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アレルギーの新しい治療法「経口免疫療法」、アレルゲンは避けずに継続摂取?!

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近年のイギリスの研究で、「1歳までにピーナツ製品を摂取した場合、小児のアレルギー発症率が80%低減する可能性がある」という報告が行われました。

 

従来の食物アレルギーの治療法と言えば、できる限りアレルゲンを摂取しないという方針でしたが、最近導入され始めている治療法に「経口免疫療法」という、積極的に少量のアレルゲンを摂取することで免疫寛容を成立させる治療法があります。

 

生後1歳までにアレルゲン摂取がカギ?

2015年に発表された、経口免疫療法に関するイギリスのキングスカレッジの研究(下記に記載)を受け、米国小児科学会を含む10の専門家グループが「ピーナツアレルギーのリスクが高い小児には、1歳になる前にピーナツを含む食物を与えるべきである」という合意声明を発表しています(Pediatricsオンライン版)。

 

先の臨床試験の責任者であるLack氏は、「ピーナツ製品の早期導入は安全で、忍容性も良好と思われる。ピーナツアレルギーのリスクがある小児には生後4カ月時点で皮膚テストを行い、問題がなければ、5歳までピーナツ製品を定期的に与えるべきだ」と述べています。

 

臨床試験の詳細 

■生後1年以内の乳児へのピーナッツ投与で、アレルギー罹患率が低減した

(英キングス・カレッジ・ロンドン小児アレルギー部門Gideon Lack氏ら/New England Journal of Medicine2015年2月26日号)

 

【対象】

ピーナツアレルギーの発症リスクが高い生後4~11カ月の乳児640人

 

【試験内容】

被験者を2グループに分け

1)週3回以上ピーナツ6g以上含有食品の摂取群、2)5歳までピーナツ製品を避ける群)

それぞれのアレルギー発症リスクを比較した。

 

【結果】

・ピーナツに耐性のなかった小児の一部にも免疫ができた。

・5歳時のピーナツアレルギーの有病率は、

1)ピーナツ製品摂取群で3%強、2)非摂取群では17%を上回っていた。

・結果として、ピーナツアレルギーが80%以上減少したことが示唆された。

 

経口免疫療法の実際について 

ここでは、経口免疫療法の詳細について見ていたいと思います。

 

経口免疫療法とは? 

従来は食物経口負荷試験で陽性と診断された場合、その原因となっているアレルゲンを除去し続けることでアレルギー症状を防止するという方法が主流でした。

 

しかし近年、ごく少量のアレルゲン(量が多くなると症状を誘発しやすい)を連日経口投与することで、アレルギー症状が徐々に緩和し最終的に寛解状態になるという治療法(経口免疫療法)が国内の様々な病院で行われるようになってきています。

 

経口免疫療法の手順について 

1)増量期

医師から指示された少量のアレルゲンを自宅にて毎日摂取します。誘発された症状の程度に応じて徐々に摂取量を増やしていき、目標量を目指します。

 

2)維持期

目標量を継続して摂取し続け、一定期間問題なく継続できれば、負荷試験(確認試験)を行います。

 

3)確認試験

2週間の完全除去の後に、再度病院で負荷試験を実施し、症状が出ないか確認します。クリアできればその後、自宅・学校・外食などの制限解除の範囲を広げていきます。

 

また、負荷試験で症状が出た場合は、維持期に戻り、その後症状が安定したのち摂取間隔を徐々にあけていきます。

 

症状が出たときのための常備薬を準備しておくことが重要 

1)増量期~2)維持期の間は、アレルギー症状が誘発される可能性があるので、常備薬(内服薬・吸入薬・エピペンなど)を事前に準備しておくことが重要です。

 

このように、経口免疫療法を行うことで、アレルギー症状が寛解される可能性があることが明らかになりました。

 

ただ、食物アレルギーは腸管バリアが成熟する3歳頃までに耐性を獲得する場合が多いともいわれており、治療を受けるべきかどうかについては、事前の検査結果も含めた医師との話し合いが重要となりそうです。 

(参照ウェブサイト:CareNet

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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