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ヒルドイドが「乾燥症状を悪化させる」「界面活性剤の害がある」という説の真偽は?

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皮膚科でアトピーやその他の皮膚乾燥症状に処方してもらうことのできる保湿剤「ヒルドイド」は、非常に高い保湿性を持ち、その効果は数万円の高価な化粧品と同等、もしくはそれ以上であるとも言われています。

しかし、その一方で成分に含有される「界面活性剤」が反対に皮膚を乾燥状態にさせるのでは、という噂も耳にすることがあります。では、実際のところはどうなのでしょうか?

ヒルドイドとは?

一般的に「ヒルドイド」と呼ばれる薬には「ヒルドイドソフト軟膏」「ヒルドイドクリーム」「ヒルドイドローション」の3種類があります。適応疾患は、「表在性静脈炎・血栓症・瘢痕形成の改善」、又は「皮脂欠乏症」です。

ヘパリン類似物質の乾燥症状の改善

ヘパリン類似物質の皮脂欠乏症治療の作用機序は、持田製薬(ヘパリン類似物質スプレー)のインタビューフォームによりますと、「構成成分である酸性ムコ多糖類の強い水分吸着能による」また「蛋白分解酵素やヒアルロニダーゼの活性を抑制すると同時に局所の血行やリンパ流を亢進することによる」とされています。

ヒルドイドに含まれる界面活性剤が乾燥症状を悪化させる?

形成外科医の夏井睦医師のウェブサイトによりますと、「ヒルドイドに含まれる界面活性剤が肌を乾燥させる可能性がある」という見解が記載されています。しかしこれに対し、一般の薬剤師の方の個人サイトを参照させて頂いたところ、以下のような反論が記載されています。
■ヒルドイドに含まれる界面活性剤が、皮膚のバリア機能である皮脂を融解・除去し乾燥させる。
⇒反論:皮脂は融解するが、分解するわけではないため、水で流さなければ除去されないのではないか?
■「水分子と結合する能力が高く」ても「水分子を他の物質に与える能力」に繋がらないため、保湿力があるとは言えない
⇒反論:水分を与えなくても、水分が出て行かないようにすることは「保湿効果がある」といえるのではないか?
 ■界面活性剤が含有されているため、肌には良くない
⇒反論:「グリセリン脂肪酸エステル」とは、「(ジorモノ)アシルグリセロール:MG・DG」のことを指し、「トリアシルグリセロール:TG」のように生体内にある物質であるため危険とは言えない

水分蒸発を防ぐためには「ラメラ構造」を補うことが必要・・・エステル塗布で浸透する?

皮膚の最表面には「皮脂膜」があり、この下に皮膚の実質である「角質層」というバリア機能を持つ層があります。角質層は、「ブリック(レンガ)&モルタル構造」になっており、死細胞である「角質細胞(レンガ)」の周囲を「細胞間脂質(モルタル)」が取り囲むような形になっています。

さらにミクロで見てみると、モルタル部分は「ラメラ構造」と呼ばれる水-脂質-水-脂質-水…と規則正しく交互にサンドイッチ状の層となっています。水分蒸発を防ぐためには、このラメラ構造の脂質部分を補うことが重要になります。

アルコール+脂肪酸エステルがラメラ構造に浸透した可能性

関西学院大学大学院の研究によれば、皮膚表面にエステル(ミリスチン酸イソプロピル)を塗ることで、細胞間脂質に浸透したことが示唆されています。

また、ヒルドイドに用いられる「グリセリン脂肪酸エステル」は前述のように角質層にも含まれれるTGと同類の脂肪酸とアルコールのエステルであり、またMGやDGはTGよりも酸化に強く安定しているという研究報告もあります。

臨床試験では、薬剤中止後も一定の持続的な保湿効果が認められた

■老人性乾皮症類似症状のミニブタ皮膚へのヘパリン類似物質塗付で、保湿効果が3週間以上続いた(PMID: 10754460)

【試験内容】

ASR系無毛ミニブタ(うろこ状の荒れた皮膚を持つ)に対し、4種類の保湿クリームを3ヶ月間(1~3月)塗付した。使用した用量は、2×2cm2当たり0.01g。

【結果】

ヘパリン類似物質含有クリームは、最初の5日間行った治療の中止後でさえ3週間以上続いた乾燥豚の皮膚に非常に効果的な保湿効果を発揮した

■ヘパリン類似物質含有製剤は、アトピー性皮膚炎の「角質水分量増加」「中止後1週間の効果の持続」を示した(DOI10.14924/dermatol.117.969)

【試験内容】

健常人の人工乾燥皮膚と、アトピー性皮膚炎患者の乾燥皮膚に対し、3種類の保湿剤(ヘパリン類似物質含有製剤・尿素製剤・及びワセリン)の効果を比較した。腕屈側部に1日2回×3週間塗布し、その後1週間の観察期間を置いた(その間、いかなる保湿剤も塗布しなかった)。

【結果】

・全ての保湿剤において、塗布の期間中は「角層水分量」の有意な増加が認められた。
・なかでもヘパリン類似物質含有製剤群は、尿素製剤・ワセリン群に比べ、より高い角層水分量を示した。
・1週間の観察期間においても、その効果は持続した。
・「アトピーの皮膚所見・痒み」も、全ての保湿剤で有意な改善が見られた。
・しかし「経表皮水分喪失量」は健常人では有意に改善したものの、アトピー性皮膚炎患者では改善しなかった。
このように、ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質には角質の水分量増加効果と、中止後もその効果が一定期間持続することが明らかになりました。

また界面活性剤に関しては、イオン系のものと異なり生体内にも含まれる脂肪酸とアルコールのエステルであるため、皮膚に塗布して洗い流すなどを行わない限りはおそらく乾燥症状を引き起こさないのではないかと考えられそうです。
(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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