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肩拘縮で手が上がらないのは「五十肩」だけじゃない?「石灰沈着腱板炎」「腱板断絶」についても

active-84646_640.jpg中年期に起こる肩の可動域が狭まって挙上できない症状をまとめて「五十肩」と呼ばれますが、その他にも石灰が関節にたまる「石灰沈着性腱板炎」や、腱板が切れてしまう「腱板断絶」などもあります。以下では、それぞれの痛みの特徴や原因、治療方法などについてまとめてみました。

 

五十肩(肩関節拘縮、または肩関節周囲炎)

特に誘因がないケースで発症することが多い肩関節拘縮(固まる、可動域が狭まる)の疾患です。

関節包(かんせつほう)という肩関節の潤滑油が入った袋のようなものに炎症が起こり、分厚く固くなることで発症します。

 

■発症しやすい人の特徴

人口の約2%に発症し、好発年齢は40~60歳代。男性より女性に多く認められる。

 

■原因

特に誘因が認められないことが多く、中には軽度の外傷が繰り返されることがきっかけとなり発症することがある。

また、糖尿病や甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、パーキンソン病、心臓病、怪我が発症リスクとなりうる。怪我の場合、数週間リハビリを行わず放置することで肩関節拘縮へと進展する。

 

■痛みの特徴

徐々に肩の動く範囲が狭くなっていき、反対側の手で、痛みのある側の腕を持ち上げようとしても上がらないのが特徴。

腕を上げる途中にほとんど痛みがなく、限界まで上げると激痛が起こる。安静時にはじんわりとした痛みがある。

 

■痛みの段階

発症から約2週間の急性期があり、その後約6ヵ月間の慢性期を経て回復期に至ることが多い。

 

■治療方法

患者の約90%において数ヶ月~1年の保存療法で軽快することが多い。

 

・筋肉をほぐす

電気を当て、温熱療法(ホットパックを当てる)を行う。

 

・抗炎症剤を使用

ステロイド注射などで炎症を鎮める(持続は3日間程度)ことで、リハビリがしやすくなり、動きも改善される。

 

・ストレッチを行う

ストレッチや関節可動域を拡大するリハビリを行う。

 

■避けるべき治療法

安静にし過ぎること(放置しておくと、肩関節の拘縮を残してしまう「凍結」が起こる可能性があるので、無理のない範囲でストレッチが必要)。

 

石灰沈着性腱板炎

肩関節にある腱板に「石灰(ヒドロキシアパタイト)」が沈着し、その後石灰が溶け出すことによって、免疫細胞が炎症反応を起こし痛みが生じるといわれています。

また、腱板から石灰が滑液包内に破れ出る時に激痛が起こるという見解もあります。

 

■痛みの特徴

痛くなるまでに予兆が全くない状態で、ある日突然肩を動かしていないとき(就寝時など)に激烈な痛みが起こる。

 

■患者の割合・特徴など

国内では肩の痛みを持つ患者の6~8%に石灰沈着が見られるという報告がある。好発年齢は40~50代女性が多い。生活習慣や運動歴などが誘因になるという報告はない。

 

■持続期間

急性型:1~4週間

慢性型:数ヶ月以上

 

■治療方法

ほとんどの場合、保存療法で軽快するものの、慢性型で石灰沈着が石膏状に固くなり痛みが再発した場合、手術が必要になることもある。

 

・軽度の場合:抗炎症剤や胃薬(H2ブロッカー:カルシウムの代謝をよくする効果がある)が有効

・中等度の場合:針によって石灰を吸引する、ステロイド剤やヒアルロン酸、局所麻酔薬の使用など

・重度の場合:手術(内視鏡による)によって石灰を取り除く

 

■避けるべき治療

痛みのある部分を揉む、痛みを我慢したままの無理な運動を行う。

 

肩腱板断裂

腱板という組織が、酷使や打撲など(仕事で重いものを持つ/スポーツによる反復動作/転落/肩骨の棘(とげ)が大きいなど)によって徐々に断裂にいたるという疾患です。断裂が小さければ痛みはあっても肩の運動はできるとされていますが、断裂が大きくなると疼痛が強くなり運動が困難になります。

 

■痛みの特徴

反対の手で、痛みのある腕をゆっくり上げると、腕が上がる(五十肩では上がらない)

 

■発症しやすい人の特徴

40歳以上の男性に多く、発症年齢のピークは60代。利き腕に好発しやすい。高齢者では40%の割合で断裂が起こっているという報告がある。

 

■持続期間

急性の強い痛みは2~3週間続いた後、徐々が落ち着く。慢性の痛みは治療を行わなければ持続する場合が多い。

 

■検査

腱板はエックス線写真には写らないため、MRI検査で確認する。

 

■治療

腱板が完全に切れていない場合はほとんど(70%程度)が保存的治療でよくなる場合が多い。

保存的治療法(痛み止めや注射、理学療法)を数ヶ月行い、疼痛や肩の機能の回復が不十分である場合や症状が6ヶ月以上継続している場合などに手術的治療法(内視鏡による縫合)を行う。

 

■避けるべき治療

無理な運動を行うと、断裂が悪化する場合がある。

 

このように、肩の痛みには様々な類似疾患があり、似ているようでも運動の方法を誤ると悪化の可能性があることが分かりました。

五十肩と診断されて保存療法を行っていても長期間治らないという場合、再度検査を受け直してみる必要はあるかもしれません。

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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