妊娠・出産
早産のひとつのライン「34週」って?34週よりも前と後ではどんな違いがあるの?
早産で生まれた赤ちゃんはリスクが多いです。
この早産(切迫早産)がドラマ「コウノドリ」で取り上げられていました。
障害の残る可能性のある赤ちゃんに対しての、両親の葛藤がドラマでは描かれていました。
早産って?
文字だけ見れば「早く産まれてくること」で大まかにはそれで正しいです。
厳密に言えば、赤ちゃんが生まれて来てもよい「正期産」が37週0日~41週6日です。
そしてこれよりも早い22週0日~36週6日の間の出産を「早産」と言います。
ちなみにこの早産よりも早い時期に生まれる、22週未満の出産は「流産」と言います。
この区別は、22週未満では赤ちゃんが死産になる確率が高いためです。
一方、早産であれば、障害のリスクはあれど、生きて生まれてくる確率が高くなります。
34週が1つの重要ライン
早産で障害が残るか残らないかで考えた時、重要なラインは「妊娠34週」です。
34週よりも前
週数によっては大切な臓器はほとんどでき上がっています。
けれど妊娠34週になる前に生まれて来てしまう赤ちゃんは、死亡率が高いと言われます。
もし生存できたとしても、重い後遺症を残してしまうことがあるのです。
34週は何のラインなの?
妊娠34週という時期は、「赤ちゃんの肺機能の完成」のラインです。
外に出てきたときに自分で呼吸ができるかどうかのラインということです。
もし34週よりも前に出てきたとしたら、人工呼吸をつけてNICUで管理することになるでしょう。
肺サーファクタントという物質
赤ちゃんが自分で呼吸できるようになるためには、「肺サーファクタント」という物質が必要です。
これは、肺にある無数の袋(肺胞)の表面張力を減少させるためのもので、これがあることでこの袋がつぶれずにいられます。
この肺サーファクタントが赤ちゃんの体の中で、十分な量できあがるのが34週目あたりなのです。
切迫早産と診断されたら…長い妊娠を目指す
ドラマの中でも言われていましたが、妊娠は結果です。
そのため動かしようのない結果はどうすることもできません。
けれど、切迫早産(早産しそうな状態)と診断されて、なんとなく過ごすよりはこうした知識を持って過ごした方がいくらか良いはずです。
神経質になりすぎず、34週をひとつの目安にして過ごせるとよいですね。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部