妊娠・出産
お腹が大きくなって来たら、お腹・足の付け根に痛みが…その痛み、実は○○が痛いんです!
「妊娠中に靭帯(じんたい)を痛める」と聞くと、「体重が増えすぎて足に負担が?」と想像しますよね。膝や肘にある印象が強い靭帯。しかし妊娠中の場合、体の他の部分にある靭帯を痛めることがあります。
今回は、お腹・足の付け根に痛みに影響する円靭帯についてご紹介します。
円靭帯ってなに?
靭帯は体の様々な場所にあります。膝や肘はもちろんですが、子宮もこの靭帯と深く関わりがあるのです。
子宮は、骨盤の中に入っており、靭帯によって支えられています。その中でも円靭帯というのは、これらの靭帯のうちのひとつ。左右に1本ずつあり、子宮を守っているのです。
妊娠中に痛みを感じやすい円靭帯
この円靭帯は、卵管の付け根当たりの筋肉から足の付け根部分にかけて繋がっており、最終的には骨盤の前の方にある恥骨をつないでいます。
妊娠中期にもなればお腹はだいぶ大きなり、子宮が大きくなる分だけ、子宮を支えている円靭帯の負担増していきます。
お腹が大きくなると痛みを感じやすくなる
特に妊娠15週目~25週目くらいは、急に子宮が大きくなっていきます。そのためこの時期に、円靭帯がその変化についていけずに痛みが生じることがあるのです。これが「円靭帯痛」の正体。
この痛みは円陣痛?それとも切迫流産⁉
妊娠中期以降の腹痛は、切迫流産・早産になるのでは…と、不安な想像がよぎることもあると思います。
円靭帯痛ってどんな痛み?
一般的にこの円靭帯痛の痛みの特徴は、
・下腹部痛
・恥骨(骨盤前)の痛み
・子宮の前の痛み
・足の付け根のつっぱる感じの痛み
・体を動かしたときの下腹部の張りや痛み
などが挙げられます。
これらの症状があった中で、切迫流産や切迫早産の可能性が除外できれば、円靭帯痛と診断されます。
円靭帯痛は、陣痛のように規則的に起こる痛みではありませんので、比較的判別がしやすいと言われています。
確定診断をするには内診や超音波検査で、子宮頚部の長さや、子宮口の開き具合を確認する必要があるため、医師の診断が必要です。
円靭帯痛かな?と思ったら、まず病院へ
円靭帯痛のことを知っておけば、妊娠中期に感じる下腹部の痛みに対して、気持ちを楽に構えることができますよね。
ただ、もちろん素人判断は危険です。「円靭帯痛かな?」と思った場合ても、流産や早産の可能性は排除できません。念のために病院を受診し、医師の判断を受けるようにしましょう。
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著者: カラダノート編集部