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介護・認知症

胃薬「セルベックス」がアルツハイマー病の治療薬となりうる可能性?アミロイドβ分解酵素を発現

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アルツハイマー病の発症原因のひとつとして、「アミロイドβ」という蛋白質が関与していることが知られています。

 

アミロイドβ蛋白は、脳内に蓄積して神経変性を起こし認知機能を低下させる作用があり、治療のためにはこの物質の産生低下、もしくは分解酵素の増加が必要と考えられていました。

 

近年の研究で、ストレスや熱刺激を受けた際に産生される「熱ショック蛋白(HSP70)」に神経保護効果があることが明らかにされていましたが、さらに新たな研究では、胃薬として用いられている「セルベックス」にアミロイドβの発現低下作用があることが報告されています。

 

熱ショックタンパクとセルベックスの効果 

熱ショックタンパク(HSP70)とは、細胞に備わる防御・再生機構で、体温上昇により発現増加することが分かっています。

HSP70の働きは、主にストレスによる障害から細胞を防護・修復し、タンパク質の凝集を抑制して高次構造を保ち(リフォールディング:再折りたたみ)、さらにアポトーシスから細胞を保護して生存率を向上させる働きなどがあることが知られています。

 

近年の研究ではHSP70と中枢神経疾患についても研究が進んでおり、アミロイドβ分解酵素の発現増加やサイトカインTGF-β1を産生促進し、それによるミクログリアとアストロサイトの活性化・アミロイドβ会食能を促進させることが明らかになっています。

 

■熱ショックタンパクによる神経細胞への影響

・アミロイドβ分解酵素の発現増加

・サイトカインTGF-βの産生促進

・神経細胞のアミロイドβ会食能の促進

 

また、胃粘膜障害の治療薬であるセルベックス(主成分:ゲラニルゲラニルアセトン(GGA))に関しては、HSP誘導効果を持つことが報告されており、その作用機序は以下と考えられています。

 

・GGAがHsp70のC末端に結合し、シャペロン活性を不活性化させ、その結果熱ショック転写因子の活性化がHsp70を誘導する。

 

セルベックスを認知症モデルマウスに投与した実験結果

■マウスへのセルベックス投与で、アミロイドβ沈着が減少したという実験

(J-GLOBAL ID:201302297736649770) 

【実験内容】

熱ショックタンパク誘導剤であるセルベックス(ゲラニルゲラニルアセトン:GGA)を認知症モデルマウス(APP23)に長期投与し、アルツハイマー病進行に対する効果を検討した。

【結果】

・GGA投与により、脳内のアミロイドβ量、アミロイド班が減少した。

・GGA投与により、変異型APP過剰発現による神経細胞やシナプスの減少も抑制された。

・GGA投与により、アミロイドβ代謝酵素やTGF-β1の発現を亢進した。

・一方でGGAを投与した後、アミロイドβを脳内投与すると、熱ショックタンパク(HSP70)の発現が亢進した。

 

⇒これらの結果は、GGAが熱ショックタンパク誘導を介して、アミロイドβ凝集を抑制、代謝亢進することによる認知機能改善効果が示唆された。

 

このように、マウス実験の段階ではあるようですが、セルベックス投与から熱ショックタンパクを誘導し、アルツハイマー病を抑制するという試みが行われているようです。

 

ただ他の海外研究によれば、多発性硬化症やギランバレー症候群、CIDPなどの末梢神経障害は熱ショックタンパクが抗原性を増強するという報告があり、セルベックス服用によって症状が悪化する可能性があるため、注意したいところです。 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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