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ビタミンD3製剤服用による血管石灰化は「マグネシウム」「ビタミンK」によって軽減できる?

medication-233109_640.jpg近年、ビタミンD3の機能には骨代謝だけでなく、抗がんや免疫調整、血圧低下、肥満予防など様々な作用があることから非常に注目が高まっています。

 

ただ、高用量のビタミンD3服用では、血管の石灰化が起こることからその対策が必要と考えられていました。

海外の研究によれば、マグネシウムやビタミンKの服用で石灰化がある程度抑制される可能性が示されています。

 

ビタミンD3はなぜ血管の石灰化を促進する?

ビタミンDの作用には、「腸管からのカルシウム・リン吸収を促進する」「血中カルシウム濃度を増加させる副甲状腺ホルモン(PTH) を抑制する」「骨回転を抑制する」という働きがあります。

 

そのため、体内に入ってきたカルシウムが軟部組織に沈着し石灰化するといわれています。

 

一般的なビタミンD3服用量について

平成25年の国民健康・栄養調査では、ビタミンD3(未活性型)平均摂取量は男性で平均8.1μg、女性で平均6.9μgで、通常の生活(食事・日光浴)によって基準は満たされているとしています。

ただ、海外では現状の摂取目安量では不十分としてガイドラインが改正される動きも見られます。

 

■国内の一日摂取目安量

・成人の摂取目安量:5.5μg (200 IU)

(※上限値:100μg (4,000 IU)、下限値:1.5μg (60 IU) )

 

■アメリカの一日摂取目安量

・50歳未満:5.0μg (200 IU)

・50~70歳:10μg (400 IU)

・70歳以上:15μg (600 IU)

 

■カナダの一日摂取目安量

・50歳以下の骨代謝に異常のない人:10-25μg (400~1000IU)

・50歳以上:20μg (800~2000 IU)

・骨粗しょう症を罹患している人:下限20μg (800IU)

 

ビタミンD3はどれだけの摂取量でリスクが生じる?

春日井市民病院ほか2施設が2009年に行った鼎談(※)によれば、以下が血管石灰化のリスク因子になると述べられています。

 

・PTH(副甲状腺ホルモン)高低の有無に関わらず、高カルシウム、高リンの状態に晒されることが血管石灰化に影響する。

・通常量のビタミンD3静注(週に1~15μg)では死亡率が30%低下するが、それ以上ではベネフィットが小さくなる。

・二次性副甲状腺機能亢進症が悪化している場合に、高用量のビタミンD3が使用される場合があり、リスクとなりやすい。

 

「マグネシウム」と「ビタミンK」が血管石灰化を軽減させる可能性

■マグネシウムによって血管石灰化が減少したという臨床試験

(PMID: 26487689)

【実験内容】

アデニン誘発性の慢性腎臓病(CKD)ラットに対し、カルシトリオールの中程度の用量(80μgの/ kg)単独とマグネシウムを併用投与した場合の影響を調べた。

 

【結果】

・カルシトリオール単独では、わずかに副甲状腺ホルモンを抑制した。

・またVCの有病率を増加させた。

・マグネシウムとの併用では、石灰化の重症度は腹部大動脈(51%)、腸骨(44%)、頸動脈(46%)に減少した。

・血管カルシウム含有量の減少は、血管マグネシウム20〜50%の増加と関連していた。

 

■ビタミンDとビタミンKの併用は、ビタミンD単剤より、頚動脈の肥厚化が低下したという試験結果

(PMID: 26176325)

【試験内容】

42人の非透析CKD患者を3群に分け(90μgのメナキノン単独摂取群/90μgのメナキノン+コレカシフェロール10μg併用摂取群/コレカシフェロール10μg単独摂取群)、血管リスクとの関連を調べた。

 

【結果】

・総頸動脈内膜中膜の厚さは、ビタミンD単剤群に比べ併用群では有意に低下していた(併用群:約0.95→1.01mm/単剤群:約1.02→1.16mm)

・冠動脈石灰化スコアは、D単剤群よりも併用群の方がわずかに低下していた( 併用群:58.1±106.5 AU/単剤群:74.4 ±127.1AU)

・併用群では、dp-ucMGPとオステオカルシンのスコアが有意に低下していた。

 

⇒研究者によれば「CKDステージ3-5の患者における1270日間のビタミンK2投与は、アテローム性動脈硬化症の進行を減少させることができるが、大幅な石灰化進行抑制には影響しない。

ただ、石灰化プロモーターとインヒビターレベルを有意に変化させる」と述べられている。

 

このように、マグネシウムとビタミンK2はある程度血管の石灰化を抑制することが示されました。

ただ、マグネシウムには筋弛緩作用、ビタミンK2には抗凝固薬の阻害作用があるため、処方薬との兼ね合いや体調によって調整することが重要であるようです。

(※参照ウェブサイト:j-david 鼎談

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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