは異なり、成人するまで生存することができないこともあるということです。
(Photo by:pixabay )
著者: カラダノート編集部