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妊娠・出産

妊娠中のSSRI薬「パキシル」服用は、2.5倍胎児の先天性欠損症を高める?

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比較的新しい抗うつ剤であるSSRIは、従来の三環系や四環系抗うつ剤に比べ、副作用が少なく安全性が高いと考えられています。

 

ただ、妊娠中の服用に関しては、胎児への催奇形性リスクが高まるなど、注意が必要とされています。

 

近年、海外で行われた調査で、SSRIの中でもパキシルやプロザックは催奇形性が有意に認められ、他のSSRIとは相関が認められなかったと報告されています。

 

妊娠中のパキシル服用のリスク評価 

妊娠中の薬物の服用が、胎児にどれほど危険を及ぼす可能性があるかという判断基準のひとつに、FDAによる「薬剤胎児危険度分類基準」というものがあります。

 

この基準では、5段階のリスク評価が定められており、パキシルはこの中でも「D:危険性を示す確かな証拠がある(やむを得ない場合は使用も認められるが、極力使用すべきではない)」に指定されています。

 

ただ、今回ウェブサイトを参照させて頂いたクリニックによれば、「この基準はあくまで目安であり、各薬により信頼性のばらつきは大きい」と述べられています。

 

■FDAによる薬剤胎児危険度分類基準

 

・A:ヒト対照試験で、危険性がみいだされない

・B:人での危険性の証拠はない

・C:危険性を否定することができない

・D:危険性を示す確かな証拠がある

・×:妊娠中は禁忌

 

また、パキシルを除いた他のSSRI(ルボックス/デプロメール、ジェイゾロフト、レクサプロ)やSNRI(サインバルタ、トレドミン)、NaSSA(リフレックス/レメロン)では、評価は「C」となっています。 

 

パキシル服用による胎児への影響 

■妊娠中のパキシル・プロザックの服用が先天性欠損症のリスクを増加させるとする調査結果

(PMID: 26156519)

 

【対象】

米国の10施設における先天性欠損のない乳幼児の母親約9800人と母親約18000人

 

【調査内容】

12年間(1997-2009年)の期間において、妊娠中の抗うつ剤5剤(セレクサ/レクサプロ/プロザック/パキシル/ジェイゾロフト)の使用と乳幼児の先天性欠損の関連性を検討した。

 

【結果】

・パキシル服用によって、先天性欠損症リスクは有意に増加していた(無脳症:2.5倍、心房中核欠損:1.8倍、右室流出路狭窄:2.4倍、腸壁破裂:2.5倍、臍帯ヘルニア3.5倍)

 

・プロザック服用によって、先天性欠損症リスクは有意に増加していた(右室流出路狭窄:2.0倍、頭蓋骨癒合:1.9倍)

 

・2剤以外の抗うつ剤と胎児奇形との間には、明確な相関は認められなかった。

 

妊娠中は抗うつ剤の服用をどうするべきか? 

また、同ウェブサイトによりますと、妊娠前に抗うつ剤を使用している場合、以下のように変更することが推奨されています。

 

・妊娠を予定、または妊娠が明らかになったとき

パキシルはできる限り中止する方向に考える。

 

・服用量が多い場合

精神状態に支障をきたさない範囲内で、最小限の量に減薬する。

 

・抗うつ剤を使いたくない場合

主治医と相談することが重要。精神を落ち着かせる漢方薬などが使われることもある。

 

このように、SSRI薬の中では妊娠中に服用しても比較的安全と考えられるものは(日本で発売されているものでは)「レクサプロ、ジェイゾロフト」であることが明らかになりました。

 

ただ、SSRIの催奇形性に関する記事を参照させて頂いた内科医の先生の見解によりますと、「これまでの解析法と異なっているため、現時点で安全と決めるのは早計である」と述べられています。

 

妊娠を予定している、判明したときには、主治医の先生とよく話し合われることが重要になるようです。 

(参照ウェブサイト:六号通り診療所所長のブログせせらぎメンタルクリニック

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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