
陣痛を乗り切り、安産をするためには「呼吸法」と「リラックスすること」が効果的です。
呼吸法は痛みを逃すためのリラックス法のひとつです。
ゆったりした気持ちで呼吸をすれば、気持ちを落ち着かせることができるためです。
ここでは、陣痛時の呼吸法と「ラマーズ法」の呼吸法を見ていきましょう。
陣痛の時に呼吸法をする意味は?
お産はとても緊張するものです。それに、さらに陣痛の痛みも加わります。
そして「こわい」「不安だ」などと緊張してしまうとお産によけい時間がかかってしまいます。
そのためどうしても呼吸も早くなって過呼吸になりパニックになってしまうということもあります。
そんな状態にならないよう、出産時に役立つ呼吸法を知っておくことは大切です。
いざ出産!というときにあわてず、リラックスして良い状態で出産に臨めるでしょう。
そんなお産の痛みを和らげてくれる呼吸法を紹介します。
陣痛の時の正しい呼吸法
陣痛の時の正しい呼吸法は以下のような順番になります。
1.まずは、ゆっくり「フーフー」と吐き出した呼吸をします。
2. 腹式呼吸で行います。お腹を意識してください。
3.鼻からゆっくり空気を吸って、口からゆっくりと吐き出しましょう。
4.流れるように繰り返し行ってください。
5.そのとき、吸う息よりも吐く息を意識してください。
このように、腹式呼吸の練習をして、自分なりのリラックスする方法を体で覚えます。
これにプラスして、妊娠中からお産で赤ちゃんが下りてくるところを想像するイメージトレーニングをしましょう。
陣痛の痛みにパニックになってしまって呼吸が早くなったり、乱れたりすると息が苦しくなり、呼吸困難を起こすケースもあります。
また、呼吸がスムーズに運ばないと、胎児に酸素をたっぷりと送ることができません。
出産はリラックスを心がけて
呼吸法によって長く息を吐くと、体の力を自然に抜くことができ、体がリラックスできます。
こうしてリラックスすることで、陣痛の痛みがやわらぐことも多いでしょう。
お産をスムーズに運ぶためにも、赤ちゃんに負担をかけないためにも、正しい呼吸法を妊娠中から練習しておきましょう。
陣痛を和らげる呼吸法「ラマーズ法」
陣痛を少し和らげる呼吸法といえば、ラマーズ法ですよね。
ラマーズ法を行わない分娩では、出産中の陣痛はあまりにも痛くて、呼吸を止めてしまうママも多いのではないでしょうか。
ですが、ママが息を止めてしまうと、赤ちゃんに酸素が送れなくなってしまいます。
そうすると、赤ちゃんも苦しくてなかなか出てこられなかったり、産まれたときの血色が悪かったり、赤ちゃんが酸素不足の状態になってしまいます。
ラマーズ法は、弛緩法や呼吸法によって、心と体の緊張をほぐし、自然な形でお産をするための呼吸法です。
この呼吸法を実践することで、ママがしっかり呼吸をすることでき、赤ちゃんにも十分に酸素を送ることができるのです。
ラマーズ法の呼吸法
ラマーズ法は、「事前にお産のしくみをよく理解しておけば不安や緊張がやわらぐ」という精神予防性無痛分娩の考えに基づいています。
すべての呼吸法は「吸う」からスタートして「吐く」で終了します。
激しい呼吸は過呼吸になってしまうので、できるだけ、静かに長く吐くようにしましょう。
1. 陣痛開始
「陣痛かな?」という程度の時は、ゆっくり鼻から吸って、口から吐く深い呼吸を。
陣痛が規則的になり、深い呼吸では収縮の強さに乗りにくくなったら、少し浅い呼吸に変えます。
吸うのに1秒、吐くのに1秒、軽く口を開け、アウトと言うつもりで息を吐きます。
2. 子宮口が開く
だんだん子宮口が開いて、収縮の波が強くなってきたら、ヒー・フー型に。
息を吸ってヒーと吐き、短く吸ってまたフーと吐きます。
フーのほうが少し長めです。
3. 陣痛が強まる
収縮がかなり強くなり、ヒー・フーではつらくなってきたら、今度は、ヒッ・ヒッ・フーと、少しあえぐような感じの短息呼吸になります。
ヒッ・ヒッと短く息を吐き、最後のフーは少し長めに。
いきみたくなっても、子宮口が全開大になるまではガマン。
大きな収縮の波がきた時は、フー・フーと息を長く吐いていきみを逃します。
4. いきみの指示が出る
最もポイントとなる呼吸法フー・ウンです。陣痛が強くなればなるほど「フー」と深く息を吐きます。
「ウン」は、
1.いきみを逃すために、鼻から息を抜くようにウンと吐く
2. 瞬間的に肛門のほうにウンといきむ
の2種類を使い分けます。
5. 赤ちゃんの頭が出てくる
赤ちゃんの頭が出てきたら、全身の力を抜ききるようなつもりで、フー・フーと深くゆっくり息を吐きます。
いきまずに、上手に力を抜けば、赤ちゃんを締め付けないで済みます。
赤ちゃんをスムーズに出してあげられるよう、このラマーズ法は覚えておいてくださいね。
(Photo by:足成 )