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尿路結石に「カルシウム摂取」が推奨されている?朝昼摂取がOK、夜間摂取がNGである訳とは

milk-1223800_640.jpg尿をろ過し排泄する管に結石が出来る疾患を、尿路結石または腎臓結石と言います。この結石の中でも、8割近くの原因を占めているのが「シュウ酸カルシウム」です。

 

通常5mm以下の小さな結石で関連する基礎疾患がない場合、水を大量に摂取して経過観察する、という方針が取られることが多いといいます。

 

ただ、その他の食事摂取に関しては、乳製品に由来するカルシウムを摂取するべきかどうか議論が分かれていました。

 

近年の研究によればカルシウム摂取は結石予防に非常に重要な役割を持つと考えられており、またその摂取時間帯が特に重要という報告があります。

 

カルシウム摂取は尿路結石を悪化させない?

尿路結石の中でも「シュウ酸カルシウム結石」は、発生の危険因子として「カルシウムの排泄量の増加」「尿量の減少」が挙げられています。

 

過去の治療法では、尿中のカルシウム濃度を減らすために、カルシウム摂取量そのものを減量することが重要と考えられていました。

 

しかし調査の結果、カルシウム摂取量の低い患者においても腎結石が生じることが明らかになり、近年では適量のカルシウム摂取を摂ることが反対に結石を作りにくくし、予防に繋がると考えられています。

 

「夕食時」に多量のカルシウム・動物性タンパク質を摂ると結石リスクに繋がる

ただ、カルシウムは摂取する時間帯によっては、結石リスク増加にも繋がるという報告があります。

 

■夕食時のカルシウム摂取と動物性たんぱく質が腎結石を促進させるという結果(近畿大学医学部泌尿器科学教室/日泌尿会誌, 79巻, 3号, 1988年)

【対象】

カルシウム含有結石を持つ男性患者80名(近畿大学医学部付属病院泌尿器科に通院中の症例、他の基礎疾患はなし)

 

【調査方法】

1~2週間の食生活調査(夕食栄養素摂取量)と、その期間中の24時間採尿を行った。対象として健常男性44名と比較した。

 

【結果】

□食事に関して

・結石患者では、総蛋白質および動物性蛋白質摂取量が多く、カルシウム摂取量が少ない傾向にあった。

結石患者の1日栄養素摂取量のうち夕食の占める割合は、すべての栄養素で40%以上であった。

・特に動物性蛋白質の夕食比は54.1%と高かった。

 

□尿に関して

・夕食で摂取したカルシウムと総蛋白質が、早朝第1尿カルシウム排泄量に影響を及ぼした。

・早朝第1尿のカルシウム排泄量は、結石患者のほうが健康成人より明らかに多かった(夕食摂取量や食後から就寝までの時間が原因と推測)。

 

就寝時は脱水による尿濃縮で、結石が促進される

先の調査を実施した論文の考察によると、「1日栄養素摂取量に異常が認められなくても、朝食・昼食が軽めで夕食が多量になると、夕食後・就寝後の尿に結石促進物質(カルシウムなど)が多量に排泄される」と述べられています。

 

また、就寝時には脱水状態になりやすいことも結石のリスクに繋がりやすいと考えられています。

 

■結石が夜間に形成されやすい原因

・就寝中は脱水状態になり尿が濃縮されやすい(不感蒸泄や発汗、不動等による)

・食事の影響によって食後2~4時間をピークに、尿中排泄物質が増加する。

・就寝前に多量の夕食(高動物性脂肪・高カルシウムなど)を摂取することで、より結石の好発しやすい尿環境になる。

 

水と適量のカルシウム摂取を心がけ、夕食中心の食生活を改めることが重要

またさらに、腎結石を予防するためには、以下の点に留意することが肝要であると述べられています。

■腎結石予防の注意点

・カルシウム排泄量を増加させる物質は「夕食時のカルシウム>夕食時の動物性蛋白質(酸性食品)>夕食時の総蛋白質>>(朝・昼時の)カルシウム」の順に影響が大きい。

・酸性食品を多量に摂取することで、慢性的な酸過剰状態や低クエン酸尿症に陥る(血液ガス分析などでは検出できない)。

⇒また、京都大学で行われた類似の調査(※1)に関しても、先の調査とほぼ同様の結果が報告されており、具体的な食事療法として以下の基準が提案されています。

 

■栄養素摂取量

・蛋白質摂取量(1日70g:動物性タンパク比50%)

・カルシウム摂取量(1日400~500mg)

・核酸摂取量(極端に多い場合のみ指導)

・野菜摂取量(一食一皿)

・食塩摂取量(1日10g以下)

 

■尿中排泄物質

・水分を多量摂取する(1日1500ml以上:特に夕食後)

・朝昼夕食の栄養バランス是正(夕食中心の食生活を是正)

 

このように、腎結石を抑えるためには「夕食とCa摂取量を抑える、夕食後すぐに就寝せず水分を多く摂取する」ことが特に重要であるようです。

 

ただ、米国のある機関(AUA)ガイドライン(※2)によると、「水分摂取量は最低2.5リットル/日(エビデンスgradeB)」「食事性カルシウム摂取量は1,000-1,200mg/日(gradeB)」「シュウ酸・ナトリウムを制限し通常のカルシウムの消費量を維持するべき」と定められているようです。

 

実際どの程度まで必要であるかは、一度主治医に相談することが重要となりそうです。 

(参照ウェブサイト:※1:京都大学※2:American Urological Association

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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