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無症候性細菌症のときに抗生剤を使ってはいけない理由とは?尿路感染の予防法と併せて

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健康診断の一環で尿検査を受けた際に、細菌の項目に(+)が見つかる場合があります。この場合、「膀胱炎の前兆で治療しなくてはいけないのではないか?」と心配される方も多いようです。

症状が何も出ていない場合(=無症候性細菌尿)、治療のガイドラインでは例外を除き(妊娠・尿路の外科手術以外)、抗生剤を使ってはいけないことになっています。

その理由は、抗生剤を使うことで耐性菌が生まれたり、一部の細菌が異常増殖することがあり逆に悪化してしまう可能性があるためです。

では、そのまま放置すべきかというとそうではなく、尿路感染・膀胱炎に進行させないための自分で出来るいくつかの対策があり、これらを行うことで感染リスクを減らすことが出来ると考えられています。

無症候性細菌尿とは?

無症候性細菌尿とは、「無症状であるにも関わらず、尿検査で正常時には現れない数の細菌が認められる状態」のことを言います。

無症候性細菌尿では、尿中の細菌を根絶することは困難である場合が多く、また合併症の発生もまれであることから、通常何の治療も行わないものとされています。

また、むやみに抗生物質の投与を行ってしまうと、体内の細菌のバランスを乱し、その結果一部の細菌が異常繁殖し、排除がさらに困難となる場合があるため、使用は行うべきではないとされています。

無症候性細菌尿は、高齢では約2~5割に見られる

無症候性細菌尿は、特に高齢の女性に多く、25~50%で見られ、高齢の男性では15~45%で見られると言われています。

特に女性は肛門と尿道口が位置的に近いため、細菌が尿道口に入り込みやすく、男性に比べて膀胱炎へ進行する確率が高いといわれています。

無症候性細菌尿でも、抗生剤を使うべきケースとは

抗生剤が必要になるのは「尿路感染症の発生が特に危険視されるような状態」とされています。

例)妊娠、腎移植、免疫抑制薬の使用、免疫機能を低下させる病態(エイズ・特定の癌・白血球数の低下など)など

無症候性尿路感染症へ抗生物質投与を行った臨床試験の結果は?

■無症候性尿路感染症で抗生物質を使った治療は、症状を悪化させたという臨床試験(Clinical Infectious Diseases誌)

【試験内容】

673名の再発性尿路感染症の女性のうち無症候性尿路感染症と診断された方に対し、一方には抗生物質をもう一方には無治療とした。その後1年間の経過観察を行った。また3年後尿路感染(※症状あり)が認められた場合にのみ、抗生物質による治療を行った。

【結果】

・1年間の経過観察では、症状ありの尿路感染症(=つまり悪化している)の発症頻度は、「抗生物質を使用したグループの方が多かった」。
・最初に無治療としたグループでは、3年間の経過観察で症状ありの尿路感染再発は37.5%に留まったが、「抗生物質を使用したグループでは再発は69.6%という高率であった」。
・またその原因菌は、抗生物質未使用群と比較して「耐性菌が有意に多いものになっていた」。
⇒抗生物質の使用を中止しても、少なくとも3年間は影響が持続し、耐性菌が増えるなど悪化していることが明らかになりました。

尿検査で異常があった場合、膀胱炎を予防するための対策9か条とは?

東邦大学医療センター大森病院・泌尿器科のウェブサイトによれば、膀胱炎を予防するためには以下の9項目を守ることが重要とされています。
■水分を多めに取って、排尿回数を増やす(菌を排出促進)
■尿を我慢しすぎず早めに排尿する(菌の増殖抑制)
■下痢や便秘に気をつける(大腸菌の移動・増殖抑制)
■性交渉後は陰部を清潔にする、排尿をする(菌の排出)
■排尿後、排便後は「前から後ろへ」拭くよう気をつける(菌の尿道侵入抑制)
■排尿後・排便後の温水便座の使用は控える(菌の尿道侵入抑制)
■疲労やストレスはためない(悪玉菌の増殖抑制)
■メタボリック、体重の増加に気をつける(悪玉菌の増殖抑制)
■下半身を冷やさない(膀胱炎の予防)
⇒エビデンスはないが「下半身の冷えが膀胱炎になったと訴える、年配の患者さんが多いため」と述べられています。

このように、症状がなく尿検査で細菌が見つかってもすぐ尿路感染・膀胱炎に繋がるというわけではありませんが、日々の習慣の改善が膀胱炎への進行を防ぐということが分かりました。

これらの9か条を出来る限り守って、細菌感染から体を防御していきましょう!
(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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