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中東呼吸器症候群(MERS)がタイで感染拡大の可能性!日本への影響は?

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今年(2016年)に入って、タイでコロナウイルスによる感染症「中東呼吸器症候群(MERS:マーズ)」に罹患した感染者(71歳男性)が1名確認されており、現地では感染拡大防止のため警戒状態が続いています。

 

MERSとは

MERSは、2012年中東(アラビア半島)において発生が確認された新種のコロナウィルスで、これまでに報告された感染者者は死亡者586人を含む1,626人とされています。

 

昨年の12月に最後の感染者とされる患者が亡くなったことから、世界保健機関(WHO)による感染終息の発表が行われましたが、今回新たに感染者が発見された形となります。

 

ただ、MERSは濃厚接触を除いて人から人への感染はなく、日本国内においては検疫体制が徹底されていることから、過度な心配は必要がないとされています。

コロナウイルスとは? 

コロナウイルスとは、1本鎖のRNAウイルス(直径80-220 nm)であり、コロナ(太陽の光環)のようにウイルス表面に花弁状の長い突起(エンベロープ)を持つことから、その名が付けられています。

 

コロナウイルスは大きく分けて3種類ありますが(「MERS(マーズ)」・「SARS(サーズ)・「その他鼻かぜ群」)、初期症状は呼吸器感染症状で、その後肺炎や重篤な急性呼吸器病を起こすことがあります。

 

MERSは新型コロナウイルス 

その中でもMERSは、新型コロナウイルスと呼ばれるように2012年に中東で初めて確認されたウイルスであり、容易に人に感染はしない(空気感染例はない)ものの、濃厚接触などを通して一度感染すると死亡率が40-50%前後と非常に高いという特徴があります(SARSの死亡率は9%前後)。

 

MERSの感染方法・潜伏期間 

感染源は主に動物(ヤマコウモリ・ラクダ)と考えられていますが、具体的な感染方法に関しては不明とされています。潜伏期間は2.5-14日間とされていますが、14日間の隔離期間の後に症状が現れるケースも報告されています。

 

MERSの治療法 

治療法は確立していないため、対症療法となります(肺炎への抗炎症薬、脱水(下痢)への補水、敗血症性ショックへの昇圧剤など)。

 

MERS感染者が確認された地域(国) 

中東地域(アラブ首長国連邦・イエメン・イラン・オマーン・カタール・クウェート・サウジアラビア・ヨルダン・レバノン)、ヨーロッパ(イタリア・英国・オーストリア・オランダ・ギリシャ・ドイツ・フランス・トルコ)、アフリカ(アルジェリア・エジプト・チュニジア)、アジア(フィリピン・マレーシア・韓国・中国・タイ)、北米大陸(アメリカ合衆国)

 

コロナウイルス感染症の分類(3種類)と比較 

■MERS(マーズ:中東呼吸器症候群)

【発生年】2012年~2014年

【発生地域】アラビア半島全域

【死亡者数/感染者数】81人/186人(2014年2月時点)

【感染者の年齢】全年齢

【症状】重症:高熱、肺炎、腎炎、下痢

【感染者の特徴】糖尿病や心臓病の罹患者、高齢者

【感染経路】飛沫感染や接触による

【伝播の特徴】濃厚接触で人から人へ感染

【潜伏期間】2-15日

【自然宿主】コウモリ、ヒトコブラクダ

【ヒト-ヒト感染の特徴】1人⇒数人(濃厚接触)

 

■SARS(サーズ:重症急性呼吸器症候群)

【発生年】2002~2003年

【発生地域】中国広東省

【死亡者数/感染者数】774人/8098人

【感染者の年齢】全年齢

【症状】重症:高熱、肺炎、腎炎、下痢

【感染者の特徴】糖尿病や心臓病の罹患者、高齢者

【感染経路】飛沫感染や接触による

【伝播の特徴】人から人へ感染

【潜伏期間】1-10日

【自然宿主】キクガシラコウモリ

【ヒト-ヒト感染の特徴】1人⇒十数人(不特定多数)

 

■229E、OC43、NL63、HKU1(鼻風邪)

【発生年】毎年

【発生地域】蔓延している

【死亡者数/感染者数】不明(数十億人)

【感染者の年齢】5歳以下

【症状】軽症:鼻かぜ、上気道炎

【感染者の特徴】通常は重症化しない

【感染経路】飛沫感染や接触による

【伝播の特徴】人から人へ感染

【潜伏期間】数日

【自然宿主】ヒト

【ヒト-ヒト感染の特徴】1人⇒多数(不明)

 

このように、MERSは「ヤマコウモリ」「ラクダ」が関わっていることは間違いないようですが、人から人への感染の有無ははっきりしていないため、感染を防ぐためには指定地域への渡航はできる限り避ける、または渡航の場合には以下のことに注意することが必要です。

 

MERSの感染予防対策 

■渡航前

・基礎疾患(糖尿病、肺疾患、免疫不全など)がある場合は、渡航の是非を医師に相談する。

・現地の感染状況をホームページで確認する(検疫所、外務省、在外日本国大使館など)

 

■渡航後

・こまめに手を洗う

・食べ物の衛生対策に気をつける(加熱が不十分な動物性食品を避ける、果物や野菜はよく洗ってから食べる)

・動物(ラクダを含む)との接触は可能な限り避ける

・咳、発熱症状がある場合は、他者との接触を最小限にする

 

今後発表される現地のMERS感染状況にも気をつけましょう。 

(参照ウェブサイト:CiNii

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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