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妊娠初期に吐き気止め「ナウゼリン」を使用することの安全性は?過去の症例について

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吐き気止めの薬(制吐薬)である「ナウゼリン」は、他の薬と比べほとんど脳に移行せず、消化管のみに作用するため安全性が高く、日常的に使用される割合が多い薬です。

 

しかし、妊娠中に関しては例外であり、添付文書によれば「妊娠中の使用は催奇形性があるため禁忌」とされているため、基本的にはメトクロプラミド(エリーテン・プリンペラン)」を使用することが比較的安全性が高い(デンマークの大規模調査で催奇形性は認められないとされている)と考えられています。

 

ただ、妊娠に気付かず服用していたという例もあり、そのまま妊娠を継続すべきであるのか、悩まれている方も多くおられるようです。

 

近年、民医連によってまとめられた報告書によれば、妊娠初期に数日間ナウゼリンを服用していた症例を元に考えると、催奇形性の出る可能性は低いと述べられています。

 

ナウゼリンとは? 

ナウゼリンとは、吐き気や消化管機能の改善に効果がある薬で、その作用機序は消化管においてドーパミンのD2受容体を拮抗することによります。

 

この作用機序は、統合失調症の治療薬である抗精神病薬と同様であり、副作用についても同様に「乳汁の分泌(高プロラクチン血症)」「無意識的な体の動作(遅発性ジスキネジア)」が生じる可能性があります。

ナウゼリンは脳に移行しないため日常的な使用で安全性が高い 

ドーパミンD2受容体は、主に「脳の延髄」と「上部消化管」に存在していますが、ナウゼリンは脳の血液脳関門を通過しにくく、ほとんど移行せず消化管にのみ作用すると考えられています。そのため他の吐き気止め(メトクロプラミド:脳に移行する)に比べ、副作用が起こりにくいという面において安全性が高いと考えられています。

 

 

妊娠初期のナウゼリン使用に関する症例 

ナウゼリンは、動物実験(ラット)で骨格・内臓異常などの催奇形作用の報告があるため禁忌となっていますが、民医連のまとめによるとメーカー報告で妊婦に投与された13件(投与量:15~60mg/日、投与時期や期間は様々)はすべて健常児だったとされています。

 

また、その他にも文献「実践妊娠と薬」から引用された症例では妊娠初期にナウゼリンを使用した29/30例において催奇形性が認められなかったとされています(1例の因果関係は明らかでない)。

 

妊娠初期のナウゼリン使用の催奇形性に関する報告(文献:実践妊娠と薬/2007年10月版より)

・妊娠中の服用による催奇形(両裂手生と両脛骨列形成不全症を合併)を示唆した報告が1例ある。(母親は最終月経から49日目より5日間本剤を服用)

 

・また、前述の症例と同じ妊娠時期にナウゼリンを服用した5例が奇形などのない健常児であった。

 

・奇形発生の危険度の高い時期にナウゼリンを服用した24例はいずれも奇形などのない健常児であった。

 

・妊婦への使用について催奇形性を疑わせる疫学調査も、因果関係を否定する疫学調査も報告されていない。

 

 

民医連は、これらのことから「奇形発生の頻度や危険性が明らかに上昇するとは考えられない」「妊娠に気付かずにナウゼリンを服用しても胎児に悪影響の出る可能性は低い」と述べています。

 

また、尼崎医療生協病院によれば薬を何も服用しない場合でも3%の先天性疾患の発生率があり、ナウゼリンを服用したことで確率が大きく変化するとは考えられない、としており、現時点では数日間の使用においては過度に不安に感じる必要はないと言えそうです。

 

(参照ウェブサイト:千葉民医連たまごママネット

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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