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伝統医学で用いられる「ボスウェリア酸」、抗炎症剤に匹敵する効果があるという実験結果

aromasozai_96.jpg近年、PubMedなどの海外文献サイトにおいて、高い注目が集まっている抗炎症剤に「ボスウェリア酸(またはボスウェル酸)」という物質があります。

 

ボスウェリア酸はステロイドに類似した化学構造を持つテルペン類の一種で、古くはインドの伝統医学において乳香(樹脂)の形で用いられてきました。

いくつかの動物実験によれば「抗炎症剤と同等の効果」「自己免疫疾患の原因となるTh1、Th17を抑制する効果」などが報告されており、ヒトへの効果についても期待が持たれています。

ボスウェリア酸とは?

ボスウェリア酸は、「ボスウェリアセラータ(別名:フランキンセンス)」というインド原生の植物(乾燥した高地に自生するカンラン科の落葉高木)から抽出される主成分です。

 

ボスウェリアセラータは、元来インドの伝統医学アーユルヴェーダにおいて炎症性関節炎の治療などに使用されてきた伝統的な乳香(五環トリテルペンを含む)であり、また現在でも海外の研究で「抗がん、抗炎症、創傷治癒」などの高い効果が確認されています。

■ボスウェリアセラータに含まれる油類の主な成分(PMID: 27117114)

モノテルペン(13%)、ジテルペン(40%)、酢酸エチル(21.4%)、オクチルアセテート(13.4%)、メチルアニソール(7.6%)

 

■テルペン類の種類

11-ケト-SS-アセチル-β-ボスウェリア酸、アセチル-11-ケトSS- ボスウェル酸、アセチルα- ボスウェル酸など

 

ボスウェリア酸の抗炎症作用の機序

ボスウェリア酸の抗炎症作用について以下の機序によるものと考えられています。

 

・ロイコトリエンの放出抑制

・5-リポキシゲナーゼ(ロイコトリエン合成に関わる酵素)の阻害

・NF-κB(炎症性サイトカイン:IL-2、IL-6、IL-12、TNF-α、COX2など転写)の阻害

・白血球エラスターゼ(炎症に関連する酵素)の阻害

 

ボスウェリア酸・ボスウェル酸の抗炎症効果

海外文献(pubmedに掲載)によれば、以下のような免疫抑制、抗炎症効果が見られたと報告されています。

 

免疫抑制効果

■ボスウェリア酸がTh1を用量依存的に阻害したという試験管内実験(PMID: 15879017)

【実験要旨】

B. carterii植物樹脂から抽出したボスウェリア酸(BAs)をマウス脾細胞に添加し免疫調節特性を検証した。結果として、Th2サイトカインの用量依存的増強と結合TH1サイトカインの用量依存的阻害をもたらした。

 

■ボスウェル酸がTh17分化を抑制し、Th2とTregを増加させたという試験管内実験(PMID: 24469975)

【実験要旨】

アセチル11-ケト-β-ボスウェル酸(AKBA)をヒトリンパ球に添加したところ、Th17への分化を抑制し、Th2とTregをわずかに増加させた。

さらに、AKBAは、IL-1βを抑制し、メモリーTh17細胞からのIL-17A遊離を減少させた。

 

抗炎症効果

■ボスウェル酸が抗炎症剤と同等の効果を示したとするマウス実験

(PMID: 11266947)

【実験内容】

心臓移植を行ったラットへのボスウェル酸投与による生存期間への影響を調べた。ボスウェル酸の低用量(0.3mg/kg)と高用量(0.6mg/kg)を死亡時まで毎日経口投与を行った。

 

【結果】

・未処理の対照動物は、8.4±1.5日で移植への拒絶反応を示した。

・低用量投与群は、平均14.5日生存期間の有意な延長をもたらした(8~59日)。

・高用量投与群は、平均16.7±6.6日生存期間の延長をもたらした(10~25日)。

・拒絶反応が最終的に抑制できなかったが、生存時間の有意な延長が病態の進展に明らかな遅れをもたらした。

・これらの知見は、過去に報告されたステロイドやアセチルサリチル酸単剤療法の結果に匹敵する効果である。

 

■ボスウェル酸はNFκB阻害による抗炎症作用を示すことが示唆されたという調査結果(PMID: 19814859)

【実験要旨】

過去の研究グループが報告したボスウェル酸に関する実験および臨床試験の見直しを行った。

結果として、抗炎症作用の作用機序にはNFκB阻害が関わっていることが示唆された。

 

このように、ボスウェリア酸・ボスウェル酸には高い抗炎症効果があると考えられています。

これらの物質の安全性については、他のページに記載のように、低濃度・短期間の使用においてはDNAに直接的な毒性を示さず比較的安全性が高いと考えられているようです。

(photoby:著者)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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