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低用量ピルの妊娠中・長期使用は、「先天性胎児異常」「乳がんリスク」に影響する?

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低用量ピルは、現在では避妊に対してだけでなく、他の様々な女性ホルモンに関わる疾患(月経不順、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜症など)の治療に利用されています。

 

ただ、ピルにはエストロゲンを増加させる作用があるため、それによる発がん性が危惧されています。

 

近年の大規模調査によれば、15年以上の長期使用では、乳がんのリスクが約1.5倍になることが報告されています。

 

一方で、低用量ピル服用による胎児への催奇形性は影響がないという結果も報告されています。

低用量ピルとは? 

低用量ピルとは、1999年に日本で認可されたホルモン量(エストロゲン・プロゲステロン)が半分以下にまで軽減された低用量のピルのことを言います。

 

従来は、中・高容量ピルが一般的に用いられていましたが、低用量化されることで副作用は大きく軽減され、効果はある程度維持される(避妊に対してほぼ100%に近い効果を示す、月経困難症、月経過多、月経不順などに対しても有効)ことが可能となりました(ただ、不正出血や、生理が少量になる、飲み忘れによって妊娠率が増加するなどの副作用はある)。

 

■ピル1錠中に含まれるエストロゲン量 

・高用量:>50μg

・中用量:=50μg

・低用量:<50μg

・超低用量:<30μg

 

低用量ピル服用によって引き起こされる体の変化 

低用量ピルを服用すると、含有された女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の血中濃度が上昇して、すでにホルモンが十分量にあるものだと認識します。それにより、脳のホルモン分泌指令を司る視床下部に抑制がかかるなどの変化が生じます。

 

1)排卵が抑制される

視床下部から下垂体に向けてLH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)分泌を抑制する指令が出されます。これにより排卵が抑制されます。

 

2)頚管粘液の状態が変化する

子宮の入り口にある頚管粘液(感染防御などの役割を持つ)が少なくなり、また粘着性になることで精子の子宮内への侵入を防ぎます。

 

3)子宮と卵管の運動性が変化する

子宮と卵管の運動性が変化し、卵子と精子の輸送に影響がでてきて受精しにくくなります。

 

4)受精卵着床の抑制

子宮内膜が薄くなる、また子宮内膜でのエネルギー産生が低下することで、着床しにくく受精卵が生存しにくい状態になります。

 

ピルの使用と、「胎児への影響」「発がんリスク」に関する調査結果

■妊娠中のピルの服用は、先天性の胎児の異常に繋がらなかったとする調査結果

(PMID: 26738512)

 

【対象】

デンマークに在住の88万694人

 

【調査内容】

14年間(1997-2011年)の調査期間において、妊娠中および妊娠前の3ヶ月から経口避妊薬を服用している人を対象に、胎児の異常との関連性を検証した。

 

【結果】

妊娠中および妊娠前3ヶ月のピルの使用と、先天的な胎児の異常に有意な関連性は認められなかった。

 

また低用量ピルに関する発がんリスクの調査結果も報告があります。

 

■15年以上のピル使用は、乳がんリスクを1.5倍に高める可能性があるという調査結果

(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev誌/2014年3月)

 

【対象】

米国在住の侵潤性乳癌患者985名(20-44歳)とコントロール882名

 

【調査内容】

6年間(2004-2010年)の調査期間において、半年以上の経口避妊薬(ピル)を使用した患者と非使用者の乳がん発症の関連を比較した。

 

【結果】

・15年以上のピルの使用は、非服用者より1.5倍有意に乳癌リスクが増加していた。

・がんリスクが高い患者(がん診断後1年以内に5年以上のピル使用歴がある)においては、リスクは1.6倍に増加していた。

 

このように、妊娠中のピルの使用で胎児に先天性の異常が生じる可能性はおそらくないものと考えられているようですが、一方で長期間のピル使用は避けるべきであるという結果になったようです。様々な用途があり非常に便利なピルですが、使用方法には十分注意したいですね。

(参照ウェブサイト:六号通り診療所所長のブログ

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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