カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 気になる病気・症状 >
  3. 全身 >
  4. 膠原病 >
  5. ヒトの便を移植し、腸内フローラを改善?新しい潰瘍性大腸炎の治療法とは

気になる病気・症状

ヒトの便を移植し、腸内フローラを改善?新しい潰瘍性大腸炎の治療法とは

bacteria.jpg

最近、テレビ番組「たけしの家庭の医学」や「ゲンキの時間」などで特集され話題となっている潰瘍性大腸炎の治療法として「糞便移植療法」があります。

 

糞便移植療法は、海外では標準的な治療法として確立している国もあるようで、国内においても現在、順天堂大学をはじめとした数校の大学で臨床試験が進められている状況です。

 

では、具体的な治療方法や、実際に治療を受けた方の改善状況とはどのようなものなのでしょうか?

 

潰瘍性大腸炎とは

厚生労働省から難病指定を受けている自己免疫疾患の一種で、重篤な腸粘膜炎症や下痢・発熱・腹痛・血便などの症状が現れるというものです。

 

現時点では根本的な治療法は見つかっておらず、対処療法としては免疫抑制剤・抗炎症剤の投与や外科的治療が中心となっています。

 

しかし近年、潰瘍性大腸炎患者の発生の機序として、腸内細菌叢が正常人より悪玉菌優勢となっており、免疫制御機構の破綻に繋がっていることが明らかにされています。

 

潰瘍性大腸炎の治療に新たな光 

最近の研究で、腸内へのヒト糞便移植療法を行うことで、他者の腸内フローラを移植し、腸内細菌叢そのものを変えてしまうことで寛解状態まで大きく改善されたという例がいくつも報告されています。

 

糞便移植療法(腸内細菌移植法)は患者負担が少なく、大きな効果が期待できる 

糞便移植療法とは健康な人の便から腸内細菌を抽出してそれを患者の腸へ移植する治療方法のことを言います。

順天堂大学医学部が国内で初めて糞便移植療法の臨床試験を始め、現在も継続して潰瘍性大腸炎のみを対象として試験を行っています。

 

具体的な治療の手順・ドナーの条件 

糞便移植療法は、ドナーの便を生理食塩水で溶かし、大腸内視鏡で大腸の一番奥に流し入れ、腸内細菌叢を定着させます。入院は必要なく、日帰りで行えるため、患者の負担も少ないとされています。

 

糞便移植のドナーとして便を提供できる人の条件 

・20歳以上

・配偶者又は二親等以内の家族

(※その他、健康状態などいくつかの制限があります。)

 

実際の症例では、どれほどの改善がある? 

前述のテレビ番組「ゲンキの時間」では、潰瘍性大腸炎を患っている22歳の神田さんという方が治療されて様子が取材されていました。移植後は以下のような改善が見られたとされています。

 

・腸の状態が発症前に近づいた。

・トイレの回数が激減した。

・仕事も普通に出来るようになった。

(※治療に関しては、投薬・生活改善も同時に実施)

 

糞便移植療法を実施している病院は? 

2016年1月時点では、糞便移植療法は以下の5病院で実施されているようです。

 

・順天堂大学医学部消化器内科

・慶応大学病院、

・千葉大学医学部附属病院

・滋賀医科大学医学部附属病院消化器内科

・藤田保健衛生大学病院

 

このように、糞便移植療法では「潰瘍性大腸炎」の症状の大きな改善が期待できることが分かりました。腸内フローラは、その他の免疫に関わる疾患や肥満症・精神疾患などにも関わっているといわれており、今後のさらなる進展が期待されています。 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

膠原病に関する記事

自己免疫疾患への『酪酸菌と高食物繊維の投与』が炎症抑制に繋がる可能性? 理研の研究より

近年、自己免疫疾患の発症機序の解明や症状の抑制方法に関する研究が進んでいます。...

「HDAC6阻害剤」によるうつ病治療は神経変性のリスクがある?~「酪酸」の安全性は

近年、抗がんや自己免疫の抑制に有望な薬の候補として「HDAC(=ヒストン脱ア...


脱力症状が続く時CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)を疑う

CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という病気をご存知でしょうか?この病気は...

強皮症ってどんな病気?

     強皮症は全身性硬化症とも言い、膠原病の一つです。その名の通り皮膚や...

カラダノートひろば

膠原病の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る