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健康診断・健康管理

風邪の引き始めに即効性のある「プロポリススプレー」、細胞毒性のリスクはある?

bee-91844_640.jpg蜜蜂の巣から採取される「プロポリス」は、近年の研究で抗炎症・感染予防・抗がん作用などが報告されており注目が高まっています。

引き始めの風邪に関しては特に有効性が高く、市販の喉スプレーやキャンディの摂取で即効性が見られたという声もあります。では、プロポリスに細胞毒性の副作用は見られるのでしょうか。

 

「プロポリス」は産地によって含有成分が大きく異なる

プロポリスとは、ミツバチが木の芽や樹液などから集めた樹脂製混合物のことで、巣の隙間を埋める封止剤として使われています。

 

プロポリスは、ミツバチが集めてくる植物を原料として作られるため、産地や起源となる植物によって、特有成分やその色(黒褐色、暗緑色、赤褐色のものなど)が異なり様々な種類があります。

 

産地による成分の違いの例としては、ヨーロッパ産や中国産のプロポリスではポプラという植物を主に起源としており、主成分としてフラボノイドが確認されています。

 

一方、ブラジル産プロポリスにはアレクリン・ド・カンポという植物を起源としており、主にアルテピリンCをはじめとする桂皮酸誘導体、フラボノイドが含まれると言われています。

 

■ブラジル産プロポリスエタノールエキス100g中の各成分含有量(山田養蜂場の製品例)

・ドルパニン(1.4g)

・ケンフェライド(1.9g)

・アルテピリンC(12g)

・バッカリン(3.1g)

・クロロゲン酸(0.12g)

・4-カフェオイルキナ酸(0.064g)

・カフェ酸(0.11g)

・p-クマル酸(15g)

・ナリンゲニン(0.046g)

・ジヒドロケンフェライド(1.1g)

・ケンフェロール(0.12g)

・ピノセンブリン(0.029g)

・クリシン(0.0011g)

・6-メトキシケンフェライド(1.5g)

・クリフォリン(0.22g)

 

厚生労働省によるプロポリス毒性に関する調査報告

では、プロポリスの毒性に関してはどのような結果が報告されているのでしょうか?厚生労働省の調査によれば、一般的にプロポリスの製品に用いられる2%程度の濃度のエタノール抽出プロポリス(EEP)においては、発がん性は認められなかったとされています。

 

■遺伝毒性は培養細胞は陽性、マウスは陰性という結果

(既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究/平成23年3月)

【実験内容】

哺乳動物培養細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験と、マウス3匹への骨髄の小核試験(プロポリス500,1000,2000mg/kgで2回強制経口投与を行った後)を行った。

 

【結果】

・培養細胞に関しては、用量依存性(144,294μg/ml)に染色体異常の誘発が認められた。その強さは中等度だった。

・マウスに関しては、小核を有する多染性赤血球の頻度に有意な増加は認められず、用量依存性も認められなかったことから、陰性と判断した。

 

■2年間の2.5%濃度のプロポリス投与で、発がん性は認められなかったという結果(同上)

【実験内容】

ラットにブラジル産プロポリス0.5および2.5%含有の餌を2年間にわたり投与した。

 

【結果】

・0.5%群のオスと2.5%群のメスの生存率が対象群に比べ、有意に高かった。

・病理組織学的検査では、腫瘍性の変化は認められなかった。

・2.5%群のオスでリンパ腫や白血病細胞の発生率の有意な低下が、0.5群のオスと2.5%群のメスで下垂体腫瘍の発生率の有意な低下が認められた。

 

海外の研究機関による調査報告

また一方で、海外研究の文献を検索したところ、「発がん性物質と同時にプロポリスを摂取した際、通常がんの初期段階に行われるアポトーシスを阻害する可能性がある」と述べられているものがありました。

 

高齢の方、熱い飲料を好む方、免疫が低下している方などでは、高濃度・長期間のプロポリススプレーの使用は注意が必要かもしれません。

 

■プロポリスと発がん性物質との併用で、腫瘍増殖性が増強したという結果(PMID: 26111810 )

【実験内容】

実験1) ラットに4-32週間にわたりエタノール抽出プロポリス(EEP)を4種類の濃度で与え(0.125、0.25、0.5、1%)、それに続いてBBN(発がん性物質)を2-4週間与えた。

実験2) ラットに、発がん性性物質の摂取をのぞき、基礎食かEEP(1%)のみを13週間にわたり与えた。

実験3) デルタラットにEEP(2.5%)が混ざった餌を13週間にわたって与えた。

 

【結果】

・実験1では、6週目に、EEP(0.5-1%)摂取群の間で有意に上昇し、36週にはEEP(すべての濃度)摂取で尿路上皮癌や総腫瘍の発生率・多重度が上昇した。

・実験2では、1%のEEP群において、尿沈殿物中に、細胞増殖や単純な過形成の発生率の増加が観察された。

・実験3では、膀胱尿路上皮内の明らかな変異は誘発されなかった。

 

⇒研究者によれば「EEPは発がんの初期段階のアポトーシスを阻害し、BBNによる膀胱発がんを増強した」と述べられています。

 

このように、プロポリスはそれ自体には発がんの副作用は見られないようですが、がん細胞が発生している場合、高濃度・長期間の使用ではそれを増強するような可能性があるかもしれないという事が分かりました。

 

通常の市販品(森川健康堂プロポリススプレーなど)では、約2%濃度が一般的であるようですが、20-30%濃度と高濃度の製品も見られるため、成分濃度には注意して購入したいものですね。

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-09掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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