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弱いステロイドのような効果?「ジインドリルメタン(DIM)」とは

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抗炎症剤の中でも最も強力に炎症を抑えることのできるものといえば「ステロイド剤」が挙げられます。

 

ステロイド剤は効果の一方、長期使用によって重篤な副作用や副腎機能減退作用が生じるというデメリットがあり、継続的に使用することをためらってしまう部分があります。

 

ステロイドの作用 

ステロイド剤の作用機序は、他のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)とは異なります。

 

主に「NF-κB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)」という転写因子(細胞の核内にあるたんぱく質で、DNAにくっついて炎症に関わる物質を作り出す)を阻害することで効果を示すというものです。

 

近年ではこれと同様の機序を持ち、かつ副作用が少ない薬の開発が進んでいるといいます。

 

副作用が少なく、ステロイドと似た作用を持つ新薬とサプリメント 

聖マリアンナ医科大学の研究では、このNF-κBを阻害する作用を持ち、ステロイドと同様の効果を示しながらも、重篤な副作用を起こさない新規の抗炎症剤(MTI-Ⅱ)の研究開発が進んでいるようで、今後ステロイドに変わる薬剤になる可能性に期待がもたれています。

 

また、現時点で入手できるNF-κB関連の抗炎症物質に「DIM」というサプリメントがあり、医薬品とは確実に効果は劣ってしまうと考えられますが、いくらか痛みや炎症を抑える効果も報告されているようです。

 

「NF-κB」は、過剰な活性化でがん・自己免疫疾患の原因となる 

先に登場した「NF-κBは、(エヌ・エフ・カッパ・ビー)」とは、細胞の中にあるタンパク質のひとつで、核内で遺伝子DNAにくっついてサイトカインや免疫細胞を活性化させる特定のタンパク質をつくらせる(=転写因子)という働きがあります。

 

通常、NF-κBは正常な免疫を維持する上で重要なものですが、活性化しすぎることで「自己免疫疾患やがん」など多くの病気の原因になると言われています。

 

NF-κBを活性化させる刺激とは?

 

NF-κBが活性化するのは、細胞が刺激を受けた時であり、細胞の表面のレセプター(受け手)に、炎症を起こすフリーラジカル、タンパク質TNF-αや細菌の表面にある糖鎖LPSのような刺激物質が結合する場合に起こります。

 

シグナル伝達が伝わり、NF-κBが活性になることで、これが核内に入って炎症性物質を作り出すことに繋がります。

NF-κB活性による生じる悪影響 

・マクロファージ活性化(炎症の誘導、自己免疫疾患の誘発)

・がん細胞を活性化・抵抗性の獲得(アポトーシス阻害タンパク質や、炎症性サイトカインを分泌。また増殖促進因子:VEGF/IL-8/COX-2の産生増加で腫瘍血管新生を誘発)

・抗体産生B細胞の活性化(活性化分子の欠損で、免疫不全となり過活性は、自己免疫疾患やがんを誘導する)

 

抗炎症作用を持つ、ジインドリルメタン(DIM)とは? 

ジインドリルメタン(DIM)は、先のように炎症の原因となる「NF-κB」の抑制効果が認められている物質のひとつで、主に食品ではブロッコリーやケールなどアブラナ科植物に含まれています。

 

このサプリメントは、一部の医療機関でも抗がん剤の増強療法(NF-κBががん細胞を保護する役割を持つため)として使用されているところもあります。DIMの主な効果は以下と考えられています。

 

・転写因子のNF-κBの活性阻害によって抗がん剤感受性を高める

・がん細胞の増殖抑制とアポトーシス(細胞死)を引き起こす

・エストロゲンの代謝を促進する酵素を誘導(乳がん細胞の増殖を抑える)

・抗アンドロゲン作用(前立腺がん細胞の増殖を抑える)

・ダメージを受けたDNAを修復する酵素を誘導する

 

また、以下のようにいくつかの海外で行われたマウス実験では、DIM投与によって炎症性物質を抑制されたという報告があります。

 

DIMをマウスに投与した実験結果 

■DIM投与で、NASHの制御性T細胞が増強した(PMID: 25281898) 

【実験内容】

非アルコール性肝炎(NASH)マウスに、8週間にわたってDIMを投与した。

 

【結果】

DIM投与で、NASHマウスモデルのTreg(制御性T細胞)/Th17(炎症性サイトカイン)の不均衡状態を、Treg優位へと増強させた。

 

■DIM投与で、関節炎の炎症性サイトカインの減少が認められた(PMID: 19854159) 

【実験内容】

関節炎のラットモデルにDIMを投与した。

 

【結果】

・DIMの投与は、関節炎の発症予防を示すほどの効果は見られなかったが、いくつかの炎症性サイトカインを減少させた。

・RANKL(NF-κBの活性化に繋がる)の発現を阻害した。

 

■DIM投与で炎症誘発の炎症性物質抑制効果が認められた(PMID: 18156398) 

【実験内容】

リポ多糖(LPS:細菌細胞壁の成分)による炎症誘導を行ったマウスに対し、DIMを投与する。

【結果】

DIMは、マウスマクロファージにおける炎症性メディエーターの放出を阻害した(COX-2・ホスホリパーゼA2・NF-κB転写活性などの抑制を確認)

 

個人のレビューでは、痛みの緩和効果の報告も 

現時点では、DIMはヒト対象に行った臨床試験の報告はほとんどないようです。

しかし、iherbなどのサプリメント通販サイトの個人の方のレビューでは痛みの緩和効果が感じられたという記述がいくつか見られたことから、抗炎症効果が見られる可能性はあるようです。

 

しかし、アブラナ科に含まれる成分であってもサプリメントの状態で長期摂取した際の影響ははっきりしておらず、今後継続して調べていく必要はありそうです。 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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